2025年12月7日(日)、ちば愛犬動物フラワー学園にて日本獣医輸血研究会 第13回学術講習会が開催された。
 午前中は日本獣医輸血研究会の認定資格である「JSVTM認定輸血コーディネーター」の認定項目となる2つの講義が行われた。認定項目1は加藤真理子先生(日本獣医生命科学大学付属動物医療センター)の「血液製剤の種類と作製」、認定項目2は石田沙恵先生(苅谷動物病院グループ)の「血液製剤の取り扱いと保存」であった。また、並行してJSVTM認定輸血コーディネーター第4回試験が行われた。
 そして今回初めて、認定コーディネーター限定のセミナーが開催され、クローズドな環境で普段の輸血療法・献血にまつわる悩みの共有、疑問などをディスカッションする大変よい機会になった。
 午後は教育講演があり、瀬川和仁先生(せがわ動物病院)が「生理的な止血機構と検査」を、丸山治彦先生(日本大学)が「犬と猫の先天性止血異常症」を講演した。講演後は、参加者から活発な質疑応答があり、関心の高さが伺われた。
 最後にパネルディスカッション「緊急時の輸血、どうしてる?」が行われた。冒頭に、血液製剤確保の方法、適合試験、輸血療法を適応している疾患や症例の実際を、一次診療について菊田 基先生(浦安中央動物病院)が、二次診療について小島一輝先生(日本動物高度医療センター)が、夜間救急病院について塗木貴臣先生(TRVA動物医療センター)が説明した。その後、呰上大吾先生(東京農工大学)を座長に、普段の輸血療法適応時の流れやタスクフロー、緊急時はどうしているかについてディスカッションが展開された。
 対面参加者数は約40名で、愛玩動物看護師の参加者も多かった。
 本講習会のプログラムのすべてVETSCOPEにて12月15日(月)~翌年1月14日(水)まで視聴が可能である。
 


講義の様子