2017年8月23日、中央動物専門学校で開催された動物看護教員研修にて、「動物看護師公的資格化 現状、課題および取り組み」について、動物看護師養成専門学校間で情報共有を行った。
教育の高位平準化を推進している専門学校のコアカリキュラム策定委員会はコアカリキュラムについて専門学校からの意見の聴取を行ってきた。専門学校からは、コアカリキュラムの総時間数が多く、独自のカリキュラムが作成しにくいこと、コアカリキュラムの中に重複する教育内容があることが指摘された。その指摘を受けて、重複科目を解消し33科目から28科目へ、授業時間を1,650時間とする新コアカリキュラム案を作成した。また、専門学校各校の特色を生かした科目時間を480時間から630時間に増やし、コアカリキュラムの習得とともに総計2,280時間を資格認定の要件とした。
コアカリキュラム策定委員会は、この新コアカリキュラム案を動物看護師統一認定機構のカリキュラム策定小委員会に提出した。機構の同委員会はこの新カリキュラムを元にパブリックコメントを募集し、全国動物保健看護系大学協会1件および専門学校13件から意見を得た。大学協会からの意見は「専門学校間で意見交換を行って慎重に作成された。大学協会としてはそのカリキュラムを尊重する」というものであった。同委員会は、専門学校からの意見を受け、8月下旬にある機構の理事会を経て、最終的な新コアカリキュラムを正式に発表する予定である。また、新コアカリキュラムに基づく教育は2019年4月からの開始を予定している。
学会・セミナーレポート
- 2025年4月 (1)
- 2025年3月 (6)
- 2025年2月 (4)
- 2025年1月 (5)
- 2024年12月 (1)
- 2024年11月 (10)
- 2024年10月 (4)
- 2024年9月 (5)
- 2024年8月 (5)
- 2024年7月 (4)
- 2024年6月 (3)
- 2024年5月 (1)
- 2024年4月 (4)
- 2024年3月 (2)
- 2024年1月 (3)
- 2023年12月 (2)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (6)
- 2023年9月 (2)
- 2023年8月 (5)
- 2023年7月 (5)
- 2023年6月 (7)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (6)
- 2023年2月 (3)
- 2023年1月 (3)
- 2022年12月 (3)
- 2022年11月 (3)
- 2022年10月 (2)
- 2022年9月 (3)
- 2022年8月 (5)
- 2022年7月 (4)
- 2022年6月 (4)
- 2022年5月 (1)
- 2022年3月 (1)
- 2022年1月 (1)
動物看護師公的資格化 現状、課題および取り組み 公表される
2017/8/24
2017年8月23日、(一社)全国動物教育協会、(一社)全国動物専門学校協会共催の動物看護教員研修が中央動物専門学校(東京)にて開催された。今回のテーマは「認定動物看護師の職域拡大に向けて(酪農支援)」で、酪農学園大学獣医学群の中田健先生が酪畜産業の概要、生産現場のイメージ作り等を研修の目標に講演を行った。講演では、主に肉用牛、乳牛、養豚、養鶏、使用衛生管理基準等について総括的に説明された。畜産も動物の知識を活かせる職域にもなり得る。畜産の分野も教員が詳しく教えることができれば、動物看護師の職域を広げる機会にもなり、それに興味を持つ学生が増えるであろう。
同日には、同会場で、(一社)全国動物専門学校協会の「トリミング教員研修会」が開催され、「トリマー各検定」の改定について、トリミング選手権大会の競技要綱変更について説明があった。こちらも関係する専門学校の教員が参加し、変更点についての説明を熱心に聞いていた。
次回の動物看護研修は2017年11月3日(金・祝)に国際動物専門学校(東京)にて開催される予定。テーマは「動物看護師に必要な畜産学(仮)」で、今回のテーマに連動した研修となる。
第10回 日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会が開催される
2017/8/21
去る8月19日(土)、20日(日)、東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾートにおいて、第10回 日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会が開催された。腎泌尿器疾患の診断と治療―現在と未来―をテーマに、2日間にわたる講演および研究発表に約170名が参加し、充実したディスカッションを展開した。また、今回は第10回の記念大会であり、記念講演をされた長船健二先生、名誉会員である山根義久先生、安田隼先生、小野健一郎先生、本好茂一先生および顧問の大橋文人先生に感謝状が贈られた。大会の主なプログラムは以下の通り。
<19日>
●パネルディスカッション「CKDの治療薬―現在と未来―」
「ACEIとARB」竹村直行先生(日本獣医生命科学大学)、「ベラプロストナトリウム」竹中雅彦先生(竹中動物病院)、「 リン吸着剤と活性炭製剤」星史雄先生(北里大学)
●ランチョンセミナー
「体重と尿路を管理する療法食NVD WU体重&尿路ケアサポート―猫の下部尿路疾患:食事管理―」岡本徹氏(ブルーバッファロー・ジャパン(株))
●記念講演
「腎臓病とiPS細胞」長船健二先生(京都大学iPS細胞研究所)
<20日>
●パネルディスカッション「下部尿路腫瘍の診断―現在と未来―」
「下部尿路疾患の画像診断」秋吉秀保先生(大阪府立大学)、「下部尿路腫瘍の内視鏡検査」三品美夏先生(麻布大学)、「BRAF遺伝子変異検査」西村亮平先生(東京大学)
●ランチョンセミナー
「小動物の尿路感染症治療での今後の問題点」村田佳輝(むらた動物病院)
一般症例・研究発表
第37回 比較眼科学会年次大会 開催される
2017/7/29
2017年7月29日(土)、30日(日)の2日間にわたり、茨城・つくば国際会議場において、第37回 比較眼科学会年次大会が開催された。今回は「進化する再生医療と比較眼科学」をテーマに特別講演、教育講演、基礎部会講演、臨床部会シンポジウム、一般講演が行われた。
土曜日の特別講演では、国立生育医療研究センター 眼科・視覚科学研究室の東 範行先生による「iPS細胞およびES細胞からの視神経細胞の作製と展望」が行われ、再生医療が獣医眼科診療に何をもたらすか、そのヒントが解説された。
また、2日目の日曜日も、京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 発生システム制御分野の永樂元次先生による「細胞の自己組織化能を利用したin vitroでの機能的立体組織の構築」と題した基礎部会講演や、小笠原隆広氏((株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)による「角膜上皮細胞を用いた再生医療製品の開発」と題した教育講演などが行われた。合わせて、臨床部会シンポジウムでは、「専門医が教える眼科手術のコツ」と題し、5名の先生が各手術のポイントについて解説された。
200名近い参加者は2日間にわたり最新情報や臨床に直結する情報を得て、明日からの眼科診療に役立てられることであろう。
国際動物専門学校・大宮国際動物専門学校「国際★どうぶつ祭」 開催される
2017/7/23
2017年7月22日(土)、23日(日)、国際動物専門学校にて今年で12回目を数える「国際★どうぶつ祭」が開催された。
国際動物専門学校には、動物看護・理学療法学科、動物看護・栄養学科、美容・デザイン学科、自然環境・動物飼育学科、しつけ・トレーニング学科があるが、それぞれの学科の特性を活かしたプログラム「ワンコの身体検査&リハビリ!動物病院体験」「トレーナー犬ふれあい」「犬のデモンストレーション&トレーニング体験」「犬猫のバンダナ作り・迷子札作り」「ワンちゃんのおやつ作り」「ワンちゃんのファッションショー」などが学生たちの手により行われた。また、金魚・メダカすくい・オカヤドカリ釣り、小動物・小鳥や爬虫類などに触れるコーナー、手作り工作(貝殻アート)などもあり、来場者の楽しそうな様子がうかがえた。会場には、ペットを連れた方や、近所の親子、学生の父兄などさまざまな方が来場し、大きな賑わいをみせていた。
なお、同じ日程で大宮国際動物専門学校でも6回目となる「大宮国際★どうぶつ祭」が開催された。両校の総来場者数は3,315名であった。
一般社団法人 日本ペット栄養学会第19回(20周年記念)大会 開催される
2017/7/22
2017年7月23日(日)、東京大学農学部弥生講堂において、一般社団法人 日本ペット栄養学会第19回(20周年記念)大会が開催された。今回は20周年という節目の大会であり、2つのシンポジウム、基調講演、ランチョンセミナーおよび一般演題口頭発表が行われた。
午前中は第2会場の一般演題口頭発表と並行して、シンポジウム1「食欲と疾患」が行われ、嗜好性や行動異常との関連性、食欲調節因子に関する講演が行われた。
サプリメントをテーマとした2つの基調講演およびランチョンセミナーのあと、シンポジウム2「『ネコノミクス』におけるペット栄養学会の果たす役割」が行われ、猫の栄養学について腎臓病、糖尿病などの疾患との関連性、そして嗜好性などの講演が展開された。
節目の大会であり、近年の犬猫の栄養に関する情報ニーズの高まりと相まって、多くの参加者が熱意をもって聴講されていたのが印象的であった。
第17回日本獣医がん学会 開催
2017/7/3
2017年7月1日(土)、2日(日)、東京コンベンションホール(東京)にて、第17回日本獣医がん学会が開催された。参加者は815名であった。
初日午前中は、教育講演として「腫瘍のリンパ節転移に関する病理」鈴木 学 先生((株)サップス獣医外科病理センター)、「獣医療における獣医師の倫理とリスク」氏政雄揮先生((株)ブイエムスリー)、「抗がん剤曝露の危険性と有効な安全対策」中山季昭先生(埼玉県立小児医療センター薬剤部)が、午後にはシンポジウム「部位別アプローチ法を整理する2017」の「骨盤」(座長:生川幹洋先生〈三重動物医療センター〉)と、「胸部」(座長:高木 哲 先生〈北海道大学〉)が行われた。また2日目は、本大会のテーマである「消化器型リンパ腫」について、午前は「犬」(座長:佐藤敏彦先生〈さとう動物病院〉)、午後は「猫」(座長:呰上大吾先生〈日本獣医生命科学大学〉)に分け、メインシンポジウムが行われた。このメインシンポジウムは、アドバイザーに内田和幸先生(東京大学)を迎え、犬、猫それぞれで総合討論の時間が設けられ、外科適応や薬剤の使用方法などについて熱い議論が交わされた。
2日午後には第8回獣医腫瘍科認定医Ⅱ種試験および第8回獣医腫瘍科認定医Ⅰ種試験の認定証授与式があった。Ⅱ種の合格者は38名(合格率16.5%)、Ⅰ種合格者は3名(合格率は15.7%)であった。この結果を受けて認定委員長である藤田道郎先生は「試験が難化しているという声も聞こえたが、例年通りの試験内容である」ことを強調した。
2日午後のメインシンポジウムの前に、学会新会長に石田卓夫先生の再任が発表され、「世界に誇れる臨床研究を出していくこと、がんという科学をより進めることが使命である」と就任の挨拶をされた。任期は2年。2020年には日本獣医がん学会が日本で開催される世界大会のホストとなっており、新しい体制での運営が期待される。
次回第18回は、2018年1月27日(土)、28日(日)ホテルニューオータニ大阪で実施予定。メインシンポジウムのテーマは「脾臓の血管肉腫」である。
日本動物看護学会第26回大会 開催
2017/7/1
2017年7月1日(土)、2日(日)の2日間にわたり、ヤマザキ学園大学・南大沢キャンパス(東京)において、日本動物看護学会第26回大会が開催された。
本大会はテーマを「動物看護の歴史と将来展望」と題し、1日目には主催校企画講演として、RVTの草分けであり、カリフォルニア獣医師会RVS諮問委員会委員長であるCarol B Schumacher氏による「動物看護の歴史を振り返って」が、2日目には学会・主催校合同企画シンポジウムとして桜井富士朗先生(日本動物看護学会理事長)、佐々木伸雄先生(動物看護師統一認定機構機構長)、横田淳子氏(日本動物看護職協会会長)、山﨑 薫先生(学校法人ヤマザキ学園理事長)による「動物看護の将来展望」が行われた。このシンポジウムにおいては、桜井先生から動物看護職周辺をめぐり幅広い数多くの統計データが提示されるなど、動物看護師の現状と今後の課題について分析がなされた。
また、学会主催セミナー「50年後の動物看護学になにを遺すのか―動物看護師が研究に取り組む意義を考える―」神田鉄平先生(倉敷芸術科学大学)では、動物看護職が専門職として定着するには動物看護学の確立が不可欠であることが述べられ、動物看護学研究に必要な方法論等が具体的に解説された。
一般演題の表彰では、優秀賞に堀井隆行氏(ヤマザキ学園大学)「3Rsに基づくグルーミング教育が実習モデル犬に及ぼすストレス負荷の実態調査―ヤマザキ学園大学における事例―」(ポスター発表)、奨励賞に吉川和幸氏(酪農学園大学)「運動が制限された犬の体重管理に関する臨床的検討」(口頭発表)、黒瀬安寿加氏(倉敷芸術科学大学)「動物由来感染症予防及び環境衛生改善の視点に基づいた大学構内の野良猫対策―動物看護学が社会の問題解決へどのように関わるか―」(口頭発表)が選出された。
動物看護職の現在から将来に向けての課題と展望、それに取り組む粘り強い姿勢を感じる本大会であった。
平成29年度日本大学獣医学会・角笛会合同大会 開催される
2017/6/30
2017年6月24日(土)、日本大学生物資源科学部1号館において、平成29年度日本大学獣医学会・角笛会合同大会が開催された。日本大学獣医学会は今年で55回を迎え、亘 敏広会長(日本大学)、永田雅彦担当学会長(どうぶつの総合病院)のもと、一般演題および教育講演が行われた。
午前の部の一般演題10題の発表のあと、午後の部の教育講演では「沈黙の臓器、膵臓を知る」と題し、「膵臓の構造と機能」(安井 禎先生、日大獣医解剖学研究室)、「膵臓の病理」(近藤広孝先生、日大獣医病理学研究室)、「猫の膵炎」(坂井 学先生、日大獣医内科学研究室)、「犬の糖尿病の今 〜臨床獣医師が抑えておくべき項目〜」(難波信一先生、マーブル動物医療センター)、「膵臓腫瘍の治療」(関 真美子先生、日大獣医外科学研究室)の5講演が行われた。膵臓の機能から疾患・治療まで各30分のセミナー構成で、聴講者は最後まで熱心に耳を傾けていた。
当日は別会場にて、今年で2回目となる獣医師採用病院説明会が行われており、全国から39病院が参加。それぞれ個別相談ブースを設け、学生に対しプレゼンテーションを実施した。合同学会とあわせ1号館全体が獣医界の現状を体現している場であると思われた。
2017年にっぽん動物夜間救急カンファレンスTOKYO 開催
2017/6/15
2017年6月15日(木)、堀場製作所(東京・文京区)にて、「2017年 にっぽん動物夜間救急カンファレンスTOKYO」がTRVA夜間救急動物医療センター主催により開催された。
本カンファレンスは、夜間動物救急医療に携わる獣医師、スタッフの方たちの横のつながりを広めようと、2015年に新井 弦先生(DVMsどうぶつ医療センター横浜 救急診療センター)が発起人となり、中村篤史先生(TRVA夜間救急動物医療センター)、川瀬広大先生(札幌夜間動物病院)とともに立ち上げた集いである。当初はソーシャルネットワークを用い、夜間の救急医療の現場の先生たちが意見交換を行うなどし、学術的な情報のやりとりとともに、絆を深めてきた。SNSでの参加者の拡大にともない、また夜間救急医療の経営者サイドの集まりであるNANEHA(共同運営夜間救急動物病院連絡会)の声がけがあり、2016年には札幌で、そして今年は東京で、実際に救急医療の現場で奮闘される獣医師の先生方が集まり、熱いカンファレンスが展開された。
参加者は、日本全国のみならず海外にもおよんだ。
冒頭、発起人の新井 弦先生からの本カンファレンスの歴史や今後の展望についての話の後、腹腔内出血をテーマに「腹腔内出血@TRVA」塗木貴臣先生(TRVA夜間救急動物医療センター)、「腹腔内出血に対する救急治療~DVMsどうぶつ医療センター横浜の場合~」杉浦洋明先生(DVMsどうぶつ医療センター横浜 救急医療センター)、「札幌夜間動物病院における出血性ショック治療」川瀬広大先生(札幌夜間動物病院)、「腹腔内出血」神津善広先生(北摂夜間救急動物病院)の発表が行われた。続くパネルディスカッションでは、発表者と会場で質疑応答がかわされ、それぞれの救急医療の現場の情報を交換しあった。
パネルディスカッションの後は「腹腔内出血症例の麻酔・循環管理」を北海道大学の伊丹貴晴先生が、「手術動画より読み解く最速の脾臓摘出術」を日本動物高度医療センター 名古屋の古川敬之先生が、動画を用いて講演され、会場は理解を深めた。充実した内容に参加者たちが熱心にメモをとる姿が印象的であった。
SNSに代わる新しい場としての、本カンファレンス。来年は横浜で開催の予定。熱いカンファレンスが期待される。