2016年7月30日(土)、31日(日)の2日間にわたり、一般社団法人日本獣医眼科カンファランス2016年年次大会が開催された。初日は山の上ホテル(東京・御茶ノ水)において、限定特別セミナーが開催され、ミシガン州立大学准教授でアメリカおよびヨーロッパの獣医眼科専門医のAndras Komaromy先生が「緑内障による失明から守る最新アプローチ~遺伝子治療の可能性~」について講演された。緑内障の基礎から画像検査および機能検査、原発性開放隅角緑内障および閉塞隅角緑内障に関する遺伝学、細胞培養、前眼部および後眼部の遺伝子治療、幹細胞療法など多角的な観点から講演が展開された。

 2日目は、東京コンファレンスセンター(東京・品川)で実施され、一般演題からはじまり、シンポジウム「網膜と視覚に迫る」では、齋藤陽彦先生(トライアングル動物眼科診療室)座長のもと、「網膜電図と視覚」(前原誠也先生、酪農学園大学)、「ぶどう膜炎にみられる漿液性網膜剥離と視覚」(滝山直昭先生、日本大学)、「裂孔性網膜剥離のバリエーションと視覚」(若生晋輔先生、トライアングル動物眼科診療室)がそれぞれ解説された。総合討論でも、講演者3名がそれぞれの講演に質問を行い、フロアからも多くの質問が飛び交った。

 午後は、Andras Komaromy先生による網膜変性症の最新アップデートと題し、「突発性後天性網膜変性症候群-病態への新しい考え方とアプローチ」と「進行性網膜萎縮における最新治療-遺伝子治療の可能性」の2テーマが4時間以上にわたり講演された。

 梅雨明け後、最初の週末に開催された当会は、夏真っ盛りのなか2日間とも満席であった。

初日の様子

2日目の様子