小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

オンライン日本臨床獣医学フォーラム 第22回年次大会 開催

 2020年9月にホテルニューオータニ東京での開催を予定していた第22回日本臨床獣医学フォーラム年次大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加者の安全を最優先に、会場での開催を見送り、オンラインでの開催へと変更。同年9月19日(土)~10月11日(日)に開催された。
 第21回までは、受講者は実際に会場へおもむき、思い思いの講演会場へ足を運んでいた。今回はオンラインでの開催のため、参加者は移動時間を割愛し、すべての講演をじっくりと受講することができたことは、大きな利点となった。

 プログラムは「ライブ配信」と「収録配信」に大別され、さらに参加者が受講しやすいように、「スペシャリストの症例カンファレンスZONE」「海外講師ZONE」「アップデートZONE」「苦手克服ZONE」「技術習得ZONE」「初めの1年で習得すべきZONE」「動物看護師ZONE」「企業プロデュースZONE」「市民ZONE」と画面上でZONE分けされ、学びたい配信をすぐにみつけられるように案内されていた。

 ライブ配信では、座長をおき、前半に演者が講演し画面上では並行して受講者からの質問がチャットで寄せられ、参加者たちは、画面の向こうで同様に受講されている参加者の方々のリアクションを共有することができた。後半は、チャットで寄せられた質問へ、座長への仕切りのもと演者が回答していった。
 また、収録配信では、開催後も引き続きオンライン配信され、期間中以外も閲覧することが可能となった。
 日本臨床獣医学フォーラム第22回年次大会はオンラインならではのよさを十分に満喫できる大会となった。


企業展示も、一社ずつ、じっくりとみられ、
ブースでの閲覧とは、一味違った充実した
企業展示となった

JaVECCS 新型コロナウイルス感染症流行拡大をうけ臨床現場への支援にむけてアンケート実施

 今回の新型コロナウイルス感染症の流行拡大をうけ、一般社団法人日本獣医救急集中治療学会(JaVECCS)は、最前線の医療現場への支援をめざし、具体的な支援策にむけ、アンケートを実施。
 アンケートをもとに、マスクやグローブ、ガウンなどの医療物資の提供を推進する。
 

【アンケート回答先】※アンケートは終了いたしました。
https://shoutout.wix.com/so/feN75H-iJ?cid=73a65c47-fa95-43ca-a86e-ba736f719161#/main
【JaVECCS運営事務局】
info@javeccs.com 


アンケートのトップ画面の様子

法獣医学研究会 発足シンポジウム開催される

 去る2020年2月23日に法獣医学研究会発足シンポジウムが「動物虐待における獣医師の役割」をテーマに日本獣医生命科学大学において開催された。同シンポジウムには、獣医科大学教員、行政関係者、法律研究者らコアメンバー約20名が参加した。

 2019年に改正された動物愛護管理法において「みだりに殺された、傷つけられた、虐待されたと思われる動物を発見した際に、遅滞なく都道府県等に通報すること」、すなわち、動物に対する虐待を獣医学的証拠によって科学的に評価して通報することが獣医師の義務であると規定された。動物虐待は動物と人がかかわるところすべてで発生する可能性があり、対象動物(牛、馬、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、そのほか人が占有している動物でほ乳類、鳥類、は虫類に属するもの)にかかわる獣医師と行政・警察との連携も必要となることから、テーマに沿った以下の内容が講演された。

 「動物虐待と動物愛護管理法」長田啓先生/環境省自然環境局総務課動物愛護管理室、「動物虐待と(地方)獣医師会」佐伯潤先生/(公社)日本獣医師会動物福祉愛護職域担当理事、(公社)大阪府獣医師会会長、帝京大学、「動物虐待と中毒」石塚真由美先生/北海道大学獣医学研究院毒性学教室、「動物園動物の福祉」川上茂久先生/群馬サファリパーク、「動物虐待に対する獣医師の役割」田中亜紀先生/日本獣医生命科学大学。

 講演に続いて行われた総合討論では、法律に関する思考実験なども取り入れ、多角的な意見交換が行われた。

 動物虐待や動物の不審死体および中毒死等は、地域内での反社会行為を示唆し、動物にかかわる犯罪行為の実証には獣医学的知見が必要不可欠であり、近年多様化している獣医学への社会的要求に応えるために発足した法獣医学研究会からの今後の情報発信が期待される。

 

第16回日本獣医内科学アカデミー学術大会(JCVIM2020) 開催

 2020年2月21日(金)~23日(日)、第16回日本獣医内科学アカデミー学術大会(JCVIM2020)が、パシフィコ横浜(神奈川県)で開催された。
 実行委員のメンバーに新たに西飯直仁先生(岐阜大学)と小林沙織先生(岩手大学)も加わり全国規模での準備がすすみ、今年もより充実した展示・企画が展開され、多くの共催団体による講演も実施された。日本獣医がん学会、日本獣医腎泌尿器学会、日本獣医皮膚科学会、獣医臨床感染症研究会、小動物ウイルス病研究会、獣医臨床寄生虫学研究会、JSFMねこ医学会、獣医臨床感染症研究会、共同運営夜間救急動物病院連絡会、日本獣医輸血研究会、日本獣医動物行動研究会等、30を超える学会や研究会が参加し、専門性の高いプログラムを展開した。伴侶動物獣医療における幅広い分野のセミナーが、獣医師や動物看護師向けに実施され、参加者たちは3日間、思い思いの会場へ足を運んだ。
 また、今大会では新型コロナウイルス感染症の影響により、参加者の安全を優先し、懇親会、アワード受賞式や一部セミナーが中止された。いっぽうで「新型コロナウイルス感染症に対して、我々獣医師がまずは正しい知識をもっておくことがきわめて重要」という主催者側の認識に基づき、多くの獣医師が集まる本学会で緊急企画として、前田 健先生(国立感染症研究所、獣医科学部部長)座長により、高野友美先生(北里大学)、奥村 敦先生(米国アレルギー感染症研究所/コロンビア大学)のご講演による「人と動物のコロナウイルス感染症に関する臨時特別セミナー」が開催される一幕もあった。
 なお本年のJCVIMアワード(症例検討アワード、協賛:ファームプレス)は、山口大学の溝口広樹先生による「High-grade B細胞リンパ腫の長期治療中にT細胞リンパ腫を続発した犬の1例」、四国動物医療センターの入江充洋先生による「細胞診でリンパ腫が疑われた重症熱性血小板減少症(SFTS)の猫の1例」が受賞した。
 「専門医制度に関してアジア獣医内科学専門医協会(Asian College of Veterinary International Medicine, AiCVIM)は次回のAMAMSにおいて、レジテントプログラムを公表し、アジアでの専門医制度を本格的に始動させる。JCVIMはAiCVIMとの緊密な協力関係のもとで『参加者にとって魅力あるプログラムの提供』を第一の目標とする」という本大会長。
 3日間で2,751名の参加者が集った本学術大会。来年の第17回は、2月19日(金)~ 21日(日)にパシフィコ横浜の新施設、ノースにて開催予定。益々の活躍が期待される。

各会場には、感染予防の協力を呼びかけるスライドが掲示されていた

緊急企画「人と動物のコロナウイルス感染症に関する臨時特別セミナー」の会場の様子

共同運営夜間救急動物病院連絡会(NANEHA)第7回会合 開催される

 2020年2月22日(土)、共同運営夜間救急動物病院連絡会(Nationwide Jointly Operated Nighttime Emergency Animal Hospital Association、NANEHA)第7回会合が、パシフィコ横浜(日本獣医内科学アカデミー開催期間中/神奈川県)で開催された。

 夜間救急の現場スタッフの安全確保や職場環境改善、スタッフ拡充等について、夜間救急動物病院の運営・経営の視点から、情報交換を行うことを主な目的に設立された本会には、全国の24の夜間救急病院が集う。
「夜間救急病院から、かかりつけ医へのスムーズな受け渡し」「各病院の給与体系」「スタッフ間での無記名評価のメリット」「スタッフのモチベーション維持」「収益を如何にあげ、スタッフの生活を保障するか」「二次診療との融合」「子育て中の女性スタッフの働きやすさを考え、夜間の救急から集中治療科の充実も視野に入れる」「コメディカルスタッフの拡充」など今回も話題は多岐にわたり、良質な夜間救急病院を目指し、熱心な意見交換が展開された。

 本会の活動は今夏より、一般社団法人日本獣医救急集中治療学会(JaVECCS、2019年設立)へ引き継がれる。
 日本にとどまらず、アジアというフィールドでもイニシアチブをとっていく意欲あふれるJaVECCSでの、新しい活躍が期待される。


話し合いの様子。NANEHAを設立し、黎明期より本会を牽引してきた佐藤昭司先生が進行を務める

JaVECCS理事長であり、NANEHA初期より参加してきた中村先生が、JaVECCS移行後の展開を説明

学校法人シモゾノ学園 2019年度年次大会 開催される

 2020年2月20日、東京・北とぴあにおいて、学校法人シモゾノ学園 2019年度年次大会が開催された。
 学校法人シモゾノ学園(理事長:下薗惠子先生)では、毎年、国際動物専門学校(東京校)、大宮国際動物専門学校(大宮校)合同の年次大会を開催している。本大会では、他分野で活躍する特別講師の講演をはじめ、学生たちの行ったグループ研究の優秀作品発表および表彰、夏に行われた両校の「どうぶつ祭」や学内活動における各種表彰などが行われる。
 今回の特別講演には、「動物ものまね芸」を寄席で演じる江戸家まねき猫氏が招聘された。動物の鳴き声を出すコツや、鳴き声の意味、芸を磨くため動物と接した体験などを語ったうえで、得意芸である鶏や猫の鳴き声などが披露された。
 学生たちの人材育成プログラム「社会的基礎力プロジェクト(MSP)」には、研究成果のポスター作成のみならず、口頭での解説とパフォーマンスも含まれている。優秀作品に選ばれた各チームは、子育てする女性の就労、野生熊との共生への取り組み、豚熱(豚コレラ)対策といった現代的なテーマを扱い、文字通り「チームワーク」の成果をみせる発表を行った。
 さらに本大会は、間近に控えた動物看護師統一認定資格試験の決起会であり、また次年度の就職活動激励会ともなっている。動物業界で求められる専門的な知識・技術を身に付け、社会で活躍するための試練に挑戦する学生たちに、下薗僚章先生(大宮国際動物専門学校校長)が激励の言葉をかけ、大会は終了した。
 動物看護師の国家資格化に向け、各専門学校はカリキュラム充実を図っており、意識も高まりつつある。過渡期にある学生たちだが、明るさと力強さを感じさせる本大会であった。

開会の挨拶をされる下薗惠子先生

会場の様子

日本動物病院マネージャー協会 第11回研修会 開催される

 2020年2月12日(水)、品川・ザ ランドマークスクエアトーキョー(東京都港区)において、日本動物病院マネージャー協会 第11回研修会が開催された。当会は2010年8月に動物病院マネージャー会として発足し、2014年7月に現在の一般社団法人 日本動物病院マネージャー協会(JAM)となり、年に2回(主に2月と8月)研修会を実施している。

 今回は「最高の動物病院を創る ~組織の指示系統のあり方を考える~」をテーマに、「最高のパフォーマンスを引き出す組織作りのポイント」(氏家貴秀氏、ロイヤルカナン ジャポン)、「他社事例に学ぶ! 10割の人材を即戦力にする心理学的アプローチ」(香山万由理氏、(株)クラフトアール)の2部構成で展開された。前半では、よくある組織の課題からはじまり、その課題解決のための目標の設定からその達成までに必要なマネジメントシステムについて解説された。後半では、事故を生み出すエラーの連鎖(エラーチェーン)の元となる思い込みや記憶ちがい、険悪な人間関係などを少しでも減らすための対策を、元国際線CAの経験を交えながら解説された。会場には、多くの参加者が集まり、グループワークなどでも互いの意見を交換した。

 次回第12回研修会は2020年8月18日に上記同会場にて開催予定。

 

会場の様子

日本動物看護学会第28回大会/第12回関西地区例会 開催される

 2020年2月8日(土)、9日(日)の2日間にわたり、奈良・王寺町やわらぎ会館において、日本動物看護学会第28回大会/第12回関西地区例会が開催された。これまで大学および専門学校による開催であったが、初の学会主催、そして初の関西地域での開催という特色のある大会となった。

 「自分たちで創る! 動物看護の一歩を始めよう」をテーマに、一般市民向け講演、国家資格進捗状況報告、企業展示、口頭発表、サーキットセミナー、ランチョンセミナーなど、多岐にわたる様々な講演が行われた。

 初日の公開講座では、聖徳太子の愛犬で、王寺町にゆかりのある‘雪丸’に関する歴史について、日本動物看護学会理事長の桜井富士朗先生が講演された。また、ペットの防災について、大下動物病院の大下 勲先生がVMATの活動に触れながら解説された。

 なお、犬の雪丸は人の言葉を理解し、お経を読み、遺言をのこしたとの伝承がある。王寺駅や道路には雪丸の絵や雪丸の足跡のマークなどがあり、会場となった王寺町は動物に馴染みのある地域であることを感じた。

 また、初日にはキャットリボン活動に関して、2日目にはスキンケアに関するランチョンセミナーが行われた。

 懇親会では理事の先生方が狩猟にて得られた猪鍋が振る舞われ、参加者は舌鼓を打った。次回は2020年10月に東京で開催予定。

 

会場の様子

 

雪丸

「すぐに役立つ 麻酔モニタの見方と活用 ~換気、呼吸の異常に素早く対処する~」セミナー 開催

 2020年2月2日(日)、フクダ エム・イー工業株式会社主催セミナーが、AP秋葉原(東京都・台東区)で開催された。
「すぐに役立つ 麻酔モニタの見方と活用 ~換気、呼吸の異常に素早く対処する~」をテーマに、佐野忠士先生(酪農学園大学)が講演。麻酔モニタ看視のポイント、グラフの見方、数値のもつ意味など、麻酔モニタの見方を基礎からしっかりと学べるような内容となっており、会場には多くの参加者が集った。

 呼吸器系、循環器系、体温、覚醒期のモニタリングを切口に、人が五感を用いて動物の状態を継続的に看視するとともに、装置を使った客観的なデジタルデータにより的確にモニタすることの重要性を解説。
 また高齢動物、超高齢動物の麻酔管理の注意点や危険性、麻酔管理の前に把握しておくべき点、モニタ指針まで話題はおよんだ。

講演の最後には「グラフィックで理解する 一歩先ゆく麻酔モニタリング」を謳い、呼吸グラフィック機能「PV-LOOP」搭載モニタの活用法も語られた。これは、ひと呼吸ごとの「気道内圧」と「換気量」をループとして図に表したもので、視覚的に犬猫の肺のふくらみをとらえる機能となっている。そうした新技術も取り入れつつ、呼吸の変化に素早く気づき対処することの重要性を訴えた。

 参加者は麻酔モニタについて基礎からしっかりと学ぶことができ、充実した時間を過ごした。


佐野忠士先生。モニタ数値による客観的基準と、
五感による状態の看視がモニタ管理では大切と語る

会場には多くの参加者が集い、熱心に耳を傾けた

日本獣医再生医療学会 第15回年次大会 開催される

 2020年1月25日(土)~26日(日)の2日間にわたり、ビジョンセンター横浜において、日本獣医再生医療学会 第15回年次大会が「安全と信頼 そして発展」をスローガンに開催された。

1日目は教育講演である獣医免疫学 総論、獣医多血小板血漿療法、獣医免疫細胞療法、獣医間葉系幹細胞療法およびガイドライン・届出制度に関する講演などが行われた。

 2日目の午前中は「再生医療技術の応用とその将来」について、動物リハビリテーション、競走馬臨床、獣医眼科臨床、獣医療の各分野からの講演があった。また、症例検討会、学術発表会が並行して行われた。

 2日目の午後は特別講演として、籠谷勇紀先生(愛知県がんセンター研究所)による「ヒト医療におけるがん免疫療法の最新の知見とその将来-遺伝子改変による持続的治療効果を有する抗腫瘍T細胞の開発―」および石田卓夫先生(赤坂動物病院)による「獣医間葉系幹細胞療法・自己活性化リンパ球移入細胞療法における臨床獣医師の役割-エビデンスを集積しよう-」が行われた。

 世界でも最先端の体制づくりがすすめられているという、この獣医再生医療・細胞療法分野において、参加者の多くはこの現在進行形の歩みを肌で感じているにちがいない。

会場の様子

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