2024年8月24日(土)、25日(日)に、東京・ベルサール飯田橋ファーストにおいて第16回日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会が開催された。
今回は米澤智洋先生(東京大学)が大会長を務め、「膀胱腫瘍治療の最前線」をテーマに講演や研究発表などが行われ、会場には460人を超える参加者と15社(うち会場参加14社)の企業協賛があり、日本獣医腎泌尿器学会の規模の拡大を感じ取ることができる大会であった。
プログラム内容は2日間に分かれており、24日は特別企画の日本腎臓学会サテライトシンポジウム、教育講演(認定講習会)と前回のアワード受賞者による認定審査委員会主催・アドバンストセミナー2nd講演が企画され、25日には基調講演、シンポジウム、ランチョンセミナー、一般演題など様々なプログラムが行われていた。
一般演題のなかには尿路結石の新たな摘出を試みた演題や慢性腎臓病の治療をせず経過観察した際の報告など、腎臓病・泌尿器病の分野における興味深い発表もみられ、皆とても熱心に視聴する様子がうかがえた。
そして本学会会長の星 史雄先生(岡山理科大学)から法人化をすすめることが発表された。本学会がさらに発展していくことになるであろう。
次回第17回 日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会は山﨑寛文先生(日本動物高度医療センター)が大会長を務め、2025年8月23日(土)、24日(日)に開催予定である。
学会・セミナーレポート
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第16回 日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会 開催される
2024/9/1
(一社)全国動物専門学校協会 教職員研修会 開催
2024/8/30
2024年8月8日(木)「トリマー教員研修会」が(学)中央工学校 中央動物専門学校(東京・北区)、9日(金)「動物看護教員研修会」が(学)シモゾノ学園 国際動物専門学校(東京・世田谷区)で(一社)全国動物専門学校協会により実施された。
トリマー教員研修会は「加盟校のトリマー教員の皆さんによるお悩み解決座談会」をテーマに、前半はグループに分かれ、教員の指導力向上、本協会の検定対策や大会入賞のための指導等について座談会形式で情報共有をし改善・解決についてディスカッションした。後半に各グループでディスカッションの内容を発表。学生指導において技術的な到達度に開きが生じた際の工夫、地域ごとの特色、生徒の就職先を視野にいれた指導などが紹介された。他校の状況を共有することで、明日からの授業の質の向上へとつなげていくべく、会場は熱心に耳を傾け、また加盟校教員間の横のつながりを深めた。
翌日の動物看護教員研修会では、前半の小田民美先生(日本獣医生命科学大学)による「動物内科看護学実習の指導について」として、内科実習の項目のなかで、現場で多くの動物看護師が担当する採血、皮下注射を、シミュレーション教材を用いて実施。参加者たち自身でシミュレーション教材を作成し、2人組で互いに保定者と採血者を担い実習をすすめた。後半は佐伯 潤先生(帝京科学大学)による講演「適正飼養指導論・動物生活環境学・ペット関連産業概論」。愛玩動物看護師の国家資格は、獣医師と異なり、農林水産省および環境省の両省庁から免許をうける国家資格であること、今後の愛玩動物看護師には小動物臨床だけでなくより幅広い活動領域があることを指摘。講演を通して愛玩動物看護師の将来的な活動について大きな気づきを得られる講演となった。
来年の協会設立20周年に向けて、トリマー・愛玩動物看護師の技術基準の構築・向上を目指す本協会の活動に、ますます期待が高まる。
本協会の詳細は下記URLより。
http://www.zendousen.jp/
トリマー教育研修会の前に実施された、本協会のトリミング検定員資格認定研修会の様子。認定研修会では技術力を図るうえで評価基準が明確な「ラムクリップ」で実施
トリマー教員研修会の様子。グループごとにファシリテーターを決め話し合いをすすめる。左利きの生徒への対応、生徒の精神面のサポート、モデル犬の確保や引退時期など話題は多岐にわたった
動物看護教員研修会の様子。午前中は小田先生(前出)の指導のもと、お手製のシミュレーション教材を用いて採血、皮下注射を実習
動物看護教員研修会で行われた、佐伯先生(前出)の「適正飼養指導論・
動物生活環境学・ペット関連産業概論」の講演の様子
協会副会長の山田敏雄先生の挨拶
愛玩動物看護委員長の下薗惠子先生の挨拶
全国専修学校動物系教育協会 グルーマー(トリマー)教師向け研修会 開催
2024/8/23
2024年8月5日(月)大宮国際動物専門学校(埼玉県)で、全国専修学校動物系教育協会主催による「グルーマー(トリマー)教師向け研修会」が開催された。
講師には川口涼太先生(トリミングサロンワンきゅう オーナー)を迎え、「ドッグサロンで人気の『テディーベアカット』の顔の作り方」の講義を行った。前半は顔ウィッグを使用し、後半は生体(トイプードル)を用いて実演を行った。
本研修会は対面とオンラインのハイブリットで行われた。本研修には会場とオンラインの参加者からの質疑応答の他、事前に多くの質問が協会に寄せられた。内容は、立体的なマズルのつくり方や目の周囲のカット、トップスやリップラインのつくり方や耳の角のとり方など技術的な質問から、サロンでは1時間で何頭くらいの犬のグルーミングを行っているか、料金体系など多岐にわたり、それらに川口先生が一つひとつ丁寧に、ときに実演を交えて質問者が納得するまでしっかりと回答されていった。午後1時~4時まで実施された本研修会で参加者たちが会得した技術や知識が、今後の学生への指導へと活かされていく。
本協会では「トリマー」「トリミング」ではなくあえてグローバルな社会で通用するように「グルーマー」「グルーミング」の名称を用いていくと、本協会会長の山﨑 薫先生。今後は訪問看護や在宅ケアへと活躍の場が広がっていくと考え、本協会はグルーマーの公的資格化を目指していく。
次回本研修会は、2025年3月にヤマザキ動物専門学校(東京・渋谷区)での開催となる。
本協会の詳細は下記より。
https://www.javsae.jp/
テディーベアカットの実演中の様子。会場とオンラインの参加者および事前に寄せられた質問に、川口先生が実演を交え、質問者が納得するまでしっかり説明
本協会業務執行理事の下薗惠子先生。今回の研修で学び得た技術や知識を、明日からの授業に役立ててもらいたいと開会挨拶
本協会会長を務める 山﨑 薫先生。本協会では世界で多く用いられている「グルーマー」「グルーミング」の名称を用いると紹介
第21回 日本動物リハビリテーション学会学術大会 開催
2024/8/22
2024年8月4日(日)、日本獣医生命科学大学(東京・武蔵野市)で、第21回日本動物リハビリテーション学会学術大会が開催され、獣医師、愛玩動物看護師、理学療法士等が集った。また本大会で同時開催された総会にて、会長の交代や新たな理事の加入など新体制となり、新会長に柄本浩一先生(えのもと動物病院)が着任された。
教育講演では、「愛玩動物看護師法から考えるリハビリチーム獣医療」の演題で宮田拓馬先生(日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学臨床部門)が登壇し、国家資格化され、今後は毎年3,000人ちかく誕生するといわれる愛玩動物看護師の職域・役割について事例を取り上げ紹介された。続く「獣医師が医療行為として行うチーム医療の動物のリハビリテーション」では、小林孝之先生(前会長、アニマルクリニックこばやし 院長)とともに、獣医師・愛玩動物看護師・理学療法士の立場から、獣医師の大山隆司先生(同左)、愛玩動物看護師の久保田莉奈氏(同左)、理学療法士の堀切朱加氏(同左)が、それぞれの役割や課題について、入院および外来でのリハビリテーションについて症例を交え具体的に紹介。情報の共有、リハビリの評価や、リハビリの終了目標設定について紹介した。
午後は昨年に続き今大会でも「症例相談会」が実施され、「両側膝蓋骨内方脱臼」森 由季子氏(アニマルクリニックこばやし、理学療法士)、「足関節過伸展症候群疑い」川村和美氏(帝京科学大学 愛玩動物看護師)、「脊髄障害 疑い」神沢優希氏(久米川みどり動物病院、愛玩動物看護師)、そして「重症の頚部脊髄症の犬の3例」植村隆司先生(KyotoAR動物高度医療センター 獣医師)が、日々の診療で発生した疑問への解決を求め、それに対し本学会の理事の他、会場の参加者からも様々なアドバイスやディスカッションが行われた。新会長の柄本先生がスライドを用いた詳細な解説も行い、必要なのは機能改善を目的としたリハビリテーションか、介護を目的としたリハビリテーションかの見極めも大切と説明された場面もあった。相談者も、会場の参加者も理解を深めることができたのではないだろうか。
また、北海道大学大学院保健学科学研究院リハビリテーション科学分野 教授である遠山晴一先生を迎え特別講演が開催された。同大学のスポーツトレーニングセンターのセンター長の経験をまじえ、“人におけるリハビリテーション医療の考え方と実際”、“変形性膝関節症に対するリハビリテーション”、“膝前十字靱帯損傷に対するリハビリテーション医療と私たちが行った動物を用いた研究知見”をテーマに、ヒトでのリハビリテーション医療の流れ、目標設定や医師・リハビリテーションスタッフ・看護師・患者本人・家族とのリハビリテーションカンファレンスの内容を紹介し、総合的な実施計画書の作成や、“変形性膝関節症”のリハビリテーション医療、膝前十字靱帯損傷に対して行われる「前十字靱帯再建術」の自家腱移植に関する研究知見を実際の世界的に活躍するスポーツ選手での実例も交え紹介。会場は熱心に耳を傾けた。
「リハビリテーションが関わる疾患は、専門性を持った獣医師が局所療法として治療を適切に行なわなければならないが、リハビリテーションは、局所だけでなく全身と飼主や環境を同時に診ていかなければならない」「少しずつ学会としてエビデンスをつくっていったり、色々な学術的なことが説明できるようにしていくよう、前会長で現顧問となられた小林先生のお力添えもいただきながら、務めていきたい」と柄本新会長。
獣医療におけるリハビリテーションを牽引する学会として、ますます期待が寄せられる。
なお今学術大会は8月30日~9月30日の間、学会会員限定で申込者対象にオンライン配信される。
詳細は下記ホームページを参照。
https://www.jaapr.jp/
本学会の新会長となった柄本浩一先生
遠山晴一先生による特別講演「人におけるリハビリテーション医療と予防
スポーツ障害・運動器疾患を中心に」の会場の様子。座長は柄本会長が務めた
特別講演中の遠山晴一先生
教育講演では、“リハビリチーム獣医療”、“チーム医療”というそれぞれの
専門性を生かした実例が紹介された
昨年に続き「症例相談会」が実施され、会場は熱気に溢れた
どうぶつトランスレーショナルリサーチセンター 開設される
2024/8/5
2024年8月、日本の獣医療の腫瘍分野をリードする日本小動物医療センター附属日本小動物がんセンター(埼玉県・所沢市)に、新たにどうぶつトランスレーショナルリサーチセンター(Integrative Center for Animal Translational Research、iCAT)が開設した。本センター長に水野拓也先生が就任、最先端の免疫治療研究施設が2次診療施設と密接に連携することで、臨床データの収集およびその研究成果がスピード感をもって治療現場に届く橋渡しの役目を担う。設備も獣医大学の施設とほぼ同等の研究が可能であり、研究者の養成や大学院生の受け入れなども支援するとのこと。先に行われた内覧会には、大学教員を含む多くの獣医療関係者が足を運んだ。2024年8月7日(水)から業務開始。
施設の外観
施設内の様子
施設内の様子
WJVF第15回大会 開催される
2024/8/2
2024年7月27日(土)~28日(日)、ホテルニューオータニ大阪にて、WJVF第15回大会が対面で開催された。今回のテーマは「新たなる挑戦~さらなる飛躍~」。獣医療従事者自らが学び・挑戦し、そして成長し続ければ、それだけ救える命・幸せになる家族が増えることにつながるというメッセージを込めているとのことである。
WJVF会長の竹村直行先生は、開会の挨拶のなかで、「動物と暮らす人々の気持ちがわかるような獣医療従事者を増やす必要があります。また、動物に対する治療および診察は血の通っている温かみのあるものでなければなりません。これらの目的を達成するのに講演・実習を活用してください」と述べた。
獣医師対象の講演は、「なんだか高い肝酵素シンポジウム」「救急ストリーム-その命を救うために-」「目指せ!スーパージェネラリスト」の他、呼吸器病学、眼科学、歯科学、腫瘍学、外科学など様々であり、講演によっては立ち見が出るほどであった。
愛玩動物看護師・アニマルケアスタッフ(ACS)・トリマー対象の講演は「疾患を学ぶシリーズ」「ご家族に話せるように」などであった。
本年は少人数の実習も充実し、いずれも募集と同時に枠が埋まるほど人気であった。
また28日(日)には(公社)日本動物病院協会(JAHA)との共催で市民公開講座「人とどうぶつの絆」も開催された。
そして両日とも展示会場にて「スイーツタイム」が設けられ、展示会場は大いに賑わいをみせた。
参加者数は1,470名で、昨年の大会より着実に参加者が増えている状況である。
WJVF第16回大会は、2025年7月26日(土)~27日(日)、ホテルニューオータニ大阪にて開催予定。
2024年7月19日(金)から21日(日)の3日間にわたり、マレーシア・クアラルンプールにて第12回アジア小動物獣医師会大会(FASAVA〈Federation of Asian Small Animal Veterinary Associations〉2024)が開催された。2019年の東京大会から5年、今回も日本をはじめアジア各国、オセアニアから最新知見を得るため多くの参加者が集まった。日本からは50名以上が参加した。会場は大きく5会場に分かれ、画像診断、猫、外科、内科、循環器、エキゾチック、眼科、皮膚科、救急など計80以上のプログラムが用意された。日本からは石田卓夫先生(赤坂動物病院)、浅野和之先生(日本大学)、辻田裕規先生(どうぶつ眼科専門クリニック)の3名の講演が行われた。
●初日:朝に激しいスコールが降るなか、創立時の会長である故Roger Clarke先生の名を冠したレクチャーのあと、FASAVA現会長でオーストラリア小動物獣医師協会のMatthew Retchford先生によるオープニングセレモニーが行われた。そのなかでRetchford先生は、FASAVAの紹介や獣医療関係者が取り組むべき課題を取り上げ、政治的側面や経営的側面、AIなどを克服すべき脅威およびハードルと解説した。また日本の先生の講演としては石田卓夫先生の「Aspiration biopsy and cytologic evaluation of lymph node diseases(リンパ節疾患の吸引生検および細胞学的評価)」の講演が行われ、多くの聴講者が集まり、質疑応答も活発に行われた。
●2日目:クアラルンプール市内ではこの日5年に一度の新国王の戴冠式が行われるため、近隣のホテルでは厳重な警備が敷かれ、一部交通規制が実施された。そのようななか、2日目も多くのプログラムが実施され、日本の先生の講演としては石田卓夫先生の「New therapies for feline diabetes(猫の糖尿病の新治療法)」、そして浅野和之先生の「Surgical repair of canine perineal hernia(犬の会陰ヘルニアの外科的修復)」「Surgical treatment of idiopathic chylothorax in dogs and cats(犬猫における特発性乳び胸の外科処置)」の講演が行われた。猫の糖尿病の講演は大会場で行われ、また犬の会陰ヘルニアの講演は立ち見が出るほどの盛況ぶりであった。
この日の夜には「マレーシアンナイトディナー」が行われ、参加者はマレーシアの食事、伝統工芸、音楽、踊りなどを楽しんだ。途中、各国別に参加者がステージに上がり歌や踊りを披露する時間があり、日本の先生方が壇上で歌を披露する場面もみられた。
●最終日:日本の先生の講演としては午後に辻田裕規先生の「How to approach canine cataract in dogs(犬白内障へのアプローチ法)」が行われた。また、土日の2日間でMSAVA(マレーシア小動物獣医師会)が主となり20以上のパラプロフェッショナル専用のプログラムが同時開催されており、この日には村尾信義先生(倉敷芸術科学大学)の「Practical tips for kinder and gentler animal handling(より優しく穏やかに動物を扱うためのコツ)」、「New restraint techniques for cephalic vein catheterization in dogs and cats(犬猫の橈側皮静脈カテーテル挿入時の新しい保定法)」の2講演が行われた。
クロージングセレモニーでは、次回FASAVA2025の開催が韓国・大邱にて2025年10月31日(金)〜11月2日(日)に開催されること、そして、FASAVAの次期会長に石田卓夫先生が就任することが決まり、その就任式が行われた。
展示会場には、プライムスポンサーであるヒルズ社をはじめ、46の企業および関連団体が集まった。多くの企業がブース内セミナーを設けたり、また会場の飲食スペースが両端および中央の3ヵ所に設置されたりするなど、多くの参加者が展示会場に足を運べる工夫がされていた。
犬の飼育頭数の減少により日本国内の獣医療の在り方に変化が求められるなか、とくに日本にとって隣人であるアジアの獣医療への注視および連携はより重要になると思われる。本大会は多くの先生方、愛玩動物看護師を含むすべての獣医療関係者にとってアジアの臨床現場の今を知ることができる貴重な機会であると感じられた。
第30回 日本獣医がん学会 開催される
2024/7/16
2024年7月5日(土)と6日(日)、ホテルニューオータニ東京において第30回日本獣医がん学会が開催された。この様子は、学会終了から約1週間後~7月31日(水)までVETSCOPE(https://vetsope.vet/)でも配信された。
参加者は事前登録の段階で890名を超え、会場展示協力13社、広告協力8社、オンライン配信協力1社、ランチョンセミナー協力3社および学会が日曜日のランチョンを提供、外科ドライラボ協力2社による協賛協力があった。
開会にあたっては、「今回は初となる企画“外科ドライラボ”が実施されます。他にも各委員会が様々な新しい企画を準備しているので、これからも本学会に期待していただけると考えています」と石田卓夫会長がご挨拶された。今回の学会では、充実したプログラムのほか、5名の審査員による一般口演のアワードに加え、学会参加者によるオンライン投票によりポスター発表からもアワードが決定され、認定医Ⅰ種合格者4名、Ⅱ種合格者20名は授与式に出席した19名への認定証授与式と同時にアワード表彰、さらに研究助成の贈呈式が行われた。石田会長が述べた通り、今後の学会の活動にますます期待が高まる2日間となった。
<一般口演アワード 受賞演題>
【基礎研究部門奨励賞】
基礎研究「イヌ骨肉腫細胞株に対する抗HER2抗体療法の効果の検討」酒居幸生先生ら
【臨床部門奨励賞】
症例報告「積極的な外科切除により長期生存を認めた膵臓外分泌腺癌の犬の一例」 大脇 稜先生ら
<ポスター発表アワード 受賞演題>
「膵臓外分泌癌に随伴して被嚢性腹膜硬化症を認めた猫の1例」小林宏祐先生ら
<研究助成>
【臨床分野】
「Liquid Biopsyを基礎としたBRAF変異陽生尿路上皮癌の治療層別化戦略の創出」/申請者:田川道人先生
【基礎分野】
「NSAIDs高感受性であるイヌ尿路移行上皮癌の解析から着想を得た新規がん免疫療法の開発」/申請者:衛藤翔太郎先生
(一社)日本動物看護職協会「動物看護の日2024」イベント 開催される
2024/7/3
2024年6月30日(日)、(一社)日本動物看護職協会は日本歯科大学にて「動物看護の日 2024 動物福祉と動物看護」を開催した。本イベントは同協会が国家資格「愛玩動物看護師」の誕生を機に愛玩動物看護師法の公布日6月28日を「動物看護の日」と制定したことにちなんで開催されたものである。なお、同協会は2025年4月から「愛玩動物看護師の職能団体」となることが予定されていることが発表された。
本イベントの内容は以下の通りである。
・シンポジウム「動物看護の視点で考える動物福祉」
パネリスト/田中亜紀先生(日本獣医生命科学大学)、渋谷寛先生(渋谷総合法律事務所)
ファシリテーター/遊座晶子先生(日本動物看護職協会)
「この子は本当に幸せ?」「動物と人が安心して暮らすには?」を切り口に、動物虐待と医療、動物関連法規の観点から、動物福祉に活きる動物看護について紹介された。動物虐待と思われる症例が来院したときは関係機関への通報が義務になっているが、飼い主への対応の難しさが浮き彫りになった。
その後、「動物看護の日」に合わせて募集された「動物フォトコンテスト」および「動物看護 1 min. 動画アワード」の作品が公表された。
・「動物フォトコンテスト」(一般市民対象)/審査員:山崎哲氏(写真家)
最優秀賞:気持ちいい?/竹林めぐみさん(広島県)
・「動物看護 1 min. 動画アワード」(動物看護職対象)/審査員:稲野辺悠先生(港区動物救急医療センター 芝アニマルクリニック)
最優秀作品:横浜動物救急診療センターVECCS横浜2周年記念動画/石橋由梨佳さん
なお、「動物フォトコンテスト」および「動物看護 1 min. 動画アワード」の作品については、2024年7月1日(月)~8月31日(土)までJVNA YouTubeチャンネル(http://www.youtube.com/@jvna.vnca2022)でオンデマンド配信される予定である。また、同チャンネルでは、本イベントの協賛企業であるロイヤルカナン ジャポン合同会社の「1歳までの子猫の栄養学~知っておきたい、成長期の食事管理~」「3Hシンドローム~健やかな成長のためにできること~」も配信される。
シンポジウムの様子
2024年6月20日(木)〜23日(日)、埼玉・大宮ソニックシティで第108回日本獣医麻酔外科学会学術集会が開催された(第24回 日本獣医内視鏡外科学会が同時開催)。本大会は東京大学の望月 学先生が大会長を務め、学会初となるキャッチフレーズ「まなぶはまねぶ」がつけられた大会であった。
キャッチフレーズにもあるように、多くの学びの機会が得られる一般演題、パネルディスカッション、シンポジウムや教育講演、症例検討会、リフレッシャーコースのほか、外科のスペシャリストの手の動きを観察し、直接指導を受け「まねぶ」ためのハンズオンセミナーが開催され、整形外科、軟部組織外科、麻酔疼痛管理の隅々までポイントがおさえられたセミナーには、多くの先生方が足を運んでいた。
2日目の21日(金)には新たにスタートした認定医制度である第1回動物麻酔基礎技能認定医筆記試験が開催され、260名の獣医師が受験した。
3日目の22日(土)からはさらに多くのセミナーが開催され、全国から多くの獣医師が集まり、会話に花を咲かせる様子も目立ち大変盛況であった。夜には情報交換会が開かれ、新たな日本小動物外科専門医への資格授与も行われ、4名の先生が温かい拍手で迎えられた。
見聞きして学ぶだけではなく、実践することも重視して企画されたセミナーに人が集まり、獣医師同士の横のつながりも深められる本学会の獣医療の牽引が期待される。
次回第109回日本獣医麻酔外科学会学術集会は、2024年12月20日(金)~12月22日(日)、北海道・札幌コンベンションセンターにて「経験は現場で、知識は北海道で!」のキャッチフレーズのもと、酪農学園大学の鳥巣至道先生を大会長に迎え開催される(第25回 日本獣医内視鏡外科学会は同時開催、第12回アジア獣医外科学会が共同開催)。