2024年11月10日(日)、東京・新宿京王プラザホテルにてJAMLAS 日本獣医療倫理研究会 第27回研究会が開催された。白永伸行先生(シラナガ動物病院)が新会長に就任してから最初の研究会の開催とのことで、多くの参加者がつめかけた。
 今回は、はじめに「能登半島地震の緊急報告」と題し、石川県で動物病院を営む山口 潤先生(希望の丘どうぶつ病院)、新潟県で動物病院を営む水上浩一先生(こばり動物病院)が地震の被害の状況を報告した。両名ともに本研究会の会員であり、会からのお見舞金が非常に役立ったというコメントが印象的であった。
 次の講演では「動物病院でみられるハラスメント~実例から考える」と題し、獣医師である岡野顕子先生(Veterinary Career Lab SMILE)が、そして「動物病院における情報管理-持出しによる損害・持ち込みによる賠償-」と題し、弁護士である渡邉遼太郎先生(弁護士法人NEX)がそれぞれ動物病院で考えられる訴訟トラブルについて解説された。
 最後に「判例に学ぶ」と題し、春日秀文先生(春日法律事務所)の進行のもと、ある判例を用いての転医義務に関する解説およびディスカッションが行われた。転医は説明義務や医療水準、専門家とは何かなど、現在の小動物臨床の現場の問題を包括するテーマであると思われ、参加者からの質問も多く交わされた。医療水準は日々変わるものであり、臨床現場では最新の情報を日頃から入手する重要性を示す内容であった。


開会式の様子

講演の様子