2023年4月1日(土)、東京ビックサイト(東京都)にて、ペットとの共生推進協議会の主催により「ペットとの共生推進シンポジウム」が開催された。
 本協議会は、犬や猫をはじめとするペットとともに暮らすことによる効果を、広く日本国内へ啓発することを目的に2010年11月に設立。その効果に関する情報の収集・分析・提供、および啓発に努める。
今回のシンポジウムでは、「すべてのペットと快適に暮らすポイントとは?」をテーマに、林 良博先生(東京大学)、柴内裕子先生(赤坂動物病院)、山﨑恵子先生((一社)アニマル・リテラシー総研)を迎え展開。ファシリテーターは本協議会の実行委員長の越村義雄氏が務め、「ペットへの健康配慮」、「ペットと暮らす魅力」、「ペットと長く暮らすためにペットの病気のサインをいかにとらえるか」について3名の先生が、それぞれの知見や経験をまじえ紹介。
 
 「近年は〈ペットは家族〉という飼い主が多いが、今一度、本当に〈家族〉となっているか見直すべきと思う……その動物種が本来暮らしていた気候や環境、歴史を慮ることが大切」、「動物が嫌いな人との円滑な関係を育むことも大切。衛生面からも散歩中のトイレは水や塩素で洗い流すだけでなく、これからはペットシーツを上手に活用していくべき」と“ペットシーツ運動”と謳いネクストアクションについても具体的に提案された柴内先生、「ペット(動物)と飼い主(人)が“お互い”にHappyでなければよい効果は生まれにくい」、「ペットロスは辛い経験です心に刺さった棘のよう…しかしその棘はやがて心と融合し丸くなり、優しさの糧となります」という山﨑先生は、“ノンバーバルコミュケーション”の素晴らしさや“スモールアニマル”への認知を深めることが大切と力説された。「地球上には人がつくり出した動物がいる……そうした動物に対して、人はもっと責任をもたなければならない」という林先生は、さらに「日本での犬の飼育頭数が減少していることを知ってもらいたい」と、かつて1,300万頭いた犬が現在は700万頭まで減少し、犬との暮らしが危機的に減少している状況であることへ警鐘をならした。
 この他フードの話、疾患の話など、ペットとのよりよい共生のための話は多岐におよび、会場に集った多くの飼い主たちは、時間がたつのを忘れ、登壇された各先生方の話に熱心に耳を傾けた。
 
 「世界では戦争や地域紛争があり、ペット平和に暮らすことが望めない人が多くいます」という赤津功一会長。これからもペットとの平和な暮らしに貢献していきたいと語った。今後も本協会の益々の活動が期待される。
「ペットとの共生推進協議会」の詳細は下記より。
https://pet-kyousei.info
 
 また、本シンポジウムは第12回「インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~」(2023年3月30日(木)~4月2日(日)開催/主催:(一社)ペットフード協会、(一社)日本ペット用品工業会、メッセフランクフルト ジャパン(株))中に実施された。
 

ディスカッション中の様子
 

ペットとの共生推進協議会 赤津功一会長。ペットとの平和な暮らしに今後も貢献していきたいと語る
 

本協議会の実行委員長の越村義雄氏。本シンポジウムでファシリテーターをつとめた
 

林 良博先生(東京大学)
 

柴内裕子先生(赤坂動物病院)
 

山﨑恵子先生((一社)アニマル・リテラシー総研)