2023年3月17日(金)、農林水産省三番町共用会議所にて、第2回獣医事審議会免許部会・中央環境審議会動物愛護部会愛玩動物看護師小委員会の合同会合が開催された。
 本会合では、愛玩動物看護師資格制度がその法の目的の達成に資するよう、その免許の付与および行政処分を適切に実施して愛玩動物看護師に対する信頼性を確保し、獣医療分野及び動物愛護・適正飼養分野両方の側面より、愛玩動物看護師制度を広く普及していくため、審議が行われる。
 本会合は西村亮平委員(東京大学)を座長とし、公益社団法人日本獣医師会、一般社団法人日本動物看護職協会、大学、弁護士、消費者団体などの代表で構成され、全9名の有識者からなる。事務局は農林水産省および環境省となっている。
 第2回会合では第1回での「愛玩動物看護師の免許付与手続き」に続き、「愛玩動物看護師の行政処分の考え方(案)」の審議が行われた。審議の中で、行政処分の程度を①その事案の重大性、②愛玩動物看護師に求められる職業倫理、③愛玩動物看護師の業務に関連して国民や社会に与える影響等に応じて判断すべきとされた。また、愛玩動物看護師の独占業務である「診療の補助」については、獣医師法第17条に規定する診療の一部であり、その業務は獣医師との緊密な連携の下に行われることから、愛玩動物看護師に対する行政処分に関する判断基準は、「獣医師に対する行政処分に関する基本的な考え方」(平成27年10月30日付獣医事審議会免許部会)を基本とすべきであるとされ、座長が事務局案の一部文言を修正することで「愛玩動物看護師に対する行政処分に関する基本的な考え方」が了承された。
愛玩動物看護師の免許付与手続きと行政処分に関する基本的な考え方が取りまとめられたことから、これらに基づき愛玩動物看護師国家試験合格者の名簿登録と免許交付がすすめられることとなる。
 その後、中山裕之委員(東京大学名誉教授)から、第1回愛玩動物看護師国家試験の実施状況について報告があり、山﨑 薫委員(ヤマザキ学園理事長)及び横田淳子委員(一般社団法人日本動物看護職協会会長)から、心配されていた天候の影響もなく安堵した旨のコメントがあった。
 また、事務局から、環境省が実施した「愛玩動物看護師法附帯決議に係る実態調査」についての報告があり、現在結果をまとめているところで、その後に評価・分析予定であるとの説明があった。
 さらに、事務局から、「獣医療現場における愛玩動物看護師の職責・役割」について、わかりやすいイメージ図を用いた説明があり、西村座長より、今後実際に愛玩動物看護師が活躍する動物病院の状況も踏まえて、本会合で検討していく旨発言があった。
 最後に西村座長より、本会合では来年度も継続して愛玩動物看護師制度のあり方などを検討していくとの発言があり、閉会となった。

第2回合同会合の様子(農林水産省三番町会議所にて)