2023年7月16日(日)13時から、東京・品川フロントビル会議室にて「キヤノンユーザーのための画像診断セミナー VET’S SUMMER CAMP 2023 東京」が開催された。本セミナーは関東および関東近県のキヤノン装置ユーザーの先生方を対象とした限定セミナーであり、今回は超音波診断をテーマに「newプロトコル!腹部・心臓・救急・運動器のエコー検査」と題し、開催された。
「腹部」では、小野 晋先生((株)スカイベッツ)、「心臓」では竹村直行先生(日本獣医生命科学大学)、「救急」では塗木貴臣先生(TRVA夜間救急動物医療センター)、「運動器」では枝村一弥先生(日本大学)と、日本でも著名な専門家が一堂に会し、各分野における超音波診断の基礎を中心に解説が展開した。
 まず、「腹部」では、小野 晋先生による「肝臓エコーの基本断面と診断のポイント:プロトコルアシスタントの活用」が行われ、とくに肝臓に焦点を当て、超音波検査における基本断面、血管解剖および異常所見について、キヤノン機器に搭載されているプロトコルアシスタントに触れながら解説された。
 つぎに「心臓」では、竹村直行先生による「最低でも知っておきたい心エコー図像と考え方」が行われ、とくに心臓の左房サイズに特化した内容を解説された。左房拡大についてはLA/Aoではなく左房内径のほうを重視すべきであるとし、心エコー図像での左房内径の測定法および評価方法、それに加えて犬におけるX線画像を活用した評価方法について解説された。
休憩をはさみ、「救急」では、塗木貴臣先生による「緊急患者を見逃さない!救急エコーのきほんのき」が行われ、「命を救う」ことを第一とした救急時のエコー検査について、とくに肺エコーの意義と評価方法、そしてFASTの目的と方法についてわかりやすく解説された。
 最後に「運動器」では、枝村一弥先生による「運動器超音波検査の基礎」が行われ、整形外科疾患に対するエコー検査のメリット、各部位における正常所見および異常所見をプロトコルアシスタントの画像を紹介しながらそれぞれ解説された。
 気温が40℃にせまる猛暑のなか、多くの先生方が集まり、各分野における専門家による超音波の解説に熱心に耳を傾けていた。各講演後には質疑応答も行われ、オフラインならではの活発な意見交換が行われた。会場後方には、プロトコルアシスタントを搭載した機器などが並び、その機器についても熱心に質問をする参加者の姿が印象的であった。

会場の様子