2015年9月20日(日)、ミクシィ コラボレーションスペース(東京都・渋谷区)において、VSJ(Veterinary Services Japan)による、第1回VSJサミットが開催された。
2010年頃より、日本の獣医業界について「スペシャリスト」(専門医)と「ジェネラリスト」(一般開業医)が、忌憚なく意見交換することを目的に辻田裕規先生(どうぶつ眼科専門クリニック)や三好紀彰先生(松山ほうじょう動物クリニック)といった先生方が中心となり、Facebookを中心に内々に展開してきたが、2014年に獣医学の枠を越えた仲間が集まり立ち上がったのがVSJ当団体である。Face to Faceでの意見交換ができるように、今回、第1回本サミットが開催された。
岩永孝治先生(東京動物心臓病センター)、太田 寛先生(北海道大学)、小山田和央先生(松原動物病院)、小笠原聖悟先生(アイデックスラボラトリーズ)、佐藤昭司先生(千里ニュータウン動物病院)、佐野洋樹先生(ニュージーランド マッセイ大学)、高木 哲先生(北海道大学)、田邊美加先生(動物病理診断センター)、辻田裕規先生(前出)、朴 永泰先生(代官山動物病院)、原田 慶先生(日本小動物がんセンター)、藤井裕介先生(アセンズ動物病院)、古川敬之先生(日本動物高度医療センター名古屋分院)、中村篤史先生(TRVA夜間救急動物医療センター)、長濱正太郎先生(小動物麻酔鎮痛サポート)、西山ゆう子先生(ミグノンペットクリニック)といったスピーカーの先生方と、会場に集まったジェネラリストの先生方が、「日本における麻酔科/エマージェンシー科の必要性について」、「専門医の独立開業と勤務の違いとは?」、「日本と米国の教育システムの違いとは?」、「日本の腫瘍科・病理科のこれから」、「ジェネラリストはスペシャリストをどう活用すべき」、「これから専門分野はどう進むべきか?」といったテーマごとに、互いが日頃から抱える悩みや疑問を率直に語り合い、問題点を共有し、未来に向けての獣医療について模索した。
来年第2回も開催の予定。詳細はhttp://www.vsj-llc.net/まで(事務局:松山ほうじょう動物クリニック 三好紀彰先生)。
会場の様子。スペシャリストの先生方とジェネラリストの先生方による至近距離でのディスカッションが展開された
学会・セミナーレポート
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第1回VSJサミット 開催される
2015/10/7
一般社団法人 日本獣医眼科カンファランス2015年年次大会開催される
2015/9/11
2015年8月9日(日)、東京コンファレンスセンター・品川 大ホールAにおいて、一般社団法人 日本獣医眼科カンファランス2015年 年次大会が開催された。本年度は「ぶどう膜炎と眼内腫瘍を診る」をテーマに、各講演が行われた。
午前中は、計4題の一般演題のあと、今大会の大会長である滝山直昭先生(日本大学)による講演「ぶどう膜炎の診断」が行われた。診断評価について、ぶどう膜炎の有無、範囲、程度の評価と原因の評価の2つを挙げ、とくに原因については眼科検査のみではなく全身検査所見が重要であると解説された。
そして、午後からは若生晋輔先生(トライアングル動物眼科診療室)による「猫のぶどう膜炎」、前原誠也先生(酪農学園大学)による「ぶどう膜の腫瘍」、打出 毅先生(酪農学園大学)による「リンパ腫の診断と治療-眼科領域から―」の講演が行われた。
最後にJVOCよりぶどう膜炎診療ガイドライン2015年度(案)が提示され、その作成およびディスカッションが行われた。ぶどう膜炎の定義と分類、検査、診断、治療の区分で示されたガイドラインの内容に多くの先生が活発な意見交換を行った。
昨年から会場も変更し、参加者数もこれまでの最多人数を更新した。当日は夏の猛暑もひと段落ではあったが、会場内は参加された先生方の熱意に包まれた。
会場の様子
「獣医師による災害対策および対応」セミナー 開催される
2015/9/11
2015年7月25日(土)、日本獣医生命科学大学(東京都・武蔵野市)において、災害動物医療研究会・関東地区獣医師会連合会・公益社団法人東京都獣医師会の共催により、カルフォルニア大学デービス校からDr.John Madigan、Dr.Patricia Andradeを招き、「獣医師による災害対策および対応」セミナーが開催された。
前半は「伴侶動物に対する緊急時対応と獣医学」「災害シェルターにおけるバイオセキュリティー、ズーノーシス、疾患伝番予防」「緊急時災害における救護活動」といった講義が行われ、災害時の指揮系統や情報の一元化の大切さなどについて具体例を交えた講義に、参加者は理解を深めた。
後半は、直下型地震を想定した6タイプのシミュレーションを用いたグループセッションを実施。地震発生後の避難場所として「都内の公園」「体育館」「お寺」「刑務所」「スーパーマーケット」「都内の牧場」の6ヵ所を設定し、それぞれ班ごとに分かれ、前半の講義内容をふまえながら避難してきた動物達への対策と対応の模擬実践が行われた。
前半が講義、後半が実践とういう展開により、災害対策と対応の難しさや重要点を参加された獣医師の先生方が改めて確認できるセミナーとなった。
前半の講義の様子
後半の模擬実践の様子
日本動物看護学会第24回大会~20周年記念大会~開催される
2015/7/22
2015年7月4日(土)、5日(日)の2日間、日本獣医生命科学大学において、日本動物看護学会第24回大会~20周年記念大会~が開催された。雨天のなか、2日間で200名を超える参加があった。
日本動物看護学会は、創設以来20年にわたり動物看護学の学術的側面を強化してきている。今大会ではメインテーマを「進化する動物看護学~さらなる動物看護学の発展をめざして、過去・現在・未来~」とし、日本の動物看護学と学会の歴史を振り返るとともに、今後を展望するプログラムとなった。
会期両日とも「20周年シンポジウム」が開催され、1日目は桜井富士朗先生(帝京科学大学)、松原孝子先生(日本獣医生命科学大学)、左向敏紀先生(日本獣医生命科学大学)による「日本動物看護学会の20年」、2日目は「広がりゆく動物看護師の職域」と題し、動物看護学を学び動物病院以外の職場で働く人14人が、それぞれ知識と経験を生かした仕事内容を語った。また学会企画シンポジウムでは、現在大きな論点となっている「動物看護学教育と公的資格化」を取り上げ、公的資格化に向けての課題が、佐々木伸雄先生(動物看護師統一認定機構機構長)はじめ5名の先生方より提示された。
卒後セミナー・講習では、食事管理、高齢動物、動物の交通事故などがテーマにあがり、「病気だけでなく動物全体を看る」動物看護学の広がりを示していた。
会場の様子
WJVF第6回大会 開催
2015/7/14
2015年7月10日(金)〜12日(日)、大阪市のホテルニューオータニ大阪および隣接する松下IMPビルにて、WJVF第6回大会が開催された。今年から金曜夕方からのスタートとなり、初日から多くの獣医師の先生と動物看護師が参加された。
「獣医師セッション」、「スペシャリストに聞いてみよう」、「動物看護師セッション」、「実習」、「市民公開講座(11〜12日)」にカテゴリー分けされたプログラム構成で、獣医師、動物看護師、一般市民対象の講演が行われた。
動物救急医療学、猫医学、腫瘍学や神経病学等プログラム内容は多岐にわたり、目白押しの充実したプログラムに参加者たちは熱心に耳を傾けた。
また、企業展示ブースでは、景品が当たるスタンプラリーや前年に続きWJVFのFaceBookページに各出展企業が紹介されるなど、主催者側の熱意が伝わり、今大会も参加者全員が満足できる工夫がみられた大会であった。
石田卓夫会長は開会式で、来年は金曜午後からと時間を繰り上げての開催を発表され、JBVP同様、今後もさらなる発展への意欲が感じられた。
第13回日本獣医がん学会 開催される
2015/7/14
2015年7月4日(土)、5日(日)東京コンベンションセンター(東京都中央区京橋三丁目1-1 東京スクエアガーデン5F)において、第13回日本獣医がん学会が開催された。
初日の「シンポジウム 併用放射線療法のススメ」では、放射線を専門とする先生方がそれぞれの症例をベースに治療法を紹介した。「パネルディスカッション:サージカルマージンを考える」では、病理と外科の先生方が、マージンについて検討を行った。
2日目のシンポジウムでは口腔内悪性黒色腫をテーマに臨床病理、病理、外科的治療と予後、放射線治療、内科治療の5講演が行われた。犬の口にできる腫瘍は悪性ものが多く、重度の歯周病が腫瘍のケースもある。本シンポジウムでは、一般臨床医に対してどのように診断、治療すべきかを改めて確認させる場となった。会場は、用意した椅子がすべて埋まるほど盛況で、関心の高さが伺えた。
同学会では一般口演、教育講演、サイコオンコロジーシンポジウムおよび認定医Ⅱ種試験対応の総合教育講演:腫瘍の臨床診断と治療(8 科目)も行われた。2日目には第5回獣医腫瘍科認定医Ⅱ種試験の合格者の授与式があり、29名が新たにⅡ種認定医となった。
次回第14回は泌尿器疾患をメインテーマに2016年1月30日(土)、31日(日)大阪で実施予定。
第2回 猫の集会 開催される
2015/7/14
2015年6月28日(日)、東京・品川インターシティホールにて、「獣医師・動物看護師のための勉強会 第2回猫の集会」が開催された。主催はJapanese Society of Feline Medicine(JSFM、ねこ医学会)であり、ISFM(国際猫医学会)の日本組織である。
第2回のテーマは「猫の消化器疾患を知る−その1 嘔吐—」。
「体系的な診断から誤診をなくす−嘔吐か吐出か? 急性か慢性か?−」石田卓夫先生(赤坂動物病院・JSFM代表)、「がん以外と嘔吐」中島亘先生(日本小動物医療センター)、「がんと嘔吐」小林哲也先生(日本小動物医療センター付属日本小動物がんセンター)による講演の後、辻本 元先生(東京大学)、西村亮平先生(東京大学)、賀川由美子先生(ノースラボ)を交えての総合討論が行われた。
休憩を挟んで後半の技能講習「キャットフレンドリーになるために」では、竹内晶子先生(赤坂動物病院)、入交眞巳先生(日本獣医生命科学大学)、服部 幸先生(東京猫医療センター)、上田綾子氏(ロイヤルカナン ジャポン)により、診察時の猫の扱い方、暴れさせないための行動心理と実践について、実際の映像を交え、保定の方法等について説明された。
500人を超える参加者が集まった第2回猫の集会。ISFMの日本におけるナショナルパートナーとしてJSFMは、今後ますます猫医療のレベルアップと福利向上を牽引していく。
第8回災害動物医療研究集会 開催される
2015/7/7
2015年6月28日(日)、日本獣医生命科学大学(東京都・武蔵野市)において、災害動物医療研究会による第8回研究集会が開催された。代表の羽山伸一先生(日本獣医生命科学大学)の挨拶の後、初のワークショップが展開。参加された会員の先生方を4グループに分けて、同行避難、学校飼育動物、ボランティアの有り様、地元との協力体制、公的機関との関わりなど、日頃から感じる問題点、課題を取り上げての白熱した意見交換が行われた。集約された意見は、災害時の動物医療支援活動を円滑に進めるための支援チーム養成プログラム作成に役立てられる。「絵に描いた餅にならないように、我々は考えていかなければならない。」と話す代表の羽山先生。
研究会では今後、カリキュラム作り等、上記支援チーム養成プログラムをより具体的に推し進めていく。詳細は、災害動物医療研究会ホームページ http://www.javdm.org/ 、問い合わせは研究会事務局まで。
代表の羽山伸一先生
2015春季合同学会(第90回日本獣医麻酔外科学会、第102回日本獣医循環器学会、第57回日本獣医画像診断学会)が、2015年6月19日(金)~21日(日)の3日間にわたり大宮ソニックシティにおいて開催された。
今回の合同シンポジウムは、日本獣医麻酔外科学会・日本獣医画像診断学会による「脳腫瘍治療の現状と進歩」、日本獣医麻酔外科学会・日本獣医循環器学会による「血栓症の治療を考える」、日本獣医循環器学会・日本獣医画像診断学会による「心エコーの可能性を追求する」をテーマに行われた。
また、20日には獣医麻酔外科学会が本年度より一般社団法人化したことを受け、日本獣医麻酔外科学会としての臨時総会が開催された。廉澤 剛会長(酪農学園大学)の説明のもと、理事5名の選出、世界獣医麻酔会議の経過報告、HPのリニューアルとFacebookの新設などの報告がなされた。また、一般講演アワードでは、計6題が選ばれ、懇親会にて表彰式が行われた。
本大会の日本獣医麻酔外科学会大会長である浅野和之先生(日本大学)は、今回はじめて本大会の参加者が1,000名を超えたことを発表した。講演も、会場によっては人があふれるほどの盛況ぶりをみせ、展示会場では勉強熱心な比較的若い先生や獣医学生の姿が目立ち、展示企業も過去最大数ということで、今後もますますの発展を感じさせる3日間であった。
各学会の大会長である中山智宏先生(左)、浅野和之先生(中央)、亘 敏広先生(右、ともに日本大学)
第2回 Team HOPEイベント2015開催される
2015/6/22
2015年6月17日(水)、第一ホテル東京にて、Team HOPEイベント2015「Team HOPEが推奨するペットの健康診断と、これからの予防医療」が開催された。当会関東地区委員長の上條圭司先生(ゼファー動物病院)、協賛委員である山本俊之氏(ロイヤルカナン ジャポン)の開会のご挨拶のあと、同じく当会関東地区委員長である川瀬英嗣先生(王禅寺ペットクリニック)から「Team HOPE健康診断項目」の発表について説明が行われた。基本的データから身体検査、問診、視診・触診、聴診、血液検査、便検査、尿検査およびX線検査までおさえるべき項目を提唱し、全国における健康診断の基準化を図りたいとのことであった。
また、特別講演としてTeam HOPE学術アドバイザーである石田卓夫先生(一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム会長、赤坂動物病院)による「新しい獣医学の実践:病気になったら治す獣医学 vs 病気になる前に動く先手必勝の獣医学 」の講演が行われた。予防できる病気を予防するのは獣医師の使命であり、健康診断とは病気を早期にみつけると同時に病気がなく、問題がないことを確認し、飼い主に動物が健康であると伝える点に価値があると解説された。検査を行いながら飼い主に最低3回は獣医師の先生自身が何をしているかについて説明することによりコミュニケーションが構築できるということ、数値ではなく臓器で説明する大切さ、健康診断を価値のあるものにするために獣医師の先生の知識および意識が必要であることを説明された。
今年2回目となる今回、北海道から沖縄まで、全国から獣医師の先生が集まった。19:30からのスタートではあったが、約160名の参加者と回を重ねるごとに盛り上がりをみせ、獣医界における予防医療の意識の高まりが感じられた。
川瀬英嗣先生(左)と石田卓夫先生(中央)と上條圭司先生(右)