昨年2020年は新型コロナウイルス感染症の影響により中止を余儀なくされた動物看護大会。今年はオンデマンド配信とし、10月11日~10月24日(後に好評につき11月7日まで延長)にて開催が実現した。

 今回の大会は、『愛玩動物看護師 明日への一歩 ~最新情報とスキルアップ~』というテーマのとおり、実施が2年後(令和5年)に迫る愛玩動物看護師の国家試験に向けたセミナーが多くを占めた。横田淳子日本動物看護職協会会長による「めざせ、愛玩動物看護師 ~愛玩動物看護師法の最新情報~」をはじめ、水越美奈先生(日本獣医生命科学大学)による「愛玩動物看護師と適正飼育」、難波信一先生(マーブル動物医療センター)による「愛玩動物看護師が知っておくべき血液検査」、荒川真希先生(ヤマザキ動物看護大学)「愛玩動物看護師へ一歩踏み出す!動物臨床栄養学」といった、これから受験勉強に入るすべての学生、動物看護師の力となってくれるであろう内容であった。

 また、コロナ禍においてさらに拡大したSNSを通して、動物病院と看護動物のご家族のコミュニケーションについて考察する口頭発表「コロナ禍の動物病院における非対面でのご家族への情報共有に関する取り組み~ SNS活用後のご家族の情報理解とスタッフとの対話の変化検討~」(藤田 郁動物看護師、クラウン動物病院)においては、実際に動物病院スタッフがSNSを運用するにあたり大いに参考となる発表となったと思われる。

 来年、2022年には、既卒者・在学者に向けた所定の講習会もはじまり、いよいよ愛玩動物看護師の国家試験に向け本格的に活動し始める方も多いであろう。同大会が、受験生のよい刺激となるとともに、臨床で働く動物看護師の日々の診療の糧となったのではないかと想像する。

 同大会を主催する日本動物看護職協会・横田会長にはMVM No.202(2022年1月号)から3号にわたり、愛玩動物看護師の国家試験にまつわるコラムをご執筆いただいている。ぜひそちらも合わせてご参考いただきたい。


横田会長によるご講演の様子