小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

第58回 比較統合医療学会大会 開催

 2016年12月10日(土)、11日(日)、日本獣医生命科学大学(東京)において、第58回比較統合医療学会大会が開催された。
 10日午後に開会後、岸上義弘先生(岸上獣医科病院)によるシンポジウム「獣医領域の再生医療の実際」、続いて荒島康友先生(日本大学)による教育講演「登校拒否、うつ病様、CFS等を呈すZoonosis~Q熱、パスツレラ症~」が行われた。
 11日午前には、太田伸生先生(東京医科歯科大学)による講演「寄生虫感染症と統合医療:治療薬開発の経緯を辿る」が行われた。この講演では、マラリア治療薬であり住血吸虫病治療薬でもある青蒿素などを例として取り上げ、民間で伝承されてきた生薬から治療薬が開発されてきた経緯を紹介、それらの薬効機序解析から、今後期待される薬剤開発の展望や課題などが解説された。比較統合医療の1つの方向性として、伝統的医療に対する科学的アプローチが示される興味深い内容であった。
 午後には一般講演7題が発表され、症例発表や感染症認知度調査など、それぞれ幅広い分野での取り組みが示された。
 本大会のテーマは「比較統合医療の展望」であり、今後の展開にさまざまな方向性があることを感じさせる大会であった。

会場の様子

ブルーバッファロー新製品「ブルー ナチュラル ベテリナリー ダイエット(NVD)発売記念セレモニー in Tokyo 開催

 大切な家族のために選ぶ自然派フードをコンセプトに、アメリカのペットフード市場で急成長を遂げる大手フードメーカー「ブルーバッファロー」は、2016年12月1日から新発売の「ブルー ナチュラル ベテリナリー ダイエット(NVD)」の発売記念セレモニーを2016年12月11日(日)泉ガーデンギャラリー イベントホール(東京都・港区)で開催。ブルーバッファロー社副社長のTom Pletcherno氏による「ブルー製品について」、同社の研究開発担当上級副社長のGregory Reinhart先生による基調講演「抗酸化成分のパワーと予防医学における食事管理について」に続き、「最新のペットフード情勢と今後求められる先制医療とペットフードとの関係」と題し、氏政雄輝氏((株)VM3)コーディネートの元、新井敏郎先生(日本獣医生命科学大学)、西平衣里氏((公社)アニマル・ドネーション)およびブルーバッファローのGregory Reinhart先生をパネラーとして招き、先制医療、健康寿命の大切さとその将来について、それぞれの立場から解説された。
 飼い主を「ペットペアレンツ」とよぶ同社は、ブルーバッファロー財団も起業と同時期に立ち上げており、がんの研究を進めるアメリカの複数の大学に資金提供も行ってるとのこと。家族の一員であるペットのため、そして社会のために努めていきたいという情熱にあふれるセレモニーであった。

ブルーバッファロー社副社長Tom Pletcherno氏

第37回 動物臨床医学会年次大会開催される

 2016年11月18日(金)~20日(日)の3日間にわたり、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)にて第37回動物臨床医学会年次大会が開催された。
 約20会場にて170コマにおよぶパネルディスカッション、セミナー、症例検討、一般口演などが行われ、2,300名を超える参加者が、それぞれ目的の講演を回っていた。講演内容は小動物臨床のみならず、産業動物医療、動物看護師・スタッフ対象、また経営関連の内容から市民公開講座まで多岐にわたり、充実したものであった。
 また動物臨床医学会では2015年より「獣医総合臨床認定医制度」を設立、本大会の指定セミナー受講も認定医受験資格取得の必要項目となっており、そのポイント記録用の手帳が入口に並ぶ会場を多く見かけた。
 次回大会は、2017年11月17日(金)~19日(日)、同じく大阪国際会議場にて開催の予定となっている。

第5回 ペットとの共生推進協議会シンポジウム 開催

2016年11月13日(日)、ペットとの共生推進協議会による「第5回 ペットとの共生推進協議会シンポジウム『ペットとの“真の共生”を目指して』人と動物の福祉を推進する~」が、東京大学弥生講堂・一条ホール(東京・文京区)にて開催された。
 「ペットとの暮らしが健康寿命を延ばす」をテーマに展開された本シンポジウムでは、基調講演として星 旦二先生(首都大学東京)による「ペットとの暮らしが健康寿命を延ばす」のご講演で健康長寿の背景、要因がつぶさな調査に基づき紹介され、続くパネルディスカッションでは、越村義雄氏(本シンポジウム実行委員長)の司会のもと、パネリストとして柴内裕子先生(赤坂動物病院)、武内ゆかり先生(東京大学)、則久雅司氏(環境省)により、前述の基調講演の内容を振り返りながらのディスカッションが展開された。今年20周年を迎える公益社団法人日本動物病院協会(Japanese Animal Hospital Association:JAHA)のCAPP活動での経験からペットとの共生の有用性が解説され、また自身の体験をもとに獣医行動学の視点からペットを通した飼い主の状況把握の可能性、環境省の動物愛護管理行政や今後取り組むべき方向性などが話題にのぼった。ペットとの共生に関し、それぞれの分野で活躍される先生方のディスカッションに300人収容の会場は立ち見がでるほどであった。本協議会の熱い思いが伝わるシンポジウムであった。

会場の様子

第6回動物看護大会 開催

 2016年10月30日(日)、日本獣医生命科学大学(東京)で、一般社団法人日本動物看護職協会による第6回動物看護大会が開催された。「〜私たちの目指すプロフェッショナルとは!?〜」をテーマに行われた今大会では、初の試みとして海外から講師を招聘。アメリカでVTS(Veterinary Technician Specialist)として活躍するKenichiro Yagi先生(カリフォルニア州Adobe Animal Hospital勤務、Foothill College講師)を招き、第1部「目指せVTS! 動物看護スペシャリストへの道」ではアメリカと日本での動物看護師を取り巻く環境のちがいを、第2部「Just Breathe! Respiratory Emergencies(深呼吸:落ち着いて呼吸困難のアセスメントをする方法)」では、救急医療の現場で呼吸困難に陥った動物への初期アセスメントと処置について講演された。アメリカと日本では動物看護師の職域は異なるものの、動物の看護のプロとして、獣医師からどのような指示を受けても理解を示せるだけの知識を常に身につけておくことが大切であると、Yagi先生はいう。この他、今大会での初の試みとして実習セミナーおよび日本獣医生命科学大学付属動物医療センター見学ツアーを展開された。
 「今日の1日が、参加者の方々にとっての明日への一歩になれば」と横田淳子会長。日本での動物看護師が担う役割、法的整備の前進に尽力される本協会の熱意を強く感じる大会であった。

日本動物看護職協会 横田淳子会長

Kenichiro Yagi先生

日本獣医整形外科センター開設記念講演 開催

 2016年10月29日(土)、本センターによる開設記念講演が研究社英語センタービル(東京・新宿)にて、開催された。
整形外科治療で、安心して相談できる施設があれば、かつて助けられなかった動物たちを助けられたかもしれないという思いから、同年7月に立ち上がった本センター。代表の桐原信之先生(所沢アニマルメディカルセンター)、センター長は樋口雅仁先生(動物整形外科病院)、センター協力獣医師として青砥英三先生(アオト動物病院)、是枝哲彰先生(藤井寺動物病院・動物人工関節センター)、川田 睦先生(ネオベッツVRセンター)、林 慶先生(コーネル大学)が名を連ねる。
 犬猫の飼育頭数が多い関東圏で、紹介症例をみるとともに、最新の情報を提供し、さらに本センターでの整形外科手術に参加してもらい、直接、手術手技をみて学んでもらいたいという、診療と教育を兼ねた施設である。
 開催記念講演会では、「日本獣医整形外科センターがめざすもの」「とう尺骨・上腕骨における粉砕骨折、癒合不全に対する治療法」「股関節疾患、治療の選択、手術の選択②(股関節脱臼再建術と骨頚骨折再建、骨頭回転術による関節温存治療)」樋口雅仁先生(前述)、「骨折治療の基本的なテクニックと知っておくべき基礎知識」「治療を成功させるために確実にマスターすべき跛行診断技術①(身体検査とX線検査を中心とした画像診断の要点)」「股関節疾患、治療の選択、手術の選択①(完璧な骨頭切除術を行うために知っておくべきテクニック)」川田 睦先生(前述)、「治療を成功させるために確実にマスターすべき跛行診断技術②(最新の関節鏡診断、その超解像度がもたらす再新知見)」「全十字靭帯疾患に対する各種外科的療法の現状(LSS、TPLO、TTA、CBLO術式選択のコツ)」「股関節疾患、治療の選択、手術の選択③(股関節全置換術の真実、実際症例から得られる本当の機能回復とは)」是枝哲彰先生(前述)、「整形外科手術の術後ケアとリハビリテーションの実際」木村亮太先生(藤井寺動物病院・動物人工関節センター)、「日本の小動物整形外科教育とリファラルシステムへの期待と展望」林 慶先生(前述)が講演をされた。会場には約150名もの参加者が集い、最新の知見を会得しようと熱心に耳を傾けた。
「動物たちが安心して家へ帰れる、ハッピーエンドの結末を迎えられるよう、努めていきたい」と桐原代表は語る。本センターの今後の展開が期待される。

会場の様子

第2回 VSJサミット2016 開催

 2016年10月23日(日)、VSJ(Veterinary Services Japan)による第2回 VSJサミットが、快・決いい会議室(東京・新宿)で開催された。
「つながり」をテーマに開催された今回は、Session1「日本の各地域における獣医療コミュニティの現状と展望」、Session2「グローバルへ学術情報を発信する:施設を超えた協力体制」、Session3「動物看護師・勤務獣医師の活かし方」、Session4「動物医療における技術&働き方のイノベーション」、Session5「大学と民間施設の教育における役割とは?」、Session6「我々の業界の未来、他業界からはどうみえている?」の6つのSessionにわけて展開。
小笠原聖悟先生(IDEXX/小笠原犬猫病院)、米地謙介先生(奈良動物二次診療クリニック)、長坂佳世先生(D&C Physical Therapy)、末松正弘先生(AMC末松どうぶつ病院)、長濱正太郎先生(VAS 小動物麻酔鎮痛サポート)、伊藤良樹先生(山口大学)、中村篤史先生(TRVA)、神津喜広先生(北摂夜間救急どうぶつ病院)、田邊美加先生(動物病理診断センター)、近藤広孝先生(どうぶつの総合病院)、根尾櫻子先生(麻布大学)、古川敬之先生(日本動物高度医療センター JARMeC名古屋)、氏政雄揮先生(アームズ(株)、(株)ブイエムスリー)、岡田崇司先生(岡田吉和税理士事務所)、辻田裕規先生(どうぶつ眼科クリニック)、藤井裕介先生(アセンズ動物病院)、朴 永泰先生(代官山動物病院)、佐藤昭司先生(北摂ベッツセンター、千里ニュータウン動物病院)と、多くのスペシャリストとジェネラリストをスピーカーやモデレータとして迎え、「業界の今や未来の潮流」について参加者を交えてディスカッションされた。10:00~18:00までワンフロアに100名を超える人が集い熱い議論を交わし、獣医療界をよくしていきたいという熱意あふれるサミットであった。
2017年に第3回も開催の予定。詳細はhttp://www.vsj-llc.net/まで(事務局:松山ほうじょう動物クリニック 三好紀彰先生)。

会場の様子。第1回と同様にスペシャリストの先生方とジェネラリストの先生方による至近距離でのディスカッションが展開された

スピーカー、モデレーターの先生方

第18回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会2016 開催

 2016年9月23日(金)~25日(日)、第18回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会が東京、ホテルニューオータニで開催された「もっと考えよう 伴侶動物との暮らし-どうぶつにやさしい医療-FUTURE:今こそ、伴侶動物医療の未来を見つけよう」をテーマに、今年も小動物臨床獣医師、VNおよび市民対象のプログラムが展開された。画像診断、腫瘍、神経病、軟部外科、整形外科、放射線、歯科、皮膚病、循環器、栄養、行動等、今大会も多岐にわたったプログラム構成に、参加者たちは目的の講演へ足を運び、熱心に耳を傾けた。
今年も金曜日の早朝からプログラムが組まれ、初日の朝から会場はすでに満席、立ったまま聴講する参加者の姿が目立った。
 また、2019年に東京で開催されるFASAVAを控え、今回は英語によるプログラムも随所にあり、また海外からの演者も多数招聘された。
 「2019年FASAVAにむけて、海外からの参加者への対応を進めていきたい。JBVPはより国際色豊かになっていく」と石田卓夫会長。東京都獣医師会とともに、FASAVAを成功させ、伴侶動物医療の未来が一層素晴らしいものになるように、という意気込みがあふれる今大会であった。

開会式での石田卓夫会長

第159回日本獣医学会学術集会 開催 

 2016年9月6日(火)~8日(木)、第159回日本獣医学会学術大会が日本大学生物資源科学部(神奈川)で開催された。
 今大会のスローガンは「獣医学が紡ぐOne Health」。One Health関連の司宰機関企画のシンポジウムをはじめ、大動物、小動物、野生動物にかかわる多数のシンポジウムや勉強会が行われた。
 International Society for Human and Animal Mycology (ISHAM)獣医-医藻類ワーキンググループ共催シンポジウムでは、加納 塁先生(日本大学)をはじめ、海外からJacques Guillot先生(フランス)、Vanessa R. Barrs先生(オーストラリア)、Richard Malik先生(オーストラリア)を招いて展開され、マラセチアやクリプトコックス、アスペルギルスといった真菌を原因とする感染症について、感染経路や治療などについて海外の状況に参加者たちは熱心に耳を傾けた。日本での現状をふまえた質問など活発な意見交換がなされ、参加者たちの熱意があふれるシンポジウムであった。いっぽうOSCE委員会医療面接分科会によるスーパーバイザー講習会では、全国の獣医大学の先生方が集まり、獣医大学生のための医療面接実習を指導する「スーパーバイザー」についての講習会が行われた。スーパーバイザーは、実習において、獣医師役の学生、バーバル(言葉によるコミュニケション)およびノンバーバル(言葉以外のコミュニケーション)をチェックする学生、模擬クライアントのすべてをとりまとめる役目を持つ。講習会では、学生や模擬クライアントにボランティアで協力していただき、スキルアップのために医療面接実習にてどのように学生に指導していくか、その構成やテクニックについて学んだ。
 台風の影響が懸念されたが全日程を通じて多くの参加者が集い、One Healthの推進への熱意が感じられる3日間であった。


ISHAMシンポジウムの会場の様子

オーラベット®新発売記念セミナー「Dr.Brook Niemiecによる口腔疾患の最新情報」実施される

 2016年9月4日(日)、ベルサール渋谷ファースト(東京都渋谷区)において、オーラベット®新発売記念セミナー「Dr.Brook Niemiecによる口腔疾患の最新情報」が実施された。

 Dr.Brook Niemiecはアメリカ獣医歯科学会およびヨーロッパ獣医歯科学会の認定歯科専門医で、獣医歯科学会前会長、世界小動物獣医学会の代議員であり、獣医歯科に関する多くの著書を手がけている。今回各60分、計360分にわたり「歯周病、病因とその影響」「歯周の治療」「犬と猫の口腔病理に関する最新情報」「より易しい抜歯法(疼痛管理含む)」「外科的抜歯および合併症」「歯科X線検査のテクニックと読影」の6テーマについて解説が行われた。さらにQ&Aの時間も設定され、非常に充実した内容であった。

 また今回の講演は日本小動物歯科研究会後援のもと行われ、座長には歯科研究会理事の網本昭輝先生(アミカペットクリニック)、大場茂夫先生(日本大学獣医学科)、本田 洋先生(本田動物病院)らが名を連ねた。

 講演では最新知見に基づく検査から外科的治療の具体的なポイントのほか、歯周病の全身への影響、 無麻酔下での歯科処置の危険性、そして術前検査の重要性が紹介、解説された。とくに歯垢が24時間で形成されることから、口腔衛生管理には積極的なホームケアひいては飼い主教育が重要であり、今回のオーラベット®は噛むことによる物理的作用とデルモピノールによる化学的作用の組み合わせにより、ホームケアの一助になり得ると解説された。

 犬の飼育頭数の減少が懸念されるなか、とくに犬のデンタルケアは現在の動物病院が抱える問題を改善する大きな手段の1つであるといえる。約250名の聴講者が長時間熱心に耳を傾けている姿から、臨床現場における獣医歯科情報のニーズは年々高まっていると思われた。

会場の様子

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