24時間診療の救急動物病院として、今年(2022年)6月1日に、横浜動物救急診療センター(VECCS Yokohama)が開業した。京浜急行線の黄金町駅から徒歩30秒にある当センターでは、開業に先立ち、5月30日と31日に内覧会が開催された。
「救急対応をすべてワンフロアで行いたい」という当センター院長の杉浦洋明先生の考えのもと、来院した患者はすぐに処置できるよう、センター入口とエマージェンシーエリアの導線を短縮し、さらにX線検査室、超音波検査室、手術室、ICU、入院室など、当センターの入るワンフロアにその救急救命の機材類が集約され、フロアの中央に立てば、センター内での救急対応の状況が即座にわかる配置となっている。また超音波検査装置は画質が良いだけでなく素早い移動が可能な機種を選ぶなど、救急時の迅速で確実な対応を可能とする工夫が随所に施されていた。いっぽうで、3つある診療室のうちの1つは同フロア内で独立し、センター玄関から直接行き来することができる。悲しい結末を迎えた愛犬愛猫とその飼い主が、待合室の他の飼い主と遭遇しにくいように配慮されたつくりとなっていた。
会計はセルフレジを導入することでオペレーションを省力化し、金銭受け渡しにまつわるトラブルを回避するとともにスタッフが動物の診療・看護に専念できるよう意識している。
当センターは、かかりつけ動物病院の休診日や夜間の無獣医時間をカバーする「救急に特化した病院」をコンセプトとし、ワクチンや避妊・去勢手術、予防業務、ペットホテル、トリミング、フードの販売は行わない。症例の容態によっては緊急手術や数日間の入院管理を行うこともあるが診療終了時には詳細な診療記録を飼い主に渡し、かかりつけ動物病院でスムーズに継続治療ができるように飼い主へしっかりと案内もするという。
「横浜の小動物救急体制を少しでも支えられるように、日本の救急獣医療に少しでも貢献できるように努めたい」と杉浦院長。
詳細は横浜動物救急診療センターまで。
TEL045-341-0856 https://veccs-yokohama.jp
当センター入口。青色をポイントにしたロゴは、
「緊急時にも冷静に」を意識したデザイン。
センター内も青を基調としている
手前のエマージェンシーエリアはカーテンで仕切ることができる。
フロア中央に配置された青い棚(写真奥)を起点に
スタッフが動くことにより、救急対応の進行状況を素早く
把握できる
シート内のQRコードを通して、かかりつけ動物病院に登録をいただくと、
救急対応後、血液検査結果などの文字データを送付。
かかりつけ動物病院での継続治療の充実を図る