2017年7月1日(土)、2日(日)の2日間にわたり、ヤマザキ学園大学・南大沢キャンパス(東京)において、日本動物看護学会第26回大会が開催された。
 本大会はテーマを「動物看護の歴史と将来展望」と題し、1日目には主催校企画講演として、RVTの草分けであり、カリフォルニア獣医師会RVS諮問委員会委員長であるCarol B Schumacher氏による「動物看護の歴史を振り返って」が、2日目には学会・主催校合同企画シンポジウムとして桜井富士朗先生(日本動物看護学会理事長)、佐々木伸雄先生(動物看護師統一認定機構機構長)、横田淳子氏(日本動物看護職協会会長)、山﨑 薫先生(学校法人ヤマザキ学園理事長)による「動物看護の将来展望」が行われた。このシンポジウムにおいては、桜井先生から動物看護職周辺をめぐり幅広い数多くの統計データが提示されるなど、動物看護師の現状と今後の課題について分析がなされた。
 また、学会主催セミナー「50年後の動物看護学になにを遺すのか―動物看護師が研究に取り組む意義を考える―」神田鉄平先生(倉敷芸術科学大学)では、動物看護職が専門職として定着するには動物看護学の確立が不可欠であることが述べられ、動物看護学研究に必要な方法論等が具体的に解説された。
 一般演題の表彰では、優秀賞に堀井隆行氏(ヤマザキ学園大学)「3Rsに基づくグルーミング教育が実習モデル犬に及ぼすストレス負荷の実態調査―ヤマザキ学園大学における事例―」(ポスター発表)、奨励賞に吉川和幸氏(酪農学園大学)「運動が制限された犬の体重管理に関する臨床的検討」(口頭発表)、黒瀬安寿加氏(倉敷芸術科学大学)「動物由来感染症予防及び環境衛生改善の視点に基づいた大学構内の野良猫対策―動物看護学が社会の問題解決へどのように関わるか―」(口頭発表)が選出された。
 動物看護職の現在から将来に向けての課題と展望、それに取り組む粘り強い姿勢を感じる本大会であった。

会場の様子