2025年6月20日(金)~22日(日)、大宮ソニックシティ(埼玉県)にて第110回日本獣医麻酔外科学会学術集会、第27回日本獣医内視鏡外科学会が開催された。
「守・破・離 継承し未来へ」を大会テーマに掲げ、実施された今回の学術大会は、参加登録者数が1,200名を超え、また展示ブースの申し込みも71社と、これまでで最大規模の学術大会となった。
整形外科、軟部組織外科、麻酔・疼痛管理の各分野にわたる多くの講演が行われ、さらに基調講演として長田 理先生(福井大学医学部器官制御医学講座 麻酔・蘇生学領域)による「静脈麻酔薬自動投与制御システムの開発秘話」、開催準備委員会・ICT委員会の企画による実践的な手技を学ぶ「ハンズオンセミナー」、日本獣医麻酔外科学会・日本獣医内視鏡外科学会の合同企画シンポジウム「エネルギーデバイスの有害事象を知り防ぐ」、ハートウォーミング企画では「ハートウォーミングパネルディスカッション 共に助け合い、みんなが輝ける環境とは? ―ライフとワークの意識改革―」、小動物外科専門医企画による患者の受入状況やレジデント制度等、各施設での状況をふまえたグループディスカッション「FIRESIDE 2025 in Omiya」など、充実したプログラムが展開され、参加者たちは思い思いの会場へ足を運んだ。
21日(土)の情報交換会では、新会長として高木 哲先生(麻布大学)が紹介された。また日本小動物外科専門医の資格授与式が行われ、新たに3名の認定医が誕生した。各分野のアワードの授賞式も実施され、情報交換会会場は大いに盛り上がった。
「守・破・離という、“道を究める者が師からの教えを身につけ技術を研鑽し発展させる心構えを示した、日本古来より尊重されてきた概念”を大会テーマに掲げたのは、昨今の獣医療を取り巻く環境が技術の発展のみならず働き方改革や経営体制など、多岐にわたり急速に変化するこのような時代において、守・破・離の考え方に基づき獣医師としての道を進むことが重要と考える」と今大会長を務める関東地区委員長の小林 聡先生(One for Animals)は述べる。
過去最大の規模となった第110回の学術集会のオンライン配信は、これまでの大会より延長し、2025年8月末までを予定とする。日本獣医麻酔外科学会のますますの発展が期待される。
今学術集会の大会長を務める小林 聡先生
前会長の秋吉秀保先生(右)、新会長に就任した高木 哲先生(左)による
挨拶
日本小動物外科専門医の授与式。新たに3名の認定医が誕生した
アワード授賞式の様子