2024年11月2日(土)3日(日)にAP東京八重洲(東京都・中央区)にて、「(公社)日本動物病院協会(JAHA)年次大会2024」が開催された。
 今年の年次大会のテーマは「One Well-being~人と動物と自然にやさしい未来を目指して~」。獣医師プログラム、愛玩動物看護師プログラム、動物病院スタッフプログラム、ホスピタルプログラム、そしてCAPP/市民プログラムに分かれ展開された。また企業コラボ企画やオープンプログラムも実施され、参加者は思い思いの会場に足を運び、2日間かけて今年も大きな学びを得た。

 2日目には、今大会のテーマである「One Well-being」を主題とする大会基調講演としてJAHA理事を務める菊水健史先生(麻布大学)による「ご家族・地域・イヌのWell-Beingを支える獣医師、愛玩動物看護師の役割」、続いてJAHA会長を務める宗像俊太郎先生(あさか台どうぶつ医療センター)による「これからのJAHAが考えるOne Well-being:人と動物が一緒にどこにでも行ける社会へ」が実施され、多くの参加者が集った。宗像会長は、JAHAが考えるOne Well-beingの概念について紹介した。これまで37年間、約2万3,000回の訪問活動を無事故で成し遂げているCAPP活動および本活動を牽引されている柴内裕子先生、千葉陽子先生(赤坂動物病院)、ボランティアとして貢献されている飼い主家族やボランティア犬や猫の活躍をたたえた。またシニア世代が動物とともに幸せにくらす人生のため、麻布大学と相模原市獣医師会と相模原市とJAHAが共同で、高齢になっても安心して動物と過ごせるようにするための卒後教育を行う動物シェルターを立ち上げる構想も紹介された。

 天候不良により交通機関へ大きな影響が出るなか、参加者は初日から400名にのぼった。
今後もJAHAの活動が期待される。
本協会の詳細は下記からも閲覧可。
https://www.jaha.or.jp/


CAPP/市民プログラムで紹介された「ドッグダンス~花は咲く~」にて、柴内裕子先生・千葉陽子先生(赤坂動物病院)、参加者の皆さん。
本プログラムでは「精神医療センターでの活動」(長谷部美知子氏、埼玉県立精神医療センター)、「高齢者施設での活動報告」(大林杏子先生、KOKOどうぶつ病院)、「リハビリテーションカレッジ島根での授業報告」(新山則子先生、ごんた動物病院)、「付添犬ハンドラーからの活動報告」(畔柳郁子氏、CAPP認定パートナーズ)のCAPP活動報告やCAPPボランティア表彰、そして虹の橋をわたったボランティア犬をしのぶ「CAPP活動動物メモリアルスライドショー」が行われた。また「『愛されキャラ』に育てよう! 愛犬と最高の関係づくりができるドッグスポーツのススメ」(森山知加子先生、JAHA認定家庭犬しつけインストラクター)、「子犬と子猫に幸せな未来を! こいぬこねこ教育アドバイザーからの提案」(寺町光成先生、寺町動物病院)の講演が実施された


大会基調講演。JAHA会長の宗像先生、JAHA理事の菊水先生が登壇。会場には多くの参加者が集った。「JAHAは今後も人と動物の共生社会に向けて活動して参ります。子どもからシニアまで動物と暮らすことによるよい効果を社会共有し、自分たちの次の世代へ素晴らしい未来を残すためよい循環を育む一助となれればと願っています。」と宗像会長はいう


獣医師プログラムは、「JAHA流ラウンド 没入体験型症例検討会:この症状を呈する症例の診断、治療はどうやって進めていけば良いのか?」と題し初日の午前は内科疾患、午後は整形外科疾患の症例を取り上げた。ファシリテーター・講師(症例提供者)・回答者・会場による熱いデスカッションが行われ、まさに没入型の症例検討が展開された。また「認定医を目指すための症例発表会」、そして今大会でも石田卓夫先生(赤坂動物病院)による「症例発表スキルアップセミナー」が実施され、スライドづくりから発表時の目線にいたるまで言及され、参加者たちは熱心に耳を傾けた


愛玩動物看護師プログラムでは、初日は「ヒト医療現場の看護師さん・臨床検査技師さんから学ぶ」(金井 望氏、大学病院勤務看護師/小野澤裕也先生、麻布大学)の講義が実施され、2日目は「緊急疾患・救急対応」(塗木貴臣先生、TRVA動物医療センター)の講義が実施された。写真は「緊急疾患・救急対応」の講義の様子