2023年8月27日(日)、第20回日本動物リハビリテーション学会学術大会が、(学)ヤマザキ学園渋谷キャンパス2号館(東京)で、開催された。昨年までCOVID-19感染症を鑑みオンライン上での開催にとどめていた本大会の、3年ぶりの対面開催となった。
今大会では事前に参加者から症例を募集し「症例相談会」という形式をとり参加者たちがディスカッションにより解決策等を一緒に考える展開となった。
 事前に寄せられた多数の演題の中から、次の11の演題が取り上げられた。演題1 「『椎間板ヘルニア』:長期経過に対する内容」、演題2~4 「『胸腰部椎間板ヘルニア』『腰部脊髄疾患疑い』:目標・ゴール設定に関して、車椅子に関して」、演題5 「『壊死性白質脳炎、脳脊髄疾患、整形外科疾患』:後肢過剰伸展の抑制、車椅子上での立位保持など」、演題6、7 「『大腿骨頭切除』:患肢への負重訓練、活動性の低い動物に対して」、演題8 「『股関節形成不全(保存療法)』:症例に対するリハ」、演題9 「『膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂』:負重時の膝関節伸展及び屈曲困難に対する対応」、演題10 「『レーザー療法』:レーザー療法に関して」、演題11 「『前肢断脚』:義足関係」。
 発表者は、運動療法を中心としたリハビリテーションのゴールの具体的な定め方、術後の管理として追加すべき施術や禁忌の施術、水中トレッドミルの使用、筋力や平衡感覚トレーニング後の車椅子歩行、壊死性白質脳炎に対する運動療法の効果と注意点、義足の使用や義肢装具士との連携など、多岐にわたる課題について、日頃の疑問や不安の解決策を講師や他の参加者とともに探っていった。動物の心理を含めた包括的ケアに関する疑問や不安に対し、座長や当該分野に精通した先生方、そして会場からも積極的な意見や提案が出され、熱気あふれる1日となった。

 今大会は9月中旬から1ヵ月程度、オンデマンドでも配信予定。
 詳細は下記より。
【日本動物リハビリテーション学会(事務局)】
https://www.jaapr.jp/jimukyoku.html


本学会会長の小林孝之先生(アニマルクリニックこばやし)。開会の挨拶にて


会場の様子。演者、専門の先生方、参加者たちが積極的に意見を交わし、会場は熱気に溢れた


本学会副会長の柄本浩一先生(えのもと動物病院)。閉会の挨拶にて