小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

学会・セミナーレポート

第6回 Asian Meeting of Animal Medicine Specialties 開催

 2019年10月23日(水)〜25日(金)の3日間にわたり、中国・上海跨国采購会展中心(SHCEC)において、第6回 Asian Meeting of Animal Medicine Specialties(AMAMS)が開催された。

 本会は、アジア地域での獣医学分野の基礎知識や技術の向上および発展を目的に2年に1回開催されており、前回の韓国・大邱に続き、アジア獣医眼科(AiSVO/AiCVO)、アジア獣医皮膚科(AiSVD/AiCVD)、アジア獣医内科(AiSVIM/AiCVIM)、アジア獣医外科(AiSVS/AiCVS)の4分野で合同開催などのかたちで基調講演、一般口演、ポスター発表などが行われた。今回は24日に行われたAiSVO(アジア獣医眼科学会)関連の眼科セミナーを中心に報告する。

 まず、会場に入るとすべての参加者の対し荷物検査が実施されていた(なお、上海市内は地下鉄に乗る際なども入場口で毎回荷物検査が行われる)。また、会場への入退室も名札の下にあるQRコードを係の方がスマートフォンで読み込むことで管理・調査されていたことが印象的であった。

 23日のプレコングレスでは、ロイヤルカナンおよびカールストルツ主催のセミナーが本会場のカンファランスルームにて、SINGEN主催のセミナーが隣接するJWマリオットホテル上海チァンフェン パークにて行われた。とくに、SINGEN主催のセミナーでは「猫」をテーマに、猫の腎臓病や糖尿病、救急に関する講演が行われた。講演者として参加されていた石田卓夫先生(赤坂動物病院)に話をうかがうと、中国国内に約7,000万頭いるともいわれる猫に対し、中国の獣医師の先生方が猫の情報を知りたいと思うのは当然の流れであり、日本の立場から多くのアプローチが今後可能かつ必要であるとのことであった。

 講演者はすべて英語によるもので、中国語の同時通訳が入った。24日からはじまった展示会場では、内科、外科、皮膚科、眼科、画像診断と各ブロックに分かれ、展示はもちろん、会場内セミナーやポスターセッションなどが行われた。


荷物検査の様子(写真上)

展示会場の案内(同下)

講演会場の様子(同上)

プレコングレスの様子 (同下)

展示会場の様子

公益社団法人 日本動物病院協会(JAHA)年次大会2019 開催

 2019年10月14日(月・祝)にJAHA年次大会2019が東京大学弥生講堂一条ホール、弥生講堂アネックス他(東京・文京区)で開催された。
 あいにくの台風の接近により参加者の安全を優先し、今年は急遽1日のみの開催と日程変更があったものの、当日は熱意あふれる多くの参加者たちが集い、思い思いの会場へ足を運んだ。

 獣医師プログラム「JAHA流ラウンド」では、モデレーターに中村篤史先生(TRVA夜間救急動物医療センター)を迎え、「猫の救急:循環器科」岩永孝治先生(東京動物心臓病センター)、「歯科の救急」江口徳洋先生(Vets Dental & Oral Surgery Office)が発表された。各症例について、救急診療と専門獣医師そして会場の参加者が熱心に意見交換を行った。このほか西村亮平先生(東京大学)、賀川由美子先生(ノースラボ)、長谷往明先生(はせ動物病院)をアドバイザーに、東田周三先生(ベル動物病院)を座長に迎え「認定医を目指すための症例発表会」も実施された。

 動物看護師プログラムでは「動物看護師だからできること。がん治療を支えるための基礎知識」村上昭弘先生(葉山どうぶつ病院)、「糖尿病の基礎知識」金本英之先生(DVMsどうぶつ医療センター横浜)といった補講や「歯科学」樋口翔太先生(ひぐち動物病院・整形外科病院)など、動物看護師として知っておくべき知識について丁寧に紹介された。
 ホスピタルプログラムでは吉田 剛先生(よしだ動物病院)、木村真治先生(王禅寺ペットクリニック)、宮下ひろこ先生(アシスト・ヒューマンリレーションズ)をプレゼンターとして迎え「JAHA流TED×Business」を、続いてJ-Laboマネジメント研修専任講師である小川祐一先生をまねいての「動物病院のためのチーム力向上セミナー」が実施された。

 市民講座では「千葉県こども病院での調査研究」夏目百合子先生(赤坂動物病院)、「アニマルセラピーの効果検証報告~高齢者・セラピー犬そしてボランティアの方々への効果について~」熱田 靖氏(ユニ・チャーム(株))、「オキシトシンとコルチゾール測定」太田光明先生(東京農業大学)、「千葉県がんセンターでのアニマルセラピーの実際~ボランティア支援室での活動報告~」上加世田豊美氏(千葉県がんセンター)の発表が行われた。これらの発表では、セラピー犬がもたらす効果について、エビデンスに基づき紹介され、参加者は科学的な知見からもセラピー犬の活動意義について理解を深めた。このほか「ペットとの豊かな暮らしで知っておきたい:ここまでわかっている、犬・猫アレルギー」坂東由紀先生(北里大学メディカルセンター)、「子犬と子猫の幸せな未来を!こいぬこねこ教育アドバイザーからの提案」ではJAHA認定こいぬこねこ教育アドバイザーとボランティア犬も登壇し、本池俊仁先生(清澄白河アニマルクリニック)が講演、最後に「一緒に活動するってこんなに楽しい!~しつけ教室からCAPP活動で広がるなかま~」阿部容子先生(あべ動物病院)が発表された。

 昨年2018年にJAHA設立40周年を迎え、あらたな一歩を踏み出した2019年の年次大会。「今後もより魅力的な、そして精査されたプログラムを提供していきたい」とJAHA新会長の川田 睦会長は、来年2020年のJAHA年次大会に向けて意気込みを語った。


JAHA新会長の川田 睦先生


CAPPボランティア 感謝状贈呈式にて


市民講座の様子


JAHA流ラウンドの一場面

FASAVA-TOKYO 2019(第21回 日本臨床獣医学フォーラム 年次大会)開催

 2019年9月25日(水)~29日(日)にわたり、FASAVA-TOKYO 2019がホテルニューオータニ(東京・千代田区)で開催された。

第21回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会をFASAVA(Federation of Asian Small Animal Veterinary Associations:アジア小動物獣医師会連合会)として、公益社団法人 東京都獣医師会(TVMA)と一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムが主催にて開催。FASAVAはアジア・パシフィック各国の様々な獣医師団体が参加してつくられた国際的な学術団体で、毎年いずれかの加盟国で年次大会が開催される。2019年は、FASAVAに加盟している東京都獣医師会とJBVPが協力し実現させた。

JBVP年次大会で毎年開催している国内講師による日本語での講義に加え、国内外の講師による英語の講義を実施。展示会場も例年の2倍に拡大し、アジア各国からの参加者を暖かく迎え、獣医師・動物看護師・トリマー、そして市民向けのプログラムが展開され、7,000人を超える参加者たちは、思い思いの会場へ足を運んだ。

また、25日(水)にはFASAVA Pre-congressとして「Hill’s PREMIUM SEMINAR」が開催され、「犬猫の消化器疾患への新たなアプローチ、マイクロバイオーム」をテーマに講演・パネルディスカッションを開催。本セミナーも国内外から多くの参加者が足を運び、消化器疾患、マイクロバイオームの活用について理解を深めた。

次回2020年FASAVAはタイ(バンコク)で11月4~6日に実施される。
第22回 日本臨床獣医学フォーラム年次大会2020は2020年9月25~29日に、FASAVA-TOKYO 2019と同じホテルニューオータニ東京(東京都・千代田区)で開催。


ガラディナーの様子


29日(日)のCLOSING CEREMONYの様子


FASAVA-TOKYO 2019を支えた先生方が登壇され、名残惜しんだ。
次回2020年FASAVAはタイ(バンコク)で11月4~6日に実施される予定

第12回 日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会 開催される

 2019年8月25日(日)、品川フロントビルにおいて「ヒトと動物の共通する難治性腎疾患―CKDとしての多発性嚢胞腎」をテーマに第12回 日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会が開催され、約160名が参加した。開催にあたっては、学会顧問である山根義久先生からご挨拶があった。

 基調講演では、川崎医科大学の柏原直樹先生が「本邦の慢性腎臓病の現況、病態解析と治療の進歩」と題して、ヒトにおける健康寿命を阻害する要因のひとつとして考察されるCKDについて解説された。今後、人医療と獣医療の学術交流を通して双方の理解を深めていくことが期待できる講演だった。続いて、「日本におけるネコ多発性嚢胞腎の広がりとPKD1遺伝子変異」小林沙織先生(岩手大学)、「ネコ多発性嚢胞腎症例の管理と治療法」佐藤れえ子先生(岩手大学)が講演された他、日本ヒルズ・コルゲート株式会社協賛によるランチョンセミナーでは「注目されつつある身体診察項目 体重とマッスル・コンディション・スコア」竹村直行先生(日本獣医生命科学大学)および16題の一般症例・研究発表があった。いずれの講演・発表においても多岐にわたる質疑応答が繰り返され、講演者・質問者の間だけではなくフロアからも活発に意見が述べられる熱気に溢れた集会であった。

 また、先の第11回学術集会のアワード受賞者が今大会において表彰された。受賞演題・受賞者名は次の通り。【研究発表部門 優秀賞】「移行上皮癌のイヌに対する抗HER2療法のパイロットスタディ」酒居幸生先生(東京大学)、「犬の移行上皮癌におけるBRAF(V595E)遺伝子変異による細胞内シグナル伝達系の活性化」山﨑寛文先生(日本動物高度医療センター)、【症例報告部門 優秀賞】「幼齢期の尿道損傷を成長後に再建した雄猫の1症例」藤原昌雄先生(長崎どうぶつ病院)。

会場の様子