小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

1st Asian Veterinary Nursing Conference 開催される

 2026年3月30日(月)、31日(火)の2日間にわたり、マレーシア・クアラルンプールのMRANTIパークにて、アジア初の大規模な動物看護師対象の国際会議である1st Asian Veterinary Nursing Conferenceが開催された。会場となるMRANTIパークは、クアラルンプール南部のBukit Jalil(ブキッ・ジャリル)地区にあり、近くにマレーシアの国立競技場がある技術革新とイノベーションを目的に整備された場所に位置する。ここでまさに革新的な動物看護の国際会議が行われた。
 はじめに、大会長であるマレーシア動物看護協会のChong Su Via氏らの挨拶のあと、IMU大学の副学長兼CEOのDatuk Dr Asma Ismail氏と本大会のプログラム委員長のSusanna Taylor氏が鳴らすドラの合図で本大会がスタートした。

●初日の基調講演は、日本でも著名な八木懸一郎氏による「Turning Passion into Purpose: Finding Meaningfulness in Your Career(情熱を目的に変える:キャリアにおける意義の発見)」であり、自身のキャリアやご家族のことにも触れながら愛玩動物看護師としての人生が豊かになるための考え方を紹介した。
 また、午後のパネルディスカッション1では、本大会のボードメンバーである村尾信義先生(倉敷芸術科学大学)が日本の立ち位置から、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、インドネシアの動物看護師とともに「Many Countires, One Shared Role: Veterinary Nursing Across Asia(アジア諸国で共通する動物看護の役割)」をテーマに意見を交わした。
 そして、ショートコミュニケーションセッションでは、「The Essence of Veterinary Nursing:Lessons Learned From over Two Decades in Japan(獣医看護の本質:20年以上にわたる日本での教訓)」と題し、村尾信義先生とクロス動物医療センターの新谷政人氏が、また「Anaesthesia nursing for ophthalmic surgery:The role of veterinary nurses working in ophthalmology clinics(眼科手術の麻酔看護:眼科クリニックで働く動物看護師の役割)」では、香港で活動する保科理子氏とどうぶつ眼科専門クリニックの沖原寛太氏の2名が登壇した。
 初日の懇親会は近隣のゴルフ場で行われ、参加者は楽しい地元の食事と交流を楽しんだ。

●2日目は、はじめにポスターセッションの表彰式が行われ、審査員として帯広畜産大学の佐野忠士先生が登壇、また本大会のポスターセッションを協賛した、やさか動物病院の大石太郎先生が各受賞者に表彰状を手渡した。
 午前の講義では、八木氏の「Sharpen Your Senses:Triaging Threats to Life(感覚を研ぎ澄ます:生命への脅威の分別)」、マレーシアを拠点に活動する阿部美奈子先生の「Grief Care in Veterinary Medicine Handled by Veterinary Nurses(動物看護師によるグリーフケア)」が行われた。そして、少しの休憩を挟み、ショートコミュニケーションセッションとして、多方面で活躍する遠藤百菜氏と江ヶ﨑 友氏が「Standing Exercise and Herbal Ball Therapy in Dogs:Not Just for Physiotherapy(犬の立位運動とハーブボール療法:理学療法だけでない)」を解説した。
 昼食後、午後の講義では、「Practical Small Animal Restraint:humane Handling Using Biomechanics(実践的な小動物の保定 -バイオメカニクスを用いた人道的なハンドリング-」を村尾先生とVCAジャパン所属の黒瀬安寿加氏が犬と猫についてそれぞれ解説した。
 パネルディスカッション3では、「What’s in a Name? Titles,Terminology and Identity in Veterinary Nursing(名前に込められた意味とは?獣医看護における肩書き、用語、アイデンティティについて)」に八木氏と村尾先生が、パネルディスカッション4では日本獣医生命科学大学の石岡克己先生が「Education & Career pathways do vet nurses have options?(教育とキャリアパスに関する動物看護師の選択肢)」をテーマに各参加者と意見を交わした。
 アジア各国のほか、アメリカやヨーロッパ、アフリカからも参加者が集まり、アジアの動物看護の盛り上がりにそれぞれ刺激を受けた。動物看護学の体系化に向けて、世界的な動物看護の波が日に日に大きくなっていると感じられる2日間であった。第2回も開催予定であり、開催国および開催日の詳細が待たれるばかりである。

※当日の他の画像については、MVM2026年7月号のニュース記事にて紹介いたします。
 

会場の様子
 

本大会のボードメンバー
 

講演する村尾先生
 

第34回日本小動物歯科研究会症例検討会・総会 開催

 2026年3月29日(日)、東京・大崎ブライトコアホールにて第34回日本小動物歯科研究会症例検討会・総会が開催された。
 本会では小動物歯科の臨床現場における16題の症例報告が行われた。上下の顎骨折や破折等による外科治療症例、歯列矯正やクラウン装着処置を行った症例、またX線検査時の撮影法、大気圧プラズマ治療機器を試みた症例の評価、各診療機関における口腔疾患症例の比較分析、愛玩動物看護師による歯科診療補助方法についてなど、臨床現場密着の幅広い報告が行われた。
 ランチョンセミナー((株)モリタ製作所 協賛)では、医学分野の歯科医・野原 通先生(埼玉県央病院)「ヒトの歯科口腔外科の現状」に続き、歯科医師と獣医師の資格をもち人・動物両方の臨床現場で歯科・口腔外科診療を行ってきた江口 淳先生(笠松動物病院/埼玉県央病院)の「汎動物学を取り入れたヒトと動物の歯科医療の実践」、2題の講演が行われた。
 晴天に恵まれ桜が多く開いたこの日、会場には105名の先生方が参加した。また会場エントランスには16の企業がブースを出展、多くの参加者が立ち寄り、にぎわいをみせていた。

JBVP地区大会2026 開催される

 2026年3月に全国5会場にて日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)地区大会2026が開催された。3月1日(日)の名古屋地区大会からはじまり、8日(日)の京都地区大会、15日の九州地区大会(福岡)、22日(日)の東北地区大会(仙台)、そして29日(日)には北海道地区大会(札幌)が開催された。各会場とも獣医師継続教育プログラム、愛玩動物看護師およびアニマル・ケア・スタッフ(VNCA/ACS)セミナー、ランチョンセミナーが行われた。
 今回は仙台国際センターにて開催された東北地区大会の様子を主に紹介する。
 獣医師セミナーは12のプログラム、「血糖値が下がらない?どうするべきインスリン治療」(森 昭博先生/日本獣医生命科学大学)、「臨床医として見落とすとマズイ歯科疾患」(戸田 功先生/とだ動物病院、東京犬猫歯科)、「イヌの肺高血圧の管理と治療」(竹村直行先生/JBVP会長、日本獣医生命科学大学)、「眼科専門病院に届いた紹介状から学ぶ眼科診療」(藤井裕介先生/上杉動物眼科クリニック)、「犬と猫の高齢性認知機能不全」(小澤真希子先生/日本大学)などが行われた。
 また獣医師セミナーと並行してVNCA/ACSセミナーも8つのプログラム、「愛玩動物看護師として知っておかなければいけない犬と猫の歯科疾患」(戸田 功先生)、「今日からあなたもフードマイスター!消化器症状に対する療法食の選び方と活かし方」(大森啓太郎先生/東京農工大学)、「冷やせばいいの?熱中症のケアと予防を見直そう」(中村 俊先生/どうぶつの総合病院 専門医療&救急センター)、「全然違う腎臓病-急性腎障害と慢性腎臓病の話-」(山﨑寛文先生/日本動物高度医療センター)、「これだけは知っておきたい!抗がん剤治療の基本と看護」(原田 慶先生/(公財)日本小動物医療センター付属日本小動物がんセンター)などが行われた。
 ランチョンセミナーは獣医師向け「心臓のSOSを見逃さないために-健康診断と心臓バイオマーカー迅速キットの役割-」(太田理造先生、種廣純子氏/犬山動物総合医療センター)、VNCA/ACS向け「歯周病ってどんな病気?-デンタルケアへのアプローチ-」(小暮啓介先生、三浦紫陽子氏/フジタ動物病院)の2題が実施された。
当日は約400名の獣医師・VNCA/ACSが会場に足をはこび、専門性に長けた獣医師の教えを仰ぎ、熱心に学びを深めていた。
 また、4月1日(水)~6月30日(火)には合同地区大会としてオンラインプログラム「ひふ祭り」がWeb配信。本プログラムは会場開催プログラムの収録配信ではなく、独立した内容になっている。
 そして、7月25日(土)、26日(日)には大阪にてWJVFが、そして9月26日(土)、27日(日)には、東京において年次大会が予定されている。
 

東北地区大会の講演の様子
 

名古屋地区大会の講演の様子
 

京都地区大会の講演の様子
 

九州地区大会の講演の様子
 

北海道地区大会の講演の様子
 

第3回日本獣医救急集中治療学会(JaVECCS)国際シンポジウム 開催

 2026年3月14日(土)、15日(日)の2日間にわたり第3回日本獣医救急集中治療学会が、有明セントラルタワー ホール&カンファレンスおよび隣接するワシントンホテル(江東区)にて開催された。
 参加人数は昨年よりも大幅に増え、会場には1,000名を超える参加者が集った。
 獣医師向けプログラムおよび愛玩動物看護師向けプログラムが実施され、多くのセッションで立ち見が出るほどの盛況となった。本学会では多くの講演で日本語と英語による同時通訳または逐次通訳が行われ、海外からの参加者も言語の制約なく受講できる国際的な学術交流の場が提供された。なお、海外からの参加者は約300名であった。
 JaVECCS恒例であるCPRバトルでは2日にわたりトーナメントが組まれ、2日目の昼に決勝戦が行われ、モデル犬でのCPR技術を競いあった。惜しくも1回戦で敗退したなかには学生だけのチームもあり、くやしさをバネに次回に向けて頑張りたいとのことであった。
 当学開催の前日、3月13日(金)にはRECOVER(リカバー)のadvanceの講義も実施された。受講資格はbasic課程を修了した者に限られる。RECOVERは世界基準の心肺蘇生における獣医蘇生再評価を目的としたCPRのガイドラインである。獣医療における最新のエビデンスをもとに心肺蘇生の手順・手法を統一するもので、日本へは当学会が導入した。
 次回は2027年3月13日(土)、14日(日)に東京近郊で開催を予定。獣医救急医療における当学会の活躍がますます期待される。


CPRバトル決勝戦の様子


日本語・英語同時通訳の講演の様子

第29回日本獣医皮膚科学会 学術大会・総会 開催

 2026年3月7日(土)、8日(日)の2日間にわたり、(一社)日本獣医皮膚科学会による第29回学術大会・総会が国際ファッションセンタービルKFCホール(東京都・墨田区)で開催された。テーマは「アトピー性皮膚炎の最前線から未来へ」。
 初日に行われたDr. Peter Hill(Small Animal Specialist Hospital:SASH)による招聘講演「犬アトピー性皮膚炎の診断および管理に関する最新情報」では、本疾患の定義に関する歴史や治療の選択肢等について、40年にわたる一次診療、二次診療およびイギリス、オーストラリアでの経験をふまえ講演された。その他基礎セミナーでは大隅尊史先生(東京動物皮膚科センター/神宮前動物病院)による「模擬症例で学ぶ:ビデオオトスコープで行う外耳洗浄の実際―手順とコツ、トラブル回避~」、ランチョンセミナーでは「犬アトピー性皮膚炎が治らないときあなたは何を考えますか?」(村山信雄先生、犬と猫の皮膚科/(公財)日本小動物医療センター)が実施され、初日から会場には多くの参加者がつめかけた。
 続く2日目は科学講演が実施され、犬アトピー性皮膚炎の診断と治療に関する最新の知見について人医療の治験を交え、福山朋季先生(麻布大学)、中島沙恵子先生(京都大学)が講演。パネルディスカッション「臨床皮膚科医の視点からみたアトピー性皮膚炎診療40年の軌跡~pitfallの解決と今後の課題~」では、大阪はびきの医療センターの片岡葉子先生を迎え実施された。パネルディスカッションには片岡先生(前出)、伊従慶太先生((株)1sec.)、中島先生(前出)、朝比奈良太先生(岐阜大学)を迎え、モデレーターの小林哲郎先生(理化学研究所)のもとで実施された。
 また2日目の基礎セミナーは「犬アトピー性皮膚炎に対するスキンケア」(江角真梨子先生、東京農工大学)、ランチョンセミナーは「犬アトピー性皮膚炎のアンカーセラピー:~増悪期の荒波に備える~」(西藤公司先生、東京農工大学/当学会長)、「さらに楽しい総合診療の中の皮膚科を目指して」(伊從慶太先生、(株)1sec)が実施された。2日間を通し、参加者たちはアトピー性皮膚炎への理解を深めた。
今大会では一般講演に14演題が集まり、ポスターセッションで18のポスターが発表され、一般講演から「ヒスタミン皮内反応を応用した外用グルココルチコイド製剤の皮膚浸透評価系の構築」(竹尾記子先生、麻布大学)と「飲水に伴う外耳からの液体流出を主徴とした犬の耳管開放症の1例」(五十嵐里菜先生、兵庫ペット医療センター・JASMINEどうぶつ総合医療センター)、ポスターセッションからは「日本国内における犬アトピー性皮膚炎の臨床的特徴の解析」(森田 直先生、むつみ動物病院)がアワードを受賞した。また優秀論文として「犬の脂漏症におけるオゾンバブル浴の有効性と安全性」(後藤謙治先生、後藤動物病院)が受賞した。
 来年2027年の第30回学術大会は記念大会として3月20日(土)、21日(日)にTOC有明(東京都・江東区)で規模を拡大し実施される。テーマは「総合診療の中における皮膚科臨床」を予定。当会のますますの活躍が期待される。


当学会長の西藤先生による開会の挨拶


パネルディスカッションの様子


アワード受賞者、優秀論文賞の受賞者と西藤会長

ヒトと伴侶動物の比較医学研究会
第5回セミナー 開催

 2026年3月4日(水)、東京都港区・JARVISどうぶつ医療センターTokyoにてヒトと伴侶動物の比較医学研究会第5回セミナーが開催された。
 今回は約2年ぶりの開催となり、「伴侶動物とヒトの未病ケアを支える次世代の再生医療」のテーマのもと、基調講演や特別講演などが行われた。午前の基調講演では、本会会長である水野拓也先生(山口大学/どうぶつトランスレーショナルリサーチセンター)の「犬の自然発症がんに対する免疫チェックポイント分子阻害療法の開発と臨床応用-比較腫瘍学的アプローチによるトランスレーショナルリサーチの展開-」、本会前会長の落合孝広先生(東京医科大学)の「細胞外小胞とアンチエイジング-細胞間コミュニケーションが拓く次世代医療-」の2講演が行われた。
 午後の特別講演では、計8題が行われ、(株)メディカル・アーク代表取締役の伊藤 博先生の「ヒトと伴侶動物医療を統合する共通プラットフォーム構想」をはじめ、医学界および獣医療界の専門家が集結し、再生医療をテーマに講演が行われた。獣医療界からは鳩谷晋吾先生(大阪公立大学)の「伴侶動物におけるES細胞およびiPS細胞研究」、森 崇先生(岐阜大学)の「microRNAによるがんスクリーニングは次の予防医学となり得るか」等の講演が行われた。
 会場として2025年10月に開院したJARVISどうぶつ医療センターTokyoの5階セミナールームが使用され、会場外のロビーには手術支援ロボットのプロトタイプモデルが展示、セミナー終了後には病院見学も行われた。
 本会会長である水野先生は「本会は人および伴侶動物の医学を比較・検証することで新たな診断および治療法を確立し、科学の発展に寄与することを目的に活動している。とくに研究のみならず社会実装を軸足に置いているので、多くの協賛企業にとっても有益な会を目指したい。また今年から年一回の開催を継続していきたい。」と述べた。来年は2027年11月に東京農工大学140周年記念会館(エリプス)にて開催予定。


会場の様子

(一社)日本獣医動物行動学会 第2回学術集会/設立25周年シンポジウム 開催

 (一社)日本獣医動物行動学会は、2026年2月28日(土)に第2回学術集会、3月1日(日)に設立記念25周年シンポジウムを東京大学 中島薫一郎記念ホール・弥生行動・アネックス(東京都文京区)で開催した。
 初日の学術集会では「症例/研究発表 口頭発表」「症例/研究発表 ポスター発表」「教育講演」の3つのプログラムが実施された。
「症例/研究発表 口頭発表」は午前と午後の部に分かれ、座長に武内ゆかり先生(東京大学、当学会副会長)と藤井仁美先生(Ve.C.〈ベックジャパン〉動物病院グループ行動診療科、当学会副会長)、フリッツ吉川 綾先生(ヤマザキ動物看護大学)を座長に迎え6演題が発表された。「症例/研究発表 ポスター発表」では8名の先生が発表。「教育講演 行動診療、一人で抱えていませんか? チームで挑む行動診療の意義と実践例」では、白井春佳先生(にいがたペット行動クリニック)、野口ゆづる先生(さきがおか動物病院)を講師に、堂山有里先生(バーニー動物病院)がファシリテーターを務め、愛玩動物看護師との連携や紹介元の獣医師、ドッグトレーナー、トリミングサロンとの連携について白井先生、野口先生それぞれの実体験をもとに展開された。
 二日目の設立25周年記念シンポジウムは「診療の困ったを解決する臨床行動学~鼻の先から尻尾の先まで~」をテーマに行われた。当学会長の水越美奈先生(日本獣医生命科学大学)の挨拶からはじまり、「【皮膚×行動】症例検討会『犬のアトピー性皮膚炎と行動(精神)』」では、皮膚科から関口麻衣子先生(アイデックスラボラトリーズ(株)、行動診療科から白井春佳先生(前出)、和田美帆先生(千葉どうぶつ総合病院)が、「【眼科×行動】座談会『視覚障害の犬の生活を豊かにするには?』」では、眼科から辻田裕規先生(どうぶつ眼科専門クリニック)、行動診療科からは水越美奈先生(日本獣医生命科学大学、当学会長)、野口先生(前出)が登壇した。続く「犬の診療や治療に活用できるハズバンダリートレーニング」(藤井 勝先生、Dolphin Boy Academy)では、診療や治療時における犬の自発的・協力的な参加支援のトレーニング手法などを紹介され、会場は理解を深めた。
 最後に合同座談会「投薬治療に攻撃性を示す犬;私たちはどう対応しているか」が実施された。ファシリテーターは岸野友祐先生(Kawabata 横須賀三浦どうぶつ医療センター、シンポジウム大会長)が務め、“治療プランの構築”“身体的疾患の治療の緊急性と、行動学的な問題が衝突したときの選択の実際”などPVP(Pre-Visit-Pharmaceuticals)の使用例等、他科を跨いだ積極的な意見交換が行われた。
 いずれのプログラムも時間が足りないほどに熱心な質疑応答が交わされた。オンライン聴講者含め参加者は2日間で400名を越えた。当学会会員をはじめ参加者の学ぶ意欲の高さがうかがえた。第3回学術集会は2027年2月27日(土)、東京大学弥生講堂にて実施予定。


第2回学術集会の様子


合同座談会の様子

(一社)日本動物病院マネジメント協会 第22回研修会 開催される

 2026年2月18日(水)、四谷・コモレ四谷タワーコンファレンスにおいて、(一社)日本動物病院マネジメント協会 第22回研修会が開催された。
 今回は「『動物病院業界に広がるM&Aの波』〜動物病院業界のM&A事情と、私たちが今知っておきたいこと〜」をテーマに、はじめにFA(フィナンシャルアドバイザリー)に関するサービスを提供する合同会社デロイト トーマツの三枝真也氏による講演「動物病院とM&A」が行われ、飼育頭数や動物病院数などの現在の獣医療の現状、異業種との比較、そもそもM&Aとは何かについて解説した。
 次に事例発表として、実際にM&Aによる事業運営を行っている以下のグループが集まり、それぞれの運営理念や実際の運営方法について解説した。
 ○A’alda X(株) 渡利真也先生および中村篤史先生
 ○イオンペット(株) 永井貴志先生
 ○小滝橋動物病院グループ 中村泰治先生
 ○(株)Japan Animal Care Holdings 長谷宜勇氏
 ○VCA Japan合同会社 王 秀樹氏 (発表順)
 最後に登壇者が一堂に集まるパネルディスカッションが行われ、(株)Miracleの村田悠一氏および本協会顧問の溝口健太氏の司会の元、会場内のアンケートに答える形でなかなか外部ではきくことができない貴重な意見を交換した。
 本会会長の中井隆三氏(日本動物医療センター)によると、今回史上最多の参加者が集まったとのこと。業界関係者の多くがM&Aにかかわる情報収集の意識が高いことを感じる会であった。
 

会場の様子

第37回日本臨床微生物学会総会・学術集会 開催

 2026年2月13日(金)~15日(日)まで、幕張メッセ・国際会議場(千葉県千葉市)で、第37回日本臨床微生物学会総会・学術集会が、総会長・髙橋 孝先生(北里大学 大学院感染制御科学府・大村智記念研究所 感染症学/獣医臨床感染症研究会 顧問)のもと開催された。
 本学会は「臨床微生物学と感染症検査に関する学術研究および技術の進歩発展を図り、もって国民の健康増進および公衆衛生の向上に寄与すること」を目的として設立された。
 テーマは「臨床[医]と微生物検査[師]との更なる絆[会場で楽しみながら学ぶ、学びながら楽しむ]」。プログラムでは人獣共通感染症・One Health・薬剤耐性(AMR)に関する様々な内容が展開された。新しい取り組みとして「他学会合同教育講演」が実施され、獣医臨床感染症研究会等が参加した。獣医臨床感染症研究会のプログラムでは、小泉信夫先生(国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所細菌第一部)による「ヒトのレプトスピラ症」、村田佳輝先生(むらた動物病院/東京農工大学農学部附属感染症未来疫学研究センター)による「犬のレプトスピラ症の現状-人獣共通感染症の感染対策・今後を考える」が発表された。
 また「地震被災地で気を遣う人と動物の感染症」と題したシンポジウムでは、獣医師として栗田吾郎先生(大村智記念研究所)、田中亜紀先生(日本獣医生命科学大学)が登壇するなど、あらためて人医療と獣医療の連携の大切さが実感された。
 また、総会長企画「学会黎明期に貢献された功績を旨に刻み、次世代へ繋ぐ」では、現在にいたるまでの本学会の歩みが、故人の功績やエピソードとともに紹介され、次世代へ伝承したきメッセージが講演された。
 今後さらに、人医療と獣医療との連携が深まることが期待される。


講演する村田佳輝先生



総会長の髙橋 孝先生の講演の様子

第33回日本獣医がん学会 開催される

 2026年1月24日(土)、25日(日)、ホテルニューオータニ大阪(大阪府)にて、第33回日本獣医がん学会が開催された。
 今大会のメインシンポジウムのテーマは「咽頭・喉頭・気管の腫瘍」で、前半は座長に杉山大樹先生(ファミリー動物病院、本学会副会長)を迎えて行われた。「咽頭・喉頭・気管の腫瘍 総論」を藤原亜紀先生(日本獣医生命科学大学)、「咽頭・喉頭・気管の画像診断」を山城徳之先生(合同会社VECTA、株式会社JACCT、近畿動物医療センター)、「生検」を藤原亜紀先生(前出)と末松正弘先生(AMC末松どうぶつ病院 呼吸器・循環器センター)、「病理」を田邊美佳先生(動物病理診断センター)、金 尚昊先生(北海道大学)が担当した。後半は廉澤 剛先生(日本小動物医療センター)に座長が替わり「咽頭・喉頭・気管の腫瘍に対する放射線腫瘍」を根本有希先生(山口大学)、「気道閉塞から呼吸を取り戻す! 咽頭・気管に対するインターベンションおよび外科治療」を末松先生(前出)と展開された。
 病理×画像診断シンポジウム、外科シンポジウム、症例検討会、顕微鏡実習、教育講演、一般口演では24本の報告と4本のポスター発表が実施された。また、ペトヤク(株)、(株)ANCHORS、(株)すとろーはうす、(株)HACHIの協賛によりランチョンセミナーが行われた。またモーニングセミナーにも早朝にもかかわらず多くの参加者が足を運んだ。また前学会よりはじまった愛玩動物看護師企画も、小山田和央先生(松原動物病院)による「外科療法総論」、田戸はるひ氏(Vetscom)による「腫瘍外科看護 ~チーム医療の要となる! 腫瘍外科における愛玩動物看護師の役割~」、清水夕貴氏(岡山理科大学)による「どうぶつの“いたみ”を看る」の講演が行われた。さらに「顎骨切除の“その後”を支える―動物看護師ができること、すべきこと―」をテーマとしたパネルディスカッションでは宮浦百合子氏(松原動物病院)、市川奈央子氏(動物総合医療センター)、佐藤越子氏(ゼファー動物病院)が事例報告で登壇した。
 また本学会でも引き続き獣医腫瘍科認定医講習会を兼ねる総合教育講演(腫瘍の臨床診断と治療8科目)も実施された。
 2日間で約700名の参加者が集い、獣医腫瘍への知識を深めた。
 新会長の小林哲也先生のもとで本格始動となる今大会では、SNSをはじめとしたソーシャルメディアの活用、夢基金、アジアの学会への参加など、時流に合わせた新しい学会の方向性が発表された。
 日本にとどまらずアジアにおける本学会の活躍へ、ますます期待が高まる。


病理×画像診断シンポジウム「脾臓病変にどう挑むか?『切る・刺す・見守る』の判断基準、次の一手は?」の様子
賀川由美子先生(ノースラボ)、戸島篤史先生(日本動物医療センター)、小林哲也先生(日本小動物がんセンター、本学会長)のテンポよいやり取りに、会場が盛り上がった


外科シンポジウム「四肢腫瘍切除後の皮膚欠損をどのように治療するか」の様子
演者の浅野和之先生(日本大学)、小山田和央先生(松原動物病院)、高木 哲先生(麻布大学)が会場の参加者を交え、皮膚再建について活発に意見を交わした


メインシンポジウム「咽頭・喉頭・気管の腫瘍」の総合討論の様子


一般口演の様子
24演題が発表された


ポスターセッションの様子
それぞれ3分間の発表ののち、質疑応答の時間が設けられた

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