(一財)獣医療法食評価センターは、(公社)日本獣医師会の「療法食の在り方検討委員会(2011~2013年)」の報告書の提言に基づき、非営利の第三者組織として、2014年1月に一般社団法人として設立した。療法食の「適正品質」および「適正使用」を推進し、家庭動物診療における犬猫の健康管理に寄与することを目的に、①療法食基準の整備、②療法食の評価と普及、③食事療法指導の推進、④飼育者に対する教育啓発、等の活動を行っている。
本団体は新たな評議員を迎え第7期の主な活動について下記の通り報告した。
・市販療法食の「評価登録制度」では、8製品が追加、登録製品は制度開始時の135から160製品に拡大した。なお新規1社が加わり本制度を利用する事業者は5社となった。
・療法食の適正使用を犬猫の飼育者に啓発する広報事業(院内掲示用ポスター12,990枚を全国の動物病院に配布)を2023年9月より実施し、後援の環境省に一年間の活動が無事終了したことを報告した。
・日本臨床獣医学フォーラム第26回年次大会(2024年9月21日〜22日)に展示ブースを出展し、食事療法指導の支援ツールである動物病院専用アプリ「犬猫の食事療法サポート」を紹介し、そのダウンロード数が2,791件まで増加した。
今後も、基準に適合した登録療法食の普及により、家庭動物診療における犬猫の健康管理を向上させていくという当団体の活動に注目が集まる。
学会・セミナーレポート
- 2025年6月 (5)
- 2025年5月 (3)
- 2025年4月 (3)
- 2025年3月 (7)
- 2025年2月 (4)
- 2025年1月 (5)
- 2024年12月 (1)
- 2024年11月 (10)
- 2024年10月 (4)
- 2024年9月 (5)
- 2024年8月 (5)
- 2024年7月 (4)
- 2024年6月 (3)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (4)
- 2024年3月 (2)
- 2024年1月 (3)
- 2023年12月 (2)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (6)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (5)
- 2023年7月 (5)
- 2023年6月 (7)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (6)
- 2023年2月 (3)
- 2023年1月 (3)
- 2022年12月 (3)
- 2022年11月 (3)
- 2022年10月 (2)
- 2022年9月 (3)
- 2022年8月 (5)
- 2022年7月 (4)
- 2022年6月 (4)
- 2022年5月 (1)
(一財)獣医療法食評価センターによる療法食の適正使用を推進する広報活動と展開
2025/4/15
JBVP地区大会2025開催される
2025/3/30
2025年2~3月にかけ、全国5会場にて日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)地区大会2025が開催された。2月23日(日)の福岡・九州地区大会からはじまり、3月2日(日)の宮城・東北地区大会および愛知・名古屋地区大会、16日(日)の京都地区大会、そして30日(日)には北海道地区大会が開催された。各会場とも獣医師継続教育プログラム、愛玩動物看護師およびアニマル・ケア・スタッフ(VNCA/ACS)セミナー、ランチョンセミナーが行われた。今回は地区大会最終会場となった北海道地区大会の様子を主に紹介する。
本大会は札幌市内の札幌コンベンションセンターにて開催され、獣医師・愛玩動物看護師、アニマル・ケア・スタッフいずれのセミナーも「救急」をテーマにプログラムが組まれた。
獣医師セミナーは5つのプログラム、「血糖値関連EMERGENCY-救うために理解しておくべき80分!-」(塗木貴臣先生、TRVA動物医療センター)、「救急対応リアル講座 痙攣が来た! さぁ,どう対応する!?」(川瀬広大先生、札幌夜間動物病院)、「誰でもできる!これがFASTのリアルな活かし方-最速で救命するために!-」(塗木先生)、「消化管閉塞に挑む-食道から結腸までの消化器外科-」(手塚 光先生、TRVA動物医療センター)のほか、竹村直行先生(JBVP会長・日本獣医生命科学大学)のランチョンセミナー「知らないとヤバイ不整脈の特徴と対処法」が行われた。
また獣医師セミナーと並行してVNCA/ACSセミナーも同じく5つのプログラムが実施され、手塚 光先生によるランチョンセミナー[協賛:(株)V and P]「器械出しだけがオペ看の仕事じゃない!消化器外科手術の流れとサポートポイント」や川瀬先生・小野 結先生による「救急対応リアル講座-異物・中毒誤飲が来た!さぁ、どう対応する!?-」[プログラム協賛:物産アニマルヘルス(株)]などが行われた。
当日午前中は降雪もあったが、約300名の獣医師・VNCA/ACSが会場に足をはこび、臨床現場でおこり得る救急対応について、プロフェッショナルによる講座に耳を傾けていた。
JBVP地区大会の開催は北海道大会が最終であるが、4月1日(火)~6月30日(月)には合同地区大会としてオンラインプログラム「春の血祭り」がWeb配信されている。本プログラムは会場開催プログラムの収録配信ではなく、独立した内容になっている。また、7月26日(土)、27日(日)には大阪にてWJVFが開催される予定である。
JBVPは1998年の設立以来27年が経つ。常に獣医療や社会状況のニーズに応える講座や企画を打ち出している。そして9月27日(土)、28日(日)には、東京において年次大会が予定されている。
北海道地区大会会場内の様子
会場となった札幌コンベンションセンター、開催当日午前中は降雪があった
九州地区大会の講演の様子
東北地区大会の講演の様子
名古屋地区大会の講演の様子
京都地区大会の展示会場の様子
獣医臨床感染症研究会(VICA)第22回セミナー 開催
2025/3/24
2025年3月20日(木・祝)、八重洲No14(東京・千代田区)にて、2025年度獣医臨床感染症研究会セミナーが実施された。
第22回は「レプトスピラの知識を最新にアップデート」をテーマに展開された。昨今、関東圏内でも発生が認められ、警戒意識の高まっているレプトスピラ症に着目し、「レプトスピラ症:総論」と題し小泉信夫先生(国立感染症研究所)が発表され、「ACVIMコンセンサス2023と犬レプトスピラ症」として村田佳輝先生(むらた動物病院、本研究会会長)、「ACVIMコンセンサス2023と猫レプトスピラ症」として藤井祐至先生(長崎大学 高度感染症研究センター)による解説が加えられた。
また今回は、関連企業との情報共有の場も設けられ、協賛の共立製薬(株)からは「動物用医薬品メーカーの社員が考える 人と犬のレプトスピラ症予防について」が発表され、現在、山口大学で犬レプトスピラ症の全国規模の血清疫学調査を計画中であることを報告、またその調査への協力を会場の先生方へよびかけた。また(株)ゴーフォトンの提供で、院内で実施可能なリアルタイムPCR検査として「核酸精製が不要な迅速PCR装置PicoGene体験会」が行われた。
「今後も臨床に即した感染症を研究していける集まりにしたい。人医療では感染症の学会では内科や外科、救急といった分野の研究会や学会も名を連ねている。そのような学会の設立が本研究会の目指すかたちである。これからも日本における感染症の拡大が少しでも抑制されるよう尽力していきたい」と村田会長の挨拶で閉会した。今後も本研究会の躍進が期待される。
総会の様子
体験会の様子
第33回日本小動物歯科研究会症例検討会・総会 開催
2025/3/16
2025年3月16日(日)に東京・品川フロントビル会議室にて第33回日本小動物歯科研究会症例検討会・総会が開催された。会場には100名を超える参加者が集まり、ランチョンセミナー協賛を含め13社が賛助企業として参加した。企業エリアにも積極的に足を運ぶ様子がみられた。
また、今回症例の発表だけでなくランチョンセミナーとして座談会が企画された(ファームプレス協賛)。会長の藤田桂一先生(フジタ動物病院)を座長として理事の4名の先生、網本昭輝先生(アミカペットクリニック)、幅田 功先生(センターヴィル動物病院)、本田 洋先生(本田動物病院)、江口徳洋先生(Vets Dental & Oral Surgery Office)が登壇し、メディアでも話題になった「無麻酔および無免許スケーリングの書類送検問題」「口腔内管理を一生続けるために必要なポイント」についてのディスカッションを行った(MVMに記事掲載予定)。
全国の小動物歯科に興味がある先生が気になっているであろう内容が多く、聞き入っている様子やメモをとっている先生が多くみられた。
このような本会の取り組みから、正しい知識と技術をもつ動物病院がさらに増え、これからよりよい形で飼い主や世間に情報が届くことに期待したい。
講演の様子
企業エリアの様子
JaVECCS 国際シンポジウム 2025 開催される
2025/3/15
2025年3月15日(土)、16日(日)に東京・有明セントラルタワーホール&カンファレンスにて、JaVECCS 国際シンポジウム 2025が開催された。
国際大会第2回目となる今回も国内外から多くの参加者が押し寄せ、ほとんどのセミナーが日・英同時通訳での講演となり大変盛況となった。
また獣医師、愛玩動物看護師/アニマルケアスタッフのための実習、企業展示ブースにおいては2日間にわたり全国4病院によるCPRバトルが行われ、講義だけでなく臨場感のあるプログラムが用意されており、大勢がその機会を得るために各会場へ足を運んだ。CPRバトルは2日目の決勝戦にて東京・世田谷のくすの木動物病院が優勝し、表彰が行われた。どの病院も非常にレベルが高いとの総評であった。決勝戦は20分にもおよび、観戦者はカメラを構えて撮影し、実際の手技やコミュニケーションについて熱心に情報を得ている姿が印象的であった。
企業展示ブースでは救急動物病院も出展しており、動物病院の紹介やリクルートだけではなく、企業と動物病院との対話も盛んに行われていた。1日目の夜には同ブースにてレセプションが行われ、国内外からの参加者が談笑し交流する様子がみられた。
2日間で1,000名を超える参加者が集まった。次回JaVECCS国際シンポジウム 2026は同じく有明セントラルタワーホール&カンファレンスにて2026年3月14日(土)、15日(日)に開催予定。

講演の様子

CPRバトル決勝戦の様子
第28回日本獣医皮膚科学会 学術大会・総会 開催
2025/3/8
2025年3月8日(土)・9日(日)、国際ファッションセンタービル KFCホール(東京・両国)にて、(一社)日本獣医皮膚科学会による第28回日本獣医皮膚科学会・総会が実施された。
今大会は「耳の疾患―外耳炎、中耳炎、耳介皮膚疾患―をアップデート」をテーマに展開された。
8日(土)の初日には、プレコングレス・スイーツセミナーが開催され、「抗菌薬の適正使用」「耳の洗浄」「外耳炎治療における栄養療法」に関する3題の講演が行われた。参加者はケーキやコーヒーを楽しみながら、熱心に聴講していた。
9日(日)の学術大会では、外耳炎に関する海外講師の招聘講演をはじめ、アトピー性皮膚炎の新規治療に関する科学講演、中耳炎シンポジウム、ミニレクチャー、初学者セミナー、ランチョンセミナーなどが実施された。一般講演では18題、ポスターセッションでは17題の演題が発表された。展示ブースではオトスコープのデモンストレーションも行われ、多くの参加者で賑わった。
「2日間の開催期間、大勢の参加者に集まっていただいた。当日の参加希望者をお断りするほどであった」と本学会会長の加納 塁先生はいう。本学術集会、そして本学会への関心の高さを実感できる2日間であった。なお3月17日~4月17日までオンライン配信される。
開会式での加納会長
会場の様子
2025年3月7日(金)、名古屋大学・東山キャンパス内のオークマホールにてOne Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点(COMIT)主催の2024年度シンポジウムが開催された。
COMITは、岐阜大学と名古屋大学の連携拠点支援事業の一つであり、医学、獣医学、薬学、工学等の研究を分野横断的に包括し、それぞれの境界を越えた「Sharing Medicine(人獣共通医療学)」の開拓および人と動物の創薬研究の変革を目的に活動する。
本シンポジウムではCOMITの研究紹介として、「局所免疫記憶の理解から導くアトピー性皮膚炎の再燃予防戦略」(朝比奈良太先生)、「大規模言語モデルを用いた医獣診療録言語の共通化」(龍岡久登先生)、「スマートインスリンデバイスの研究開発;『貼るだけで血糖コントロール』の実現を目指して」(菅波孝祥先生)の3講演が行われた。タイトルからもわかる通り非常に興味深い内容であり、聴講者は熱心に耳を傾け、質疑応答も活発に行われた。
また、特別講演として水野拓也先生(山口大学)の「動物のがんに対する新規治療法の開発とその苦悩〜弱小ラボが世界とどう戦っていくのか〜」が行われた。副所長を務める山口大学細胞デザイン医科学研究所(RICeD)や昨年正式稼働したどうぶつトランスレーショナルリサーチセンター(iCAT)での研究の一端を紹介しつつ、「どういった臨床獣医学研究をやるか?」「抗体薬とは」「動物用抗体薬開発の例」について解説された。人と犬の生物学的な類似性から自然発症モデルを多くデータベース化できる可能性がある獣医療が創薬および人医療への還元を可能にするとし、現在日本国内で3製品のみである動物用抗体薬について、日本発の犬のがん治療薬の開発を目指すと述べた。
本シンポジウムはオンライン配信され、ほか計10点のポスターセッションおよびライトニングトーク(ポスターセッションの内容を各自1 分間説明)、ネットワーキング(交流会)もあり、人獣共通の最新研究に触れることができる貴重な場であった。
COMITシンポジウム
会場の様子
東京都獣医師会主催
ワンヘルスアプローチで考える会 開催
2025/3/6
2025年3月6日(木)、東京都・ホテルルポール麹町にて東京都獣医師会主催、ワンヘルスアプローチで考える会が開催された。
本会会長の上野弘道先生は開会の挨拶において本シンポジウムのコンセプトである動物がもたらす恩恵とその活用法について触れ、続いてメイン講演として「One Healthアプローチとヒューマン・アニマル・ボンド」と題し、石田卓夫先生(FASAVA会長、赤坂動物病院)による講演が行われた。ワンヘルス、もしくはワンメディシンの考え方のはじまりから人獣共通感染症、人と動物の絆、つまりヒューマン・アニマル・ボンドが社会にとってどれほどの有益性をもたらすか(死亡率、疾病率、がん発生率、フレイル発症リスクの低下および子どもへの教育効果等)など、エビデンスに基づくワンヘルスに関する現状と今の課題および具体的対策について解説された。
講演後の意見交換会では、来年4月21~24日に東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて第41回世界獣医師会大会が開催されることが日本獣医師会専務理事の伏見啓二先生から紹介された。世界獣医師会大会のテーマがまさにワンヘルスであり、人間社会により広くワンヘルスの考え方が広まる契機となるか、獣医療界全体でこの2026年の機会を生かす必要があると思われる。
上野会長は閉会の挨拶にて「ワンヘルスの価値をまずは一般臨床の先生が深く理解し一丸となることでこれからの獣医療界の難局に立ち向かう必要がある。そのことをこれからも多角的に発信していきたい」と述べた。
会場の様子
2025年2月28日(金)、東京都医師会館(東京都・千代田区)にて、(公社)東京都医師会・(公社)東京都獣医師会 合同開催講習会「人と動物のワンヘルス~動物と共に健康寿命を延ばすには~」が開催された。
ワンヘルスは「環境の保全」「人の健康」「動物の健康」を一つの健康ととらえ一体となって守っていく考え方で、様々な研究が報告されている。本講習会ではそれぞれの立場の参加者たちがワンヘルスについて考えるきっかけとなればという考えのもと、3つの講演が実施された。
1題目は「生物多様性保全とワンヘルスアプロ―チ」をテーマに五箇公一先生(〈国研〉国立環境研究所、生物多様性領域室長)により、環境科学の観点から外来生物や感染症の具体例を交え生物多様性保全および持続的社会構築の意義について講演された。2題目は谷口 優先生(〈国研〉国立環境研究所、環境リスク・健康領域主任研究員)による「伴侶動物との生活が人にもたらす健康効果」で、犬や猫といった伴侶動物が高齢者の健康にどのように寄与するか介護や認知症にフォーカスし紹介された。続く3題目の「人と動物が共有できるウェルビーイングを目指して」では西田伸一先生(東京都医師会 理事)から、とくに高齢者の幸福維持のために伴侶動物の果たす役割が大きく期待されること、またフレイルの基準の説明や、今後の介護においてケアマネージャーとともに動物愛護推進員の存在が重要となることなど、その際に人間だけでなく動物の幸せも大切であることを動物の5つの自由(The Five Freedoms for Animal)の解説も交え紹介された。
「人間の自然破壊により野生動物が町中に出没するニュースを目にする機会がふえ、ワンヘルスの重要性を認識する機会が増えました。今回の講義が、医療と獣医療がともにワンヘルスについて考える会になればと期待する」と東京都医師会会長の尾﨑治夫先生はいう。また東京都獣医師会会長の上野弘道先生は「医師と獣医師が連携して伴侶動物を交えたワンヘルスのシステムを構築できれば、獣医師として大変嬉しく思います。ワンヘルスへのアプローチをとおして、すべての人が笑顔で安心して暮らせる社会をつくっていきたい。」という言葉でこの度の講習会を締めくくった。東京都医師会と東京都獣医師会の連携による貢献がますます期待される。
講習会の様子
東京都医師会会長 尾﨑治夫先生、開会の挨拶にて
東京都獣医師会会長 上野弘道先生、閉会の挨拶にて
(一社)日本獣医動物行動学会 第1回学術集会 開催
2025/2/22
2025年2月22日(土)、(一社)日本獣医動物行動学会 第1回学術集会が東京大学 中島ホール(東京都・文京区)で開催された。前身は日本獣医動物行動研究会であり、2025年2月21日(金)に法人化し、名称を変更した。
第1回の学術集会は対面とオンラインのハイブリット形式で実施された。
講演1では菊水健史先生(麻布大学)が「ヒトとイヌの互恵的関係」と題して講演を行った。つづく講演2では白井春佳先生(にいがたペット行動クリニック)および大石麻里子先生(井本動物病院)を識者として迎え「どうしてる?行動診療 ~認定医・研修医に聞いてみた~」として、磯見 優先生(ALLONE動物病院)を進行役に、行動診療の実際について紹介した。
次いで行われた、症例・研究発表では、「行動学的治療により、動物愛護センターに収容された犬の攻撃行動を改善し譲渡を実現した一例」(岸野友祐先生、Kawabata横須賀三浦どうぶつ医療センター)、「不安関連行動にミルタザピンを使用した犬の2例」(中野あや先生、動物行動クリニックなかの)、「伴侶動物への愛着スタイル尺度(Pet Attachiment Questionnaire)日本語版作成の試み」(石川瑛実先生、陽だまり動物病院)、「恐怖症(音、雷)の犬におけるジアゼパムの機能的役割についての検討」(室井尚子、Jiu動物行動クリニック)の4症例が報告された。
犬と猫の互恵的関係や生理学的な絆や地域との連携、行動診療科の各病院での位置づけや行動診療や認知度の向上、動物愛護センターとの連携の課題、薬剤の用い方、また伴侶動物と人間との愛着への研究と、動物行動学の今後を牽引する発表が続き、演者と会場での熱心な質疑応答が交わされた。
開会式の冒頭に水越美奈会長は「研究会から学会へ名称変更し一般社団法人になった。獣医療のなかで動物行動学がより広く認知されるようにしていきたい。」と意気込みを述べた。来年2026年2月または3月には25周年記念シンポジウムを開催予定で、本学会のますますの活躍が期待される。
学術大会の様子。左より本学会副会長の藤井仁美先生(Ve.C.動物病院グループ 自由が丘動物医療センター)、本学会会長の水越美奈先生(日本獣医生命科学大学)、同じく副会長の武内ゆかり先生(東京大学)
2024年新たに獣医行動科認定医となった大石麻里子先生へ水越会長から認定証を授与