小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

第39回動物臨床医学会年次大会 開催

 2018年11月16日(金)~18日(日)の3日間にわたり、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)において、第39回動物臨床医学会年次大会が開催された。今回も20会場にて多くの分科会のセミナーやパネルディスカッション、症例検討、一般口演などが行われ、多くの参加者が興味のあるセミナーを行き来する姿が見受けられた。
 今回は市民公開シンポジウムとして、「あなたとペット動物の災害対策-特にペットとの同行避難の為に-」が設けられたこと、また前回まで5階にあった企業展示会場が10階に移り、5階ではペット情報サイト「Sippo」の写真展が行われるなど、獣医療界をより現状に即した形にしていこうとする意識が感じられる大会であった。
 次回節目となる第40回記念大会は、2019年11月15日(金)~17日(日)、同じく大阪国際会議場にて開催予定。

会場の様子

第62回 比較統合医療学会学術大会 開催される

 2018年11月10日(土)、11日(日)の2日間にわたり、日本獣医生命科学大学・日本医科大学武蔵境校舎(東京)において、第62回 一般社団法人比較統合医療学会学術大会・第21回 日本補完代替医療学会学術集会が開催された。今回は「人間と動物の健康促進・未病改善をめざして」をテーマとして、獣医療と医療の双方から、漢方や栄養療法、多岐にわたる治療技術など、幅広い研究が紹介された。
特別講演として鳥巣至道先生(宮崎大学)「小動物消化器外科領域で用いている統合医療の現状と課題」、安川明男先生(西荻・上石神井動物病院)「The effect of Low Reactive-Level Laser Therapy (LLLT) with Helium-Neon Laser on Operative Wound Healing in a Rat model」ほか全8題、教育講演1題、一般講演は両日で37題におよび、さまざまな新知見や治療の試みが発表されていた。
一般社団法人比較統合医療学会学術大会は今年度まで年2回開催であったが、来年度から年1回としてさらなる内容の充実を図ることとなる。今後も、新しい獣医療の可能性を模索する場として展開することが期待される。

会場の様子

北海道小動物獣医師会年次大会2018 開催される

 2018年11月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり、北海道・ロイトン札幌において、北海道小動物獣医師会年次大会2018が開催された。第26回となる今回は、獣医師学術セミナーと動物看護師セミナーをメインに、獣医師・動物看護師合同セミナー、症例検討会、動物看護師発表会などが行われた。
 初日の獣医師学術セミナーでは、「開業医が知っておくべき眼科疾患の一次処置」と題し、都築圭子先生(東京大学)が、緊急の一次処置が必要な眼科症例、適切な一次処置で悪化を防げる眼科疾患を挙げ、専門病院に紹介する前に各動物病院で可能な処置のポイントを解説した。初日はこのセミナーを皮切りに計5講演が行われた。
 また、2日目には計7講演が行われ、動物看護師ランチョンセミナーでは、「高齢犬・猫のより良い生活応援のために!」と題し、佐野忠士先生(酪農学園大学)が“できる”看護として、食事と適度な運動、いたみの評価、薬剤やサプリメントの使用などを解説した。
 会場では約80社の企業ブースが立ち並び、震災の影響もなく、セミナーや展示からよりよい情報を得ようと、のべ450名を超える参加者が集まった。

会場の様子