7月20日(水)、21日(木)の2日間にわたり、それぞれ第11回 HJS年次大会および第8回 スキンケアベストプラクティスが東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)で開催された。
 第11回 HJS年次大会は「ねこのひみつ」というテーマのもと、猫が隠しもっている様々なひみつについて情報を共有した。講演は、HJS代表の中島尚志先生の「猫の慢性便秘症」からはじまり、続いて原田 慶先生(日本小動物がんセンター)の「猫の口腔にひそむ扁平上皮癌」、小野 啓先生(パル動物病院)の「猫の目のひみつ」、鷹栖雅峰先生(那須野ケ原アニマルクリニック)の「遺伝子からひもとく猫の骨軟骨異形成症」、佐々木一益先生(袋原どうぶつクリニック、秋田県立循環器・脳脊髄センター 研究所脳血管研究センター)の「猫の痛み」、平田雅彦先生(IDEXX)の「猫の膵炎のひみつ」が行われた。そして最後に中島尚志先生の「閉会のあいさつ」で締めくくられた。
 講演前には各先生が猫への想いを語り、和やかな空気のなか講演はすすんだ。質疑応答も活発に行われ、機器の使用方法や診察時の工夫など様々な情報が共有された。
 翌日の第8回 スキンケアベストプラクティスは「皮膚科領域の激痒!激痛!」というテーマのもと、ヒト医療の知見を交えながら獣医療における皮膚疾患やかゆみについて多くの知識を共有した。講演は、高森建二先生(順天堂大学名誉教授・皮膚科特任教授)の「皮膚掻痒の最前線」、宮地良樹先生(静岡社会健康医学大学院大学学長・京都大学名誉教授)の「ヒトのかゆみと皮膚バリアの最前線(録画)」、佐々木一益先生の「犬の皮膚の疼痛と激痒へのアプローチ」、そして中島尚志先生の「犬の痒みとスキンケアの最前線」が行われた。
 前日に引き続き質疑応答が活発に行われ、また、今大会を通じ、今後の研究次第では現在ヒト医療でのみ使用されている製品や薬剤が獣医療においても使用可能となり、治療の選択肢が広がる、そのような可能性を感じる一日となった。
 また両日とも企業展示が10社ほど入り、少しずつオフラインでのセミナー開催がすすんでいる印象をうけた。
 両大会のアーカイブ配信公開期間は、2022年8月10日(水)22:00~8月24日(水)23:00まで。
 なお、両大会の指揮をとった中島尚志先生が代表を務めるHJSのセミナーが9月18日(日)に北海道での開催を予定している。

講演中の中島尚志先生(HJS代表)