2025年1月9日(木)、岐阜大学と名古屋大学を運営する東海国立大学機構(THERS)と日本全薬工業(株)がOne Medicineによる創薬・先端医療研究の革新およびSharing Medicine(人獣共通医療学)の実現を加速させることを目的に包括連携協定を締結するとして、その締結式が岐阜大学にて実施された。
THERSは、岐阜大学と名古屋大学という2つの国立大学同士が県をまたいで統合した全国初の一法人複数大学制度による国立大学法人であり、現在、連携拠点支援事業としてOne Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点(COMIT)を展開している。COMITは、One Medicineの考えのもと、分野横断的に連携可能な国立大学法人の強みを活かし、医学と獣医学を包括する「Sharing Medicine」の分野を開拓することを目的に活動する拠点であり、動物用医薬品市場のリーディングカンパニーであり、全国に幅広い販売網を有する日本全薬工業(株)と連携することで、高度な研究成果や最先端情報を国内外のネットワークを通じて広く発信する体制を目指したものだといえる。
協定内容は、①双方の研究成果の社会的活用、②個別の共同研究や受託研究その他具体的な取り組みおよび連携事業の実施、③最新の研究成果や社会的課題に関する情報交換、④上記の事項のうち、とくにSharing Medicine分野に関する社会実装に向けた取り組み、の4つが主なものとなる。
そのなかで、日本全薬工業(株)代表取締役社長の福井寿一氏は「動物業界はダイナミックに変化しており、今回の提携によって高度な研究成果、そのシーズを獲得し、事業性の高い製品を開発供給することで小動物臨床の現場にも貢献できる活動ができると考えている。国内製薬メーカーとして中長期的な視点をもって優れた製品を日本および世界に供給できるよう努めていきたい」と述べた。
全国の小動物の臨床現場にとってもその変化が実感できる取り組みとなるか、今後の動きが注目される。
締結式での日本全薬工業(株)の福井寿一社長(左)とTHERSの松尾清一機構長(右)