2016年1月30日(土)、31日(日)ホテルニューオータニ大阪において、第14回日本獣医がん学会が開催された。
30日には、認定医Ⅰ種講習会対応シンポジウム【内科】「症例から学ぶ腫瘍診療の落とし穴~診断と治療に苦慮した経験から~」、【外科】「前縦隔腫瘍に対する治療戦略」、認定医Ⅱ種講習会対応総合教育講演「腫瘍の臨床診断と治療」8科目(臨床病理学・診断学総論・治療学総論・外科療法・細胞診断学・画像診断学・化学療法・放射線療法)が行われた。
また今回の学会では両日にわたり、ゲスト講師としてニューヨーク市アニマル・メディカル・センターのACVS専門医Dr. Chick Weisseが招かれており、低侵襲医療であるインターベンショナル・ラジオロジーの腫瘍治療への活用などについて講演を行った。30日にはInterventionドライラボが人数限定で行われ、31日には大会場で特別講演「インターベンショナル腫瘍学:困難な癌症例に対する新たな(最新の!)治療法」、「尿路のインターベンショナル・ラジオロジー 困難な症例に役立つ手技」、「動脈内注入化学療法」が行われた。いずれも高度かつ具体的な治療方法が解説された。
両日とも教育講演、一般口演が並行して行われており活況を呈した。動物の高齢化に伴い腫瘍治療への関心は高まっており、参加人数も増加傾向にある。今回はおよそ600人の参加となった。次回開催は6月25日(土)、26日(日)。
会場の様子
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第14回日本獣医がん学会 開催される
2016/2/10
第56回日本伝統獣医学会大会開催される
2016/1/19
2015年11月29日(日)、日本獣医生命科学大学において、第56回日本伝統獣医学会大会が開催された。本年度は「代替医療を科学する」をテーマに、招待講演、一般演題、教育講演、イブニングセミナーが行われた。
午前中は、招待講演として井齋偉矢先生(静仁会静内病院院長、サイエンス漢方処方研究会理事長)より科学の視点からの漢方薬の処方について解説された。
午後の教育講演では、井上正康先生(健康科学研究所、大阪市立大学医学部名誉教授)より「エネルギー代謝と生命のスーパーシステムー生物進化から生老病死を考えるー」と題し、疾患や老化の原因といわれている活性酸素とNOによる体内管理についての解説が行われた。
イブニングセミナーでは、「L-カルニチンについて」と題し、先の井上正康先生と王堂 哲先生(和洋女子大学家政学群客員教授)が講演された。
各講演ともに、座長が獣医師の先生ではあったが、講演者はすべて医学の専門家であり、医学と獣医学のさらなる連携を重視する当学会の姿勢が垣間見えた。展示会場も賑わいをみせ、肌寒い陽気ではあったが、参加者の熱気が感じられた。
会場の様子
第36回動物臨床医学会年次大会開催される
2016/1/19
2015年11月20日(金)~22日(日)の3日間にわたり、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて第36回動物臨床医学会年次大会が行われた。
約20会場にて分科会セミナーや研究会、症例検討や一般口演などが行われ登録者数は2000名を超えたとのこと。また今大会では新たに「獣医総合臨床認定医制度」が立ち上がり、土曜日の歓迎交流会では山根義久先生(本公益財団法人 動物臨床医学研究所 理事長)より、制度の立ち上げのきっかけや目的について丁寧に紹介され、制度の重要性に皆が理解を深めた。本制度立ち上げにより本研究所の一層の活躍が期待される。
次回は、2016年11月18日(金)~20日(日)、今大会と同じ大阪国際会議場にて開催予定。
2015年11月10日(火)、東京大学農学部キャンパスにおいて、東京大学大学院農学生命科学研究科(研究科長:丹下 健先生)と公益財団法人日本盲導犬協会(理事長:井上幸彦先生)が、連携協力に関する包括協定調印式を開催した。続くプレス発表では、前多敬一郎先生(同研究科 獣医学専攻長)、西村亮平先生(同研究科 獣医学専攻 教授)、吉川 明先生(日本盲導犬協会常任理事)、多和田悟先生(同協会 訓練事業本部長 常勤理事)、松波芳郎先生(同協会 神奈川訓練センター長 訓練育成管理長・盲導犬研究室長)から、協定の意義や連携内容について説明がなされた。現状では盲導犬育成の成功率は30~40%だが、当連携により早期にその適正を見極めることが可能になれば前出の成功率の向上が期待されることなどについて話された。同研究科と同協会はともに「今回の協定はまずは第一歩」という。これからより具体的な推進内容について取り決めていくとのことであり、今後の展開が待たれる。
調印式にて、井上幸彦先生(左)と丹下 健先生(右)
プレス発表にて、左より松波芳郎先生、多和田 悟先生、
吉川 明先生、前多敬一郎先生、西村亮平先生
第3回 日本医師会・日本獣医師会による連携シンポジウム 開催される
2015/11/9
2015年11月6日(金)、日本医師会館(東京・駒込)において、第3回 日本医師会・日本獣医師会による連携シンポジウムが開催された。今回は「越境性感染症の現状と課題」をテーマに計4講演が行われた。
公益社団法人 日本獣医師会の藏内勇夫会長はご挨拶のなかで、世界医師会および世界獣医師会が開催するOne Health国際会議の第2回大会を日本開催で調整中であること、現在26の地方の医師会と獣医師会の学術協力の推進に関する協定を結んでおり、47都道府県すべてで協定を結べるよう進めている旨を述べた。
そして、座長の1人であった日本大学生物資源科学部教授の丸山総一先生進行のもと、獣医師としては山口大学共同獣医学部教授の前田 健先生が「獣医学領域からのSFTS(重症熱性血小板減少症候群)の解明」と題し、SFTSウイルスの分離を通して、動物由来の感染症を知る重要性を解説された。
会場の様子
第7回VEP(耳研)東京大会 開催
2015/10/26
2015年10月18日(日)、AP品川にて第7回VEP(Veterinary Ear disease Practice:耳研)東京大会が開催された。
「その斜頸、実は耳です!~知ろう鼓膜の向こう側~」をテーマに、特別講演「イヌやネコの耳:聴覚と平衡機能からの中耳・内耳を考える」川崎安亮先生(鹿児島大学)、一般講演「中耳の解剖」山口 勝先生(エムズ・アニマル・ホスピタル)「斜頸…外耳炎・中耳炎・内耳炎???」臼井玲子先生(臼井犬猫病院)「中耳内の処置と注意点」田中樹竹先生(ぱんだ動物病院)、症例報告「3頭のフレンチ・ブルドッグにみられた捻転斜頸」三枝早苗先生、他(北川犬猫病院)「斜頸(内耳炎・中耳炎)のフレンチ・ブルドッグの一例」臼井玲子先生(前出)・飯田雅子先生(エムズ動物病院)「犬の耳疾患がもたらす様々な苦痛に関する考察」杉村 肇先生(どうぶつ耳科専門クリニック主の枝)と、充実した内容で展開。外耳・中耳・内耳の構造、ビデオオトスコープを用いての治療、脳・神経疾患に至るまで網羅した内容に会場の先生方は熱心に耳を傾けていた。
「これからも獣医師の先生同士、耳科に関する意見交換や情報共有できる場としてあり続けたい」と本研究会会長の三枝早苗先生。
次回は2016年12月4日、大阪にて開催予定。本研究会への問い合わせはVEP(耳研)事務局(mail@ac-rav.com)まで。
会場の様子
三枝早苗本会会長挨拶
日本臨床獣医学フォーラム年次大会2015開催
2015/10/7
2015年9月25日(金)~27日(日)の3日間にわたり、日本臨床獣医学フォーラム年次大会2015が東京、ホテルニューオータニで開催された。「もっと考えよう 伴侶動物との暮らし-どうぶつにやさしい医療-動物が楽しく快適なシニアライフを送るために」をテーマに、本年も小動物臨床獣医師、VNおよび市民対象のプログラムが数多く行われた。今年から展示会場も講演会場と同じく金曜日からの3日間開催となった。
本年の年次大会の特色は「高齢動物シリーズ」と銘打ったセミナーであろう。獣医師プログラムでは歯科学、整形外科学、消化器病学、麻酔学、エキゾチックに関するセミナーが、VNプログラムでは眼科、理学療法、高齢動物学に関するセミナーが開催された。また、誰でも参加可能な特別プログラムでは多くの一般の方も多く聴講されていた。JBVPスペシャルシンポジウムでは「高齢動物との幸せな暮らしのために」をテーマに、徳力幹彦先生(山口大学名誉教授)、佐野忠士先生(酪農学園大学)、村田香織先生(もみの木動物病院)、太刀川史郎先生(たちかわ動物病院)をコメンテーターに、柴内晶子先生(赤坂動物病院)の司会の元、高齢動物との暮らしに関する解説が行われた。聴講者のほぼ8割が一般の方であったこと、夜鳴きする犬猫については外のにおいを嗅がせてあげるとよいということ、また老齢の犬や猫に対して、子犬や子猫を一緒に飼うとより元気に暮らしてくれるという話が印象的であった。
そして、JBVP会長の石田卓夫先生は、初日の開会式にて、2019年にFASAVA(アジア小動物獣医師協会)東京大会を東京都獣医師会と共催で行うことを発表した。場所はホテルニューオータニ、2019年9月27日~29日開催予定。獣医界にとって大きな追い風になると期待される。
次回開催は2016年9月23日(金)~25(日)予定。
開会式での石田卓夫先生
第1回VSJサミット 開催される
2015/10/7
2015年9月20日(日)、ミクシィ コラボレーションスペース(東京都・渋谷区)において、VSJ(Veterinary Services Japan)による、第1回VSJサミットが開催された。
2010年頃より、日本の獣医業界について「スペシャリスト」(専門医)と「ジェネラリスト」(一般開業医)が、忌憚なく意見交換することを目的に辻田裕規先生(どうぶつ眼科専門クリニック)や三好紀彰先生(松山ほうじょう動物クリニック)といった先生方が中心となり、Facebookを中心に内々に展開してきたが、2014年に獣医学の枠を越えた仲間が集まり立ち上がったのがVSJ当団体である。Face to Faceでの意見交換ができるように、今回、第1回本サミットが開催された。
岩永孝治先生(東京動物心臓病センター)、太田 寛先生(北海道大学)、小山田和央先生(松原動物病院)、小笠原聖悟先生(アイデックスラボラトリーズ)、佐藤昭司先生(千里ニュータウン動物病院)、佐野洋樹先生(ニュージーランド マッセイ大学)、高木 哲先生(北海道大学)、田邊美加先生(動物病理診断センター)、辻田裕規先生(前出)、朴 永泰先生(代官山動物病院)、原田 慶先生(日本小動物がんセンター)、藤井裕介先生(アセンズ動物病院)、古川敬之先生(日本動物高度医療センター名古屋分院)、中村篤史先生(TRVA夜間救急動物医療センター)、長濱正太郎先生(小動物麻酔鎮痛サポート)、西山ゆう子先生(ミグノンペットクリニック)といったスピーカーの先生方と、会場に集まったジェネラリストの先生方が、「日本における麻酔科/エマージェンシー科の必要性について」、「専門医の独立開業と勤務の違いとは?」、「日本と米国の教育システムの違いとは?」、「日本の腫瘍科・病理科のこれから」、「ジェネラリストはスペシャリストをどう活用すべき」、「これから専門分野はどう進むべきか?」といったテーマごとに、互いが日頃から抱える悩みや疑問を率直に語り合い、問題点を共有し、未来に向けての獣医療について模索した。
来年第2回も開催の予定。詳細はhttp://www.vsj-llc.net/まで(事務局:松山ほうじょう動物クリニック 三好紀彰先生)。
会場の様子。スペシャリストの先生方とジェネラリストの先生方による至近距離でのディスカッションが展開された
一般社団法人 日本獣医眼科カンファランス2015年年次大会開催される
2015/9/11
2015年8月9日(日)、東京コンファレンスセンター・品川 大ホールAにおいて、一般社団法人 日本獣医眼科カンファランス2015年 年次大会が開催された。本年度は「ぶどう膜炎と眼内腫瘍を診る」をテーマに、各講演が行われた。
午前中は、計4題の一般演題のあと、今大会の大会長である滝山直昭先生(日本大学)による講演「ぶどう膜炎の診断」が行われた。診断評価について、ぶどう膜炎の有無、範囲、程度の評価と原因の評価の2つを挙げ、とくに原因については眼科検査のみではなく全身検査所見が重要であると解説された。
そして、午後からは若生晋輔先生(トライアングル動物眼科診療室)による「猫のぶどう膜炎」、前原誠也先生(酪農学園大学)による「ぶどう膜の腫瘍」、打出 毅先生(酪農学園大学)による「リンパ腫の診断と治療-眼科領域から―」の講演が行われた。
最後にJVOCよりぶどう膜炎診療ガイドライン2015年度(案)が提示され、その作成およびディスカッションが行われた。ぶどう膜炎の定義と分類、検査、診断、治療の区分で示されたガイドラインの内容に多くの先生が活発な意見交換を行った。
昨年から会場も変更し、参加者数もこれまでの最多人数を更新した。当日は夏の猛暑もひと段落ではあったが、会場内は参加された先生方の熱意に包まれた。
会場の様子
「獣医師による災害対策および対応」セミナー 開催される
2015/9/11
2015年7月25日(土)、日本獣医生命科学大学(東京都・武蔵野市)において、災害動物医療研究会・関東地区獣医師会連合会・公益社団法人東京都獣医師会の共催により、カルフォルニア大学デービス校からDr.John Madigan、Dr.Patricia Andradeを招き、「獣医師による災害対策および対応」セミナーが開催された。
前半は「伴侶動物に対する緊急時対応と獣医学」「災害シェルターにおけるバイオセキュリティー、ズーノーシス、疾患伝番予防」「緊急時災害における救護活動」といった講義が行われ、災害時の指揮系統や情報の一元化の大切さなどについて具体例を交えた講義に、参加者は理解を深めた。
後半は、直下型地震を想定した6タイプのシミュレーションを用いたグループセッションを実施。地震発生後の避難場所として「都内の公園」「体育館」「お寺」「刑務所」「スーパーマーケット」「都内の牧場」の6ヵ所を設定し、それぞれ班ごとに分かれ、前半の講義内容をふまえながら避難してきた動物達への対策と対応の模擬実践が行われた。
前半が講義、後半が実践とういう展開により、災害対策と対応の難しさや重要点を参加された獣医師の先生方が改めて確認できるセミナーとなった。
前半の講義の様子
後半の模擬実践の様子