2025年6月3日(火)、東京都・新青山ビル西館にて、(公社)東京都獣医師会と(株)VETONSは「獣医療業界における災害互助システム構築に関する連携協定」を発表した。
本協定は(株)VETONS(代表取締役:羽田和政氏)と(公社)東京都獣医師会(会長:上野弘道先生)が、災害時における獣医療支援体制を迅速に実現することを目的とするものである。
(株)VETONSが開発した獣医師専用災害互助システム「RIMOT」により、平時からの防災に留まらず、発災時には愛犬愛猫の飼い主家族が必要とする同行避難・同伴避難に関する情報や近隣で対応可能な動物病院の情報など、被害状況と支援要請を可視化した情報を入手することが可能となる。発災時は人命優先であることはもっともであるものの、飼い主家族にとっては愛犬愛猫を置き去りにすることに強い抵抗を感じる人が多い。「発災時から5日間の正しい情報の共有や飼い主家族が心身ともに孤立しない状況を提供することが大切」と上野先生はいう。
また年内には飼い主向けにも同様の機能をもつアプリケーションを発表予定で、獣医師専用アプリケーション「RIMOT」と双方向の情報交換も可能になる。正しい情報を互いに得やすくなるとともに、各避難所の現状情報のタイムラグも解消されることが見込まれる。「“向こう三軒両隣”という意識をもつことが大切です。また発災時は被災地以外のエリアにいる獣医師の助けが必要となります。東京都獣医師会だけでなく、他府県にもこうしたシステムが普及し、獣医師・飼い主家族双が万が一に備える一助となればと思う」と上野先生(前出)は話す。本締結式には東京都議会議員として20年間防災の現場に携わってきた早坂よしひろ氏も臨席し、東京都としても今後の展開に大きな関心を寄せていると述べた。
締結式に臨む上野先生(左)と羽田氏(右)
臨席した東京都議会議員 早坂よしひろ氏
獣医師専用災害互助システム「RIMOT」の画面