2023年5月28日(日)、日本獣医生命科学大学において日本獣医輸血研究会第8回学術講習会および第57回小動物臨床血液研究会が開催された(見逃し配信期間:6月5日(月)〜7月2日(日))。今回は、日本獣医輸血研究会と、1993年に「小動物臨床における血液病学の発展と普及を目的」として発足した小動物臨床血液研究会とによる共催であり、このはじめての試みは両研究会にとって、また両研究会会員にとって意義深いものになったと思われる。
 
 また、前回同様、対面セミナーと見逃し配信によるハイブリッド形式で開催された。ようやくCOVID-19に対する懸念が弱まり、対面式のみの開催に踏み切る学会も増えるなかでの配信について、輸血研究会会長・内田恵子先生は、「東京の会場にどうしても足を運べない地方の先生や動物看護職の方が、参加できることをとても喜んでくださっている」とお話しくださった。
 
 セミナーは、日本獣医輸血研究会による「輸血副反応」(久末正晴先生、麻布大学)、「輸血に関連する院内システム」(鈴木裕子先生、Pet Clinic アニホス)をはじめ、小動物臨床血液研究会による「血が止まりません―どうする鑑別と治療」(高橋 雅先生、鹿児島大学)、「再生性貧血の原因には何がありますか?」(森下啓太郎先生、北海道大学)といった充実した講義に加え、輸血前に欠かすことのできないクロスマッチ検査についての手技を一つひとつ丁寧に解説する「クロスマッチ手技」(中村知尋愛玩動物看護師、日本小動物医療センター)、各病院で実際に行われているクロスマッチの方法を発表する「実践クロスマッチ!うちはこうしている」といった、参加者が誰でもすぐに検査できるようになることを念頭に企画された講演も見どころであった。
 
 当日は、昨年末に行われた第1回JSVTM認定輸血コーディネーター認定試験の合格者も発表された。今回、認定者は8名の獣医師、愛玩動物看護師であり、認定委員長の呰上大吾先生(東京農工大学)から、「皆さんとても優秀な成績でした」と素晴らしいお言葉が贈られた。
 
 配信による受講は7月2日まで可能。
 
【セミナー内容】
●日本獣医輸血研究会
1. 輸血副反応(認定プログラム7)
久末正晴(麻布大学)
2. 輸血に関連する院内システム(認定プログラム8)
鈴木裕子(Pet Clinic アニホス)
3. クロスマッチ手技(教育講演)
中村知尋(日本小動物医療センター)
4. 実践クロスマッチ!うちはこうしている(ワークショップ)
菊田 基(浦安中央動物病院)
長島 友美(苅谷動物病院グループ)
大塚 真子 (山陽動物医療センター)
座長: 荻野直孝(ALL動物病院 行徳)
 
●小動物臨床血液研究会
1. 血が止まりません―どうする鑑別と治療
高橋 雅(鹿児島大学)
2. 再生性貧血の原因には何がありますか?
森下啓太郎(北海道大学)
3. 赤血球の形態観察 再生性貧血の鑑別はほぼこれで完璧です
井手香織 (東京農工大学)
 
日本獣医輸血研究会HP  https://www.jsvtm.org/
小動物臨床血液研究会HP  https://dourinken.com/forum/ketsuken/
 

高橋 雅先生によるご講演の様子


 

第1回JSVTM認定輸血コーディネーター合格者の皆さんと、内田恵子先生、呰上大吾先生