2018年3月24日(土)・25日(日)の2日間にわたり、東京・品川プリンスホテルにて、日本小動物歯科研究会創立25周年記念講演・記念式典・懇親会および第26回症例検討会が開催された。1993年11月の発足から四半世紀が経ち、現在の会員数が700名に迫る規模の当会の記念講演として、初日の土曜日にはIra Luskin先生(ANIMAL DENTAL CENTER IN BALTIMORE、アメリカおよびヨーロッパ獣医歯科専門医)による「下顎骨骨折および猫の歯肉口内炎の診断と治療」が行われた。講演途中に何度か設けられた質疑応答ではどの時間も多くの質問が飛び交い、全体の講演時間が延長するほど熱気を帯びたものであった。
 2日目には症例検討会が行われ、午前、午後と合わせて19症例が紹介された。ランチョンセミナーでは小方頼昌先生(日本大学松戸歯学部歯周治療学講座)による「ヒトでのEMPなどの再生療法の進歩と現状」の講演が行われた。EMP(エナメルマトリックス蛋白)とは歯周病によって吸収された歯槽骨の歯周組織再生用材料のことで、人では多く使用されており、日本の臨床現場でも一部の動物病院で行われている。小方先生からは上記のものを含めた歯周組織再生療法の最新知見が解説された。
 会場の外では桜が満開の時期で、今後の獣医歯科学の発展も明るいものに感じられた。

初日の会場の様子