2019年11月2日(土)、3日(日)の2日間にわたり、紅葉色めく北海道・ロイトン札幌において、北海道小動物獣医師会年次大会2019が開催された。令和となって初の開催となる27回目の本大会では、獣医師学術セミナーと動物看護師セミナーを柱に、症例検討会、動物看護師発表会、ランチョンセミナー、企業セミナーなどが行われた。

 初日は計7講演が行われ、獣医師ランチョンセミナーでは、「心原性肺水腫に対する治療戦略」と題し、川瀬広大先生(札幌夜間動物病院)が肺水腫の問題点に対し、ピモベンダンを含む薬物治療のポイントを解説された。また、動物看護師対象のランチョンセミナーでは、愛知県で動物介護専門ケア施設を運営する安部里梅先生(PET CARE HOME Lyuca)の「今すぐ実践!犬の介護で役立つ4つのテクニック」が行われ、老犬介護で経験する食事の問題を中心に解説された。

 2日目も計7講演が行われ、獣医師ランチョンセミナーでは、「5−ALA(5−アミノレブリン酸)の犬猫への応用:腎不全・脂質代謝異常への適用」と題し、後藤正光先生(菊水小さな動物病院)などが、5−ALAがもつ犬猫応用の可能性、たとえば脂質代謝異常、糖尿病、肥満、慢性腎不全などについて論文やデータを交えて解説された。

 本年3月から北海道小動物獣医師会新会長として、掛端健士先生(かけはた動物病院)が就任し、令和の新時代を新たな体制で突き進まんとする気概が見受けられた。約80の展示ブースが並び、会場内は2日間ともに熱気に包まれた。


掛端健士先生


会場の様子