2025年3月7日(金)、名古屋大学・東山キャンパス内のオークマホールにてOne Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点(COMIT)主催の2024年度シンポジウムが開催された。
COMITは、岐阜大学と名古屋大学の連携拠点支援事業の一つであり、医学、獣医学、薬学、工学等の研究を分野横断的に包括し、それぞれの境界を越えた「Sharing Medicine(人獣共通医療学)」の開拓および人と動物の創薬研究の変革を目的に活動する。
本シンポジウムではCOMITの研究紹介として、「局所免疫記憶の理解から導くアトピー性皮膚炎の再燃予防戦略」(朝比奈良太先生)、「大規模言語モデルを用いた医獣診療録言語の共通化」(龍岡久登先生)、「スマートインスリンデバイスの研究開発;『貼るだけで血糖コントロール』の実現を目指して」(菅波孝祥先生)の3講演が行われた。タイトルからもわかる通り非常に興味深い内容であり、聴講者は熱心に耳を傾け、質疑応答も活発に行われた。
また、特別講演として水野拓也先生(山口大学)の「動物のがんに対する新規治療法の開発とその苦悩〜弱小ラボが世界とどう戦っていくのか〜」が行われた。副所長を務める山口大学細胞デザイン医科学研究所(RICeD)や昨年正式稼働したどうぶつトランスレーショナルリサーチセンター(iCAT)での研究の一端を紹介しつつ、「どういった臨床獣医学研究をやるか?」「抗体薬とは」「動物用抗体薬開発の例」について解説された。人と犬の生物学的な類似性から自然発症モデルを多くデータベース化できる可能性がある獣医療が創薬および人医療への還元を可能にするとし、現在日本国内で3製品のみである動物用抗体薬について、日本発の犬のがん治療薬の開発を目指すと述べた。
本シンポジウムはオンライン配信され、ほか計10点のポスターセッションおよびライトニングトーク(ポスターセッションの内容を各自1 分間説明)、ネットワーキング(交流会)もあり、人獣共通の最新研究に触れることができる貴重な場であった。
COMITシンポジウム
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2024年度 One Medicine
創薬シーズ開発・育成研究教育拠点シンポジウム 開催
2025/3/7