2023年3月の約1ヵ月にわたり、全国5会場にて日本臨床獣医学フォーラム地区大会2023が開催された。COVID-19感染症の影響により近年オンライン開催が行われていた本大会も2023年は対面形式での開催となり、3月5日(日)の京都・東北(仙台)を皮切りに、19日(日)の九州(福岡)、26日(日)の北海道(札幌)・名古屋にてそれぞれ実施された。
内容については各会場ともに獣医師継続教育プログラム、愛玩動物看護師およびアニマルケアスタッフ(ACS)セミナー、獣医師および愛玩動物看護師、アニマルケアスタッフ対象のランチョンセミナーなどが行われた。各会場ともに著名な先生が講師として登壇、また展示企業も多く参加し、セミナーの合間には展示会場も多くの参加者でにぎわった。
なお、本大会の新しい試みとして、1会場の申込で最大3会場の参加が可能であった。ある参加者は別の会場で申し込んだが、ちょうど家族旅行で近くにいたので1コマだけ聴講しにきたとのこと。これも全国で展開する本大会ならではのシステムといえよう。
参加者数は以下の通り(JBVP正式発表より)
京都 獣医師 50名、動物看護職者 22名、その他23名
東北 獣医師 165名、動物看護職者 195名、その他143名
九州 獣医師 152名、動物看護職者 133名、その他133名
北海道 獣医師 112名、動物看護職者 113名、その他76名
名古屋 獣医師 86名、動物看護職者 29名、その他73名
JBVP会長の竹村直行先生は「オンラインはもちろん有用ではあるが、対面の臨場感や緊張感を味わいながらの学習はとても有意義なものであると考えている。臨床現場での知識やスキルの向上につなげてほしい」とのこと。
翌月4月1日(土)~6月30日(金)には、本大会の一環としてオンライン合同地区大会が開催。「消化器祭り」と題し、5会場でのプログラムとは別に、新たに23の消化器プログラム、計25のプログラムを配信。オンラインと会場開催をそれぞれ独立して実施することで、より多くの方の学習機会を提供しようとする意気込みが感じられる。
本年7月の大阪でのWJVF、9月の東京でのJBVP年次大会は会場開催のみとのことであり、COVID-19感染症の影響前の状況にすぐに戻ることは難しいかもしれないが、それでも本会の2023年における地区大会の会場開催はターニングポイントとして大きな一歩であったと感じる。不可逆的に変化した卒後教育の在り方をリードしていく本会の動向がこれからも気になるところである。