2023年6月24日(土)、25日(日)、獣医神経病学会2023が日本大学湘南キャンパス2号館において開催された。今大会は第48回であるとともに30周年記念大会でもあり、新型コロナウイルス感染拡大後、開催中止からオンライン開催を経て、約3年ぶりに会場開催された大会でもある。参加者は会員を中心に約160名、16社の企業協賛があり、当日も11社の企業展示であった。
 2日間とも午前中にTexas A&M UniversityのProfessor Nicholas D. Jefferyが「胸腰部椎間板ヘルニア」をテーマに、1日目は「減圧術のタイミング」、2日目には「ヘルニア後の硬膜切開の効果」について解説された。
 さらに両日とも教育講演、内科系と外科系の一般演題も講演された。COVID-19が5類感染症扱いとなってからの会場開催ということもあり、参加者同士が熱心に意見交換を行って知見を広め深める大会となった。

教育講演と一般演題のプログラムは以下のとおり。
教育講演2題:
「神経超音波Neurosonologyの獣医学領域における可能性」笹岡一慶先生
「犬と猫の認知機能不全症候群」小澤真希子先生
一般演題10題:
「急性進行性の対麻痺/対不全麻痺を発症し、起源不明の髄膜脳脊髄炎と臨床診断した犬6例」左 享祐先生、「食欲不振および疼痛を認めた犬の特発性肥厚性硬膜炎の1例」金城綾二先生、「脊髄歩行を達成できた第11-13胸椎領域に重度脊髄損傷を負った犬1例ーヒト理学療法戦略の獣医療への活用ー」吉川和幸先生、「脳梁離断術を実施した薬剤抵抗性てんかんの犬猫の追跡調査」浅田李佳子先生、「小脳ヘルニアで呼吸停止してから手術した猫の3症例」安部欣博先生、「MRIで手術困難な頭蓋底髄膜腫と診断された犬において放射線治療も実施しなかった場合の予後に関する回顧的調査」田村慎司先生、「グルテン除去食の給餌によって改善を認めた犬の発作性ジスキネジアの1例」松尾芽衣先生、「長期生存しているネコX連鎖筋ジストロフィーの1例ー新規DMD遺伝子バリアントの同定ー」武藤陽信先生、「MRI検査にて脊髄くも膜憩室内の脳脊髄液の流れを評価した犬の1例」野池 聡先生、「小脳虫部背側の髄膜腫に対して脳外科手術前のMR-3D-phase contrast法が有用であった犬の1例」大島綾華先生

獣医神経病学会ホームページ https://shinkei.com/

会場となった日本大学湘南キャンパス2号館

講演の様子