昨年度につづきオンラインにて合同地区大会として開催された「日本臨床獣医学フォーラム 春の合同地区大会」。先行で無料公開された竹村直行会長(日本獣医生命科学大学)の「竹村道場」をはじめ、「春のホルモン祭り」「春の外科祭り」「春の尿石祭り」など、楽しい雰囲気が伝わるタイトルが並ぶ。
たとえば「春のホルモン祭り」では、「膵炎診断のためのエコー:「膵臓を出す」は入口に過ぎない」(中村健介先生、北海道大学)、「雌雄生殖器に関連した疾患」(山﨑真大先生、岩手大学)、「犬のクッシングの診断治療・最新情報」(西飯直仁先生、岐阜大学)、「CKDの新しい治療指標としてのFGF-23」(宮川優一先生、日本獣医生命科学大学)、「犬と猫の副甲状腺疾患」(石田卓夫先生、JBVP名誉会長、赤坂動物病院)、「猫の甲状腺機能亢進症」(佐藤雅彦先生、どうぶつの総合病院 専門医療&救急センター)、「猫の糖尿病」(松木直章先生、まつき動物病院)と、そのカテゴリー名に偽りない充実したセミナーの数々が用意された。
また、来年春に迫った愛玩動物看護師の国家資格試験に向けたコンテンツ「愛玩動物看護師国家資格の情報」では、左向敏紀先生(日本獣医生命科学大学 名誉教授)が、日々少しずつ情報が更新される現状を踏まえ、「今わかっていること」をわかりやすく解説された。
各地区のフォーラムが企画したコンテンツもまた充実したラインナップが揃った。獣医師向けコンテンツの1つ、「胸部X線読影フラッシュカード道場」(柿崎竹彦先生、北里大学)は、まずは基本となる正常な状態のX線画像はどういったものか、その基本画像と異常のある画像をフラッシュカードのように交互に見比べることで、どこがどのようにちがうのかを、視聴者がその場で見極められるようになる工夫がなされた内容であった。
動物看護師向けでは、「食欲不振動物の栄養管理」(鳥巣至道先生・佐野忠士先生、酪農学園大学)といった動物看護の基礎〜応用を網羅したセミナーをはじめ、「知って得する眼のお話,あなたの眼科知識をアップデート-基本的な解剖から臨床的な疾患まで-」(藤井裕介先生、上杉動物眼科クリニック)、「動物看護師に必要な会話力 -ご家族との会話がみんなを幸せにする-」(吉田祐樹先生、まつおか動物病院)、「スタッフの知っておくべき「なんとなく」ではないペットロスの知識」(木村祐哉先生、ヤマザキ動物看護大学)といった、ここでしかきくことのできない講演が用意された。
学会のオンライン開催に主催者側も参加者側も慣れ、それぞれの工夫や楽しみ方がますます広がっているように感じられた今大会。リアルであれオンラインであれ、学会がこのように自由で楽しい発想にあふれた場所であることを再認識された先生方も多いのではないだろうか。
つづく「WJVF ONLINE第13回大会」は 7月8日~ 8月14日、オンラインにて開催予定(https://www.jbvp.org/wjvf/)。
「日本臨床獣医学フォーラム 第24回 年次大会 2022」は、9月22日~12月9日、オンラインにて開催予定(https://www.jbvp.org/forum/)。
会員登録しなくても、誰でもみられる無料コンテンツとして公開された春の竹村道場「其の壱―CKDの特に診断について―」の様子
動物看護師向けセミナー「食欲不振動物の栄養管理」(鳥巣至道先生・佐野忠士先生、酪農学園大学)の様子