2015年5月14日(木)、東京大学弥生キャンパス 中島薫一郎記念ホール(東京都・文京区)にて第1回日本動物行動研究会総会が行われた。伴侶動物の問題行動や行動診療の発展に長く寄与してきた獣医動物行動学研究会であるが会発足から10年以上たち、認定医制度がスタートしたことや、今後は海外も視野に入れた、より積極的な活動実施を目指し「日本獣医動物行動研究会」と名前も新たに研究会をリニューアルした。

 第1回目の総会では、各役員が選出され、会長には武内ゆかり先生(東京大学)、事務局長に南 佳子先生(みなみ動物病院)が選出された。また実践教育委員会、卒後教育委員会、認定医試験委員会から本年度の事業計画が説明され、2015年の積極的な活動が期待できるものであった。

 総会に先立って実施された教育セミナーでは、「行動治療の進め方」(南 佳子先生、みなみ動物病院)、「犬における問題行動と身体疾患の関連」(水越美奈先生、日本獣医生命科学大学動物医療センター行動治療科)、「犬の問題行動症例におけるMRI・脳波測定の有用性」(荒田明香先生、ACプラザ苅谷動物病院・東京大学動物医療センター行動診療科)、「猫の不適切な排泄に関するガイドライン」(藤井仁美先生、GREEN DOG代官山動物病院獣医行動診療科)による発表があり、行動学診療の総論や犬や猫に関する個別のケースをとり上げたセミナーに、会場は、日本における獣医動物行動学の研究に関する理解を深めた。また総会後の懇親会では、新たなスタートに会員の先生方が親睦を深めた。

 本研究会はすでに会員限定のE-mailによる個人症例相談を行っているが、加えて、実践力強化を目的とした症例検討会を9月、12月に予定している。
 研究会の詳細についてはhttp://vbm.jp/ を確認。

総会にて武内ゆかり会長(右)と、南 佳子事務局長(左)