2025年5月18日(日)、日本獣医生命科学大学(東京都・武蔵野市)にて日本獣医輸血研究会 第12回学術講習会、小動物臨床血液研究会 第61回学術講習会が共同開催された。
日本獣医輸血研究会のプログラムは“JSVTM輸血コーディネーター認定プログラム”として井手香織先生(東京農工大学)の「輸血副反応」および同プログラムとして小野沢栄里先生(麻布大学)の「輸血に関連する院内システム」の講義が行われた。講義終了後は合格者への本認定証の授与式が開かれ、新たなコーディネーターたちが拍手で迎えられた。午後からは三浦篤史先生(ライフメイトグループ 動物救急センター文京)から「小動物の血液透析 体外循環療法における輸血の必要性」、白永伸行先生(シラナガ動物病院)から「「バベシアですね」と一言で片付けられない60分」の講演が行われ、最後に「献血ドナーの集め方&総合討論」が荻野直孝先生(ALL動物病院グループ)座長のもと行われた。
小動物臨床血液研究会の講演は森下啓太郎先生(北海道大学)の「動画で学ぶ! 骨髄検査の勘どころ 骨髄吸引&コア生検」、井手香織先生(東京農工大学)の「骨髄検査をする? しない? 適応判断の考え方」、高橋 雅先生(鹿児島大学)の「造血器腫瘍のリアル! 診断のカギと治療の最適解」、久末正晴先生(麻布大学)の「非腫瘍性骨髄疾患の診断と治療」が行われた。また下田哲也先生(山陽動物医療センター)を座長に顕微鏡ディスカッションとして「骨髄検査でこんなことが分かった」が行われアドバイザーの呰上大吾先生(東京農工大学)、高橋義明先生(ペットクリニックハレルヤ)、諏訪晃久先生(すわ動物病院)、亘 敏広先生(日本大学)と会場を交え、積極的な意見交換が行われた。
会場へ集まった獣医師、愛玩動物看護師は熱心にこれらの講義に聞き入り、院内の輸血システムの構築、輸血の際の注意点など、得られたものを日々の臨床へ取り入れようとする姿勢を強く感じられたことが印象的であった。新たなJSVTM認定輸血コーディネーターの臨床現場での活躍が期待される。
本講習会の対面参加者は約80名であり、次回講習会の詳細は日本獣医輸血研究会のホームページにて発表予定である。
また6月27日(金)までに視聴権を購入することで、本講習会の内容を2025年5月26日(月)~6月30日(月)までくり返し視聴することができる。

JSVTM認定輸血コーディネーター認定証授与式。内田会長、森下認定委員長と授与式に参加された認定輸血コーディネーターの方々