2025年8月4日(月)~8日(金)、国立京都国際会館(京都府)で、世界獣医内視鏡学会(Veterinary Endoscopy Society:VES、Dr. Nicole J. Buote会長)/世界獣医インターベンショナルラジオロジー学会(Veterinary Interventional Radiology & Interventional Endoscopy Society:VIRIES、Dr. Alice Defarges会長)の2025年合同学術集会が開催された。これらの学会の学術集会はコロナ禍以降個別に年一回開催されていたが、今回から合同で開催されることになり、しかもアジアで初めての開催ということで日本が選ばれた。本学会には国内外から多数の参加者が集まり、過去最多の参加人数を記録した。
VESは獣医内視鏡学、特に内視鏡外科を中心に、VIRIESは非手術下/手術下にてデバイスを用いた低侵襲治療を中心にそれぞれ研究や臨床に取り組んでいる。
両学会とも低侵襲治療の知識と技術の向上を目指して設立されており、共通の話題も多く取り上げられる。国内外から連日100名近い参加者が集い、臨床研究、ケースレポートやパネルデスカッション等が展開された。また、日本の医師によるキーノート講演も行われ、日本の医療における知識や技術を共有することができた。さらに、日本から参加した獣医師も発表し、会場との積極的な意見交換がなされた。講演会場には熱心な参加者が集い、展示会場も賑わいをみせた。
前半の8月4日~6日午前はVES、後半の6日午後~8日はVIRIESの大会が実施され、参加者達は早朝より発表に耳を傾けた。VESは2003年に設立、 VIRIESは2016年に設立されたが、世界の獣医師がより積極的に情報共有できるように今後さらに活動を活発化する予定である。日本においても、日本獣医内視鏡外科学会(Japan Society for Veterinary Endoscopic Surgery: JSVES)と日本獣医インターベンショナルラジオロジー学会(Japanese Society of Veterinary Interventional Radiology: JSVIR)が設立されており、それぞれの学会とさらに緊密な連携を取っていくことも再確認された。
次回は2026年5月11~15日、合同学術集会としてボストンで開催される予定である。動物のQOLの向上のためにも低侵襲治療の正しい情報・技術の普及が重要となってくる。低侵襲治療における両学会の牽引力に、ますます期待が寄せられる。また、国内にいてこのような情報を得るためには、JSVESおよびJSVIRに参加することで容易になると思われる。
詳細は下記URLより。
【VES】
https://veterinaryendoscopysociety.org/
【VIRIES】
https://viries.org/

講演の様子。登壇者は竹内 僚先生(日本大学)

パネルディスカッションの様子

展示会場の様子

ガラディナーの様子