2019年10月14日(月・祝)にJAHA年次大会2019が東京大学弥生講堂一条ホール、弥生講堂アネックス他(東京・文京区)で開催された。
 あいにくの台風の接近により参加者の安全を優先し、今年は急遽1日のみの開催と日程変更があったものの、当日は熱意あふれる多くの参加者たちが集い、思い思いの会場へ足を運んだ。

 獣医師プログラム「JAHA流ラウンド」では、モデレーターに中村篤史先生(TRVA夜間救急動物医療センター)を迎え、「猫の救急:循環器科」岩永孝治先生(東京動物心臓病センター)、「歯科の救急」江口徳洋先生(Vets Dental & Oral Surgery Office)が発表された。各症例について、救急診療と専門獣医師そして会場の参加者が熱心に意見交換を行った。このほか西村亮平先生(東京大学)、賀川由美子先生(ノースラボ)、長谷往明先生(はせ動物病院)をアドバイザーに、東田周三先生(ベル動物病院)を座長に迎え「認定医を目指すための症例発表会」も実施された。

 動物看護師プログラムでは「動物看護師だからできること。がん治療を支えるための基礎知識」村上昭弘先生(葉山どうぶつ病院)、「糖尿病の基礎知識」金本英之先生(DVMsどうぶつ医療センター横浜)といった補講や「歯科学」樋口翔太先生(ひぐち動物病院・整形外科病院)など、動物看護師として知っておくべき知識について丁寧に紹介された。
 ホスピタルプログラムでは吉田 剛先生(よしだ動物病院)、木村真治先生(王禅寺ペットクリニック)、宮下ひろこ先生(アシスト・ヒューマンリレーションズ)をプレゼンターとして迎え「JAHA流TED×Business」を、続いてJ-Laboマネジメント研修専任講師である小川祐一先生をまねいての「動物病院のためのチーム力向上セミナー」が実施された。

 市民講座では「千葉県こども病院での調査研究」夏目百合子先生(赤坂動物病院)、「アニマルセラピーの効果検証報告~高齢者・セラピー犬そしてボランティアの方々への効果について~」熱田 靖氏(ユニ・チャーム(株))、「オキシトシンとコルチゾール測定」太田光明先生(東京農業大学)、「千葉県がんセンターでのアニマルセラピーの実際~ボランティア支援室での活動報告~」上加世田豊美氏(千葉県がんセンター)の発表が行われた。これらの発表では、セラピー犬がもたらす効果について、エビデンスに基づき紹介され、参加者は科学的な知見からもセラピー犬の活動意義について理解を深めた。このほか「ペットとの豊かな暮らしで知っておきたい:ここまでわかっている、犬・猫アレルギー」坂東由紀先生(北里大学メディカルセンター)、「子犬と子猫の幸せな未来を!こいぬこねこ教育アドバイザーからの提案」ではJAHA認定こいぬこねこ教育アドバイザーとボランティア犬も登壇し、本池俊仁先生(清澄白河アニマルクリニック)が講演、最後に「一緒に活動するってこんなに楽しい!~しつけ教室からCAPP活動で広がるなかま~」阿部容子先生(あべ動物病院)が発表された。

 昨年2018年にJAHA設立40周年を迎え、あらたな一歩を踏み出した2019年の年次大会。「今後もより魅力的な、そして精査されたプログラムを提供していきたい」とJAHA新会長の川田 睦会長は、来年2020年のJAHA年次大会に向けて意気込みを語った。


JAHA新会長の川田 睦先生


CAPPボランティア 感謝状贈呈式にて


市民講座の様子


JAHA流ラウンドの一場面