小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

獣医臨床感染症研究会(VICA)第23回セミナー開催

2026年7月12日(日)、獣医臨床感染症研究会(VICA)の第23回セミナーが松研薬品工業株式会社(東京・小金井市)にて開催された。
 当日は総会に先立ち、同研究会会長の村田佳輝先生が、「犬のレプトスピラ症 日本型ワクチンの必要性―Leptospirosisの実態と感染対策・今後を考える―」と題して講演した。ヒトおよび動物におけるレプトスピラ症の発生状況や犬のレプトスピラ症について解説するとともに、むらた動物病院が所在する千葉県での実態を水害との関連や予防対策を交えて紹介した。
 続いて、同研究会役員の栗田吾郎先生が、「増加するSFTSの実態・対策」と題して講演した。日本、韓国、中国、ベトナムにおける重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発生状況を解説し、今後の課題として、One Healthの観点に基づくサーベイランス、動物医療現場における感染対策、高齢者や農林業従事者に対する曝露回避の注意喚起を推進することの重要性を示した。
 同研究会は、犬や猫などの伴侶動物における臨床感染症を研究し、当該研究分野の普遍化と先端化に貢献するとともに、伴侶動物の健康改善を通じて国民の健康的な暮らしに寄与することを目的に設立された。近年、SFTSをはじめとする感染症が問題視されるなか、正確な情報を求める獣医師の関心も高まっており、昨年のオンラインセミナーでは約1,000名が受講したという。 同研究会は今後もさらなる事業拡大を検討しており、さらなる活動の発展が期待される。


本研究会会長 村田先生

栗田先生の講演の様子

第34回日本獣医がん学会 開催

2026年7月4日(土)、5日(日)の2日間、第34回日本獣医がん学会がホテルニューオータニ(東京都千代田区)で開催された。
 初日は、総合教育講演(腫瘍の臨床診断と治療、全8科目/獣医腫瘍科認定医Ⅱ種講習会を兼ねる)をはじめ、画像診断シンポジウム、ESVONC(欧州獣医腫瘍学会)ダイジェスト、電気化学療法シンポジウム、Round U35、外科ドライラボ、一般口演などが行われた。2日目は、CE(卒後教育)モーニングセミナー「骨の腫瘍-Overview-」「犬の甲状腺・上皮小体腫瘍」のほか、「獣医がん研究の最先端」、教育講演(病理・放射線)、顕微鏡実習、研究助成発表などが実施された。
 今大会では、メインシンポジウム①「がん薬物療法 リンパ腫~CHOPで躓いた時にどうするか~」、メインシンポジウム②「外科療法 犬の肛門嚢アポクリン腺癌における腰下リンパ節転移に対するアプローチ」の2テーマが展開された。①では、犬の多中心型リンパ腫における導入プロトコルの変遷、レスキュー療法、各施設での対応について発表と総合討論が行われた。②では、腰下リンパ節群の画像診断、外科的治療、放射線治療をテーマに発表と討論が行われ、治療選択のあり方について意見が交わされた。
 また今大会から、新たに設置された「腫瘍科認定愛玩動物看護師制度」に伴う認定教育プログラムがスタートし、230名以上が受講した。さらに「オンライン100本セミナー」と題し、会員専用ページでの動画コンテンツの配信など、新たな取り組みも紹介された。企業協賛による特別講演も行われ、参加者は小動物腫瘍に関する最新知見への理解を深めた。
 なお、今大会プログラムは一部を除きオンライン配信される。第35回日本獣医がん学会は、2027年1月30日(土)、31日(日)にホテルニューオータニ大阪(大阪府)で開催予定。


メインシンポジウム「外科療法 犬の肛門嚢アポクリン腺癌における腰下リンパ節転移に対するアプローチ」の様子


表彰式の様子。写真は本学会前身である研究会から学会の歴代会長5名に対して、これまでの功績を称え「名誉会長」を授与した様子