小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

第14回HJS年次大会/第10回スキンケアベストプラクティス 開催

 2026年6月17日(水)、18日(木)に滋賀県大津市・ピアザ淡海(おうみ)にて第14回HJS年次大会/第10回スキンケアベストプラクティスが開催された。
 HJS年次大会は前回、東京都立産業貿易センター浜松町館にて行われた第13回大会から約2年ぶりの開催となり、今回は(株)グラッド・ユーが主催するセミナーとの同時開催となった。
 初日には、「The One. 20 年の臨床とサイエンスが導くスキンケア」をテーマに第10回スキンケアベストプラクティスが開催され、開会式のあと、「かゆみと皮膚バリア最前線〜スキンケアの変遷と皮膚科学におけるトレンド」と題し、静岡社会健康医学大学院大学/京都大学名誉教授の宮地良樹先生が、「猫のざ瘡 Update 2026-診断のピットフォールと治療戦略の再考-」と題し、ひだまり動物病院の伊佐桃子先生がそれぞれ講演した。
 白永伸行先生(白永動物病院)のランチョンセミナー「SFTSを正しく恐れるための臨床対応」をはさみ、(株)グラッド・ユー製品であるN’s driveが今年発売から20周年とのことで製品を使用したケーススタディが4報行われた。最後に「スキンケアのOne Medicine」と題し、HJS代表の中島尚志先生がシャンプー(洗浄剤)の目的とその方法論を解説した。「体を洗うものをシャンプーとよぶことに違和感」という入口から洗浄工学からの汚れ落としの理論に多くの参加者が興味深く耳を傾けた。
 2日目には、「One Medicine 医療原則は種を超える」をテーマに第14回HJS年次大会が開催され、中島尚志先生の「獣医外来診療におけるX線診断の再定義」からはじまり、佐々木一益先生(秋田県立循環器・脳脊髄センター/袋原どうぶつクリニック)の「獣医療は医療から何を学び、どう実装するのか:One Medicineにおける科学を臨床へ起動する架橋」の講演が行われた。
 土屋文人先生((株)診察ナビちゃん/佐久平マール動物病院)のランチョンセミナー「今日から始まる診察改革-診察ナビちゃんが変える問診・記録・獣医師とAIのこれから」をはさみ、ユビエンス(株)の武内博文氏による「ヒトと動物をつなぐ創薬」、医療法人谷口医院の谷口 恭先生による「総合診療の世界」、そして最後にMVM本誌でも現在連載中の伊東 完先生(筑波大学附属病院)の「感染症診療の原則」の講演が行われ、幕を閉じた。2日目は全体を通して総合医療の重要性と医療から獣医療にトランスレーションする際の課題、疾患を推測したうえでの検査の大切さについて展開した。
 両日ともにスタンプラリーが開催され、展示企業12社は参加者と触れ合う機会を得られた。そして、参加者は琵琶湖のふもとの会場でOne Medicineおよびスキンケアの最新知見を学んだ。アーカイブ配信は2026年7月21日(火)〜8月23日(日)の約1ヵ月間を予定。


初日ランチョンセミナー白永先生講演の様子

2日目伊東先生の講演の様子

(一社)日本獣医再生医療学会 第21回年次大会 開催

 2026年6月13日(土)、14日(日)の2日間にわたり、(一社)日本獣医再生医療学会 第21回年次大会がビジョンセンター横浜みなとみらい(神奈川県・横浜市)で開催された。
 本大会は、新理事長の平野由夫先生((株)JPR)のもと、大会長を鳩谷晋吾先生(大阪公立大学)、実行委員長を福田 威先生(動物再生医療センター病院)、実行副委員長を上田忠佳先生(物産アニマルヘルス(株))が務め、実施された。
 今大会では、「共創 共に考え、共に創り、再生医療の新しいスタンダードを築く」をテーマに掲げ、産・官・学・臨それぞれのスタンスから獣医再生医療の発展に寄与すべきとの考えのもと、人医療、農林水産省、企業、他協会など幅広い分野から症例報告や最新の知見が発表された。
 また、本年度からスタートする「獣医再生医療認定医」に関する認定医制度および認定医講習会について、認定医制度設立委員会の枝村一弥先生(日本大学)から説明があった。その後、記念すべき第1回指定講習会として、手嶋隆洋先生(日本獣医生命科学大学)による「MSC・総論」が実施された。2日目には、第2回指定講習会として、福田 威先生(動物再生医療センター病院)による「MSCの臨床応用」が実施された。第3回以降の指定講習会はオンラインで実施される予定である。
 そして本学会による学会誌『日本獣医再生医療』については、間もなく発刊予定であることが編集委員長の福田先生より報告された。
 2027年の第22回年次大会は、6月に横浜にて開催予定。


新理事長の平野先生の開会の挨拶


シンポジウムディスカッションの会場の様子


会場の様子

日本獣医輸血研究会第14回学術講習会×
小動物臨床血液研究会第63回学術講習会 開催される

 2026年5月24日(日)、東京・日本獣医生命科学大学にて日本獣医輸血研究会と小動物臨床血液研究会の共催による学術講習会が開催された。本会は対面でのセミナーだけでなく、VETPEERによるWeb録画配信の視聴も可能なハイブリット式セミナーである(顕微鏡ディスカッションと認定コーディネーター限定セミナーを除く)。
 それぞれの研究会のプログラムが2教室に分かれ行われた。日本獣医輸血研究会の会場では鈴木裕子先生(Pet Clinic アニホス)の「ドナーからの採血と管理(認定プログラム3)」、宮内麻羽氏(日本獣医生命科学大学付属動物医療センター)の「輸血関連検査(認定プログラム4)」、松鵜 彩先生(日本大学)による講演「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)の発生状況と臨床的な特徴」の講義が行われた。シンポジウム「ガイドラインを見直そう 献血ドナー編&総合討論(総合座長:荻野直孝先生、アドバイザー:辻本 元先生<日本動物高度医療センター>、呰上大吾先生<東京農工大学>、瀬川和仁先生<せがわ動物病院>、小林 輔先生<あいむ動物病院 西船橋>」では、深掘りしたディスカッションが展開された。
また第2回認定コーディネーター限定セミナーが行われ、時間が惜しいくらいに参加者同士での意見交換が活発に行われていた。午後からは第4回JSVTM認定輸血コーディネーターの認定証授与式も開催され、11名の合格者のうち、会場に参加した4名へ、会長の内田恵子先生より認定証が授与された。
 小動物臨床血液研究会の会場では、井手香織先生(東京農工大学)の「ITPだけじゃない 血小板減少症の鑑別診断」、亘 敏広先生(日本大学)の「体表部の紫斑が見られたら何を考えるか ITP up date」、諏訪晃久先生(すわ動物病院)の「リンパ腫病変で血小板が減った時、何を考えるべきか?」、白永伸行先生(シラナガ動物病院)の「血小板減少症を呈するマダニ媒介性疾患」の4つの講演および顕微鏡ディスカッション(司会:下田哲也先生<山陽動物医療センター>、アドバイザー:呰上大吾先生<前出>、久末正晴先生<麻布大学>、井手香織先生<前出>、亘 敏広先生<前出>)のプログラムが行われた。
 会場には獣医師だけでなく、愛玩動物看護師も多く参加しており、熱心に聴講する姿が印象的であった。

講演の様子

認定証授与式の様子