2025年2~3月にかけ、全国5会場にて日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)地区大会2025が開催された。2月23日(日)の福岡・九州地区大会からはじまり、3月2日(日)の宮城・東北地区大会および愛知・名古屋地区大会、16日(日)の京都地区大会、そして30日(日)には北海道地区大会が開催された。各会場とも獣医師継続教育プログラム、愛玩動物看護師およびアニマル・ケア・スタッフ(VNCA/ACS)セミナー、ランチョンセミナーが行われた。今回は地区大会最終会場となった北海道地区大会の様子を主に紹介する。
 本大会は札幌市内の札幌コンベンションセンターにて開催され、獣医師・愛玩動物看護師、アニマル・ケア・スタッフいずれのセミナーも「救急」をテーマにプログラムが組まれた。
 獣医師セミナーは5つのプログラム、「血糖値関連EMERGENCY-救うために理解しておくべき80分!-」(塗木貴臣先生、TRVA動物医療センター)、「救急対応リアル講座 痙攣が来た! さぁ,どう対応する!?」(川瀬広大先生、札幌夜間動物病院)、「誰でもできる!これがFASTのリアルな活かし方-最速で救命するために!-」(塗木先生)、「消化管閉塞に挑む-食道から結腸までの消化器外科-」(手塚 光先生、TRVA動物医療センター)のほか、竹村直行先生(JBVP会長・日本獣医生命科学大学)のランチョンセミナー「知らないとヤバイ不整脈の特徴と対処法」が行われた。
また獣医師セミナーと並行してVNCA/ACSセミナーも同じく5つのプログラムが実施され、手塚 光先生によるランチョンセミナー[協賛:(株)V and P]「器械出しだけがオペ看の仕事じゃない!消化器外科手術の流れとサポートポイント」や川瀬先生・小野 結先生による「救急対応リアル講座-異物・中毒誤飲が来た!さぁ、どう対応する!?-」[プログラム協賛:物産アニマルヘルス(株)]などが行われた。
当日午前中は降雪もあったが、約300名の獣医師・VNCA/ACSが会場に足をはこび、臨床現場でおこり得る救急対応について、プロフェッショナルによる講座に耳を傾けていた。
 JBVP地区大会の開催は北海道大会が最終であるが、4月1日(火)~6月30日(月)には合同地区大会としてオンラインプログラム「春の血祭り」がWeb配信されている。本プログラムは会場開催プログラムの収録配信ではなく、独立した内容になっている。また、7月26日(土)、27日(日)には大阪にてWJVFが開催される予定である。
JBVPは1998年の設立以来27年が経つ。常に獣医療や社会状況のニーズに応える講座や企画を打ち出している。そして9月27日(土)、28日(日)には、東京において年次大会が予定されている。


北海道地区大会会場内の様子


会場となった札幌コンベンションセンター、開催当日午前中は降雪があった


九州地区大会の講演の様子


東北地区大会の講演の様子


名古屋地区大会の講演の様子


京都地区大会の展示会場の様子