2016年10月29日(土)、本センターによる開設記念講演が研究社英語センタービル(東京・新宿)にて、開催された。
整形外科治療で、安心して相談できる施設があれば、かつて助けられなかった動物たちを助けられたかもしれないという思いから、同年7月に立ち上がった本センター。代表の桐原信之先生(所沢アニマルメディカルセンター)、センター長は樋口雅仁先生(動物整形外科病院)、センター協力獣医師として青砥英三先生(アオト動物病院)、是枝哲彰先生(藤井寺動物病院・動物人工関節センター)、川田 睦先生(ネオベッツVRセンター)、林 慶先生(コーネル大学)が名を連ねる。
 犬猫の飼育頭数が多い関東圏で、紹介症例をみるとともに、最新の情報を提供し、さらに本センターでの整形外科手術に参加してもらい、直接、手術手技をみて学んでもらいたいという、診療と教育を兼ねた施設である。
 開催記念講演会では、「日本獣医整形外科センターがめざすもの」「とう尺骨・上腕骨における粉砕骨折、癒合不全に対する治療法」「股関節疾患、治療の選択、手術の選択②(股関節脱臼再建術と骨頚骨折再建、骨頭回転術による関節温存治療)」樋口雅仁先生(前述)、「骨折治療の基本的なテクニックと知っておくべき基礎知識」「治療を成功させるために確実にマスターすべき跛行診断技術①(身体検査とX線検査を中心とした画像診断の要点)」「股関節疾患、治療の選択、手術の選択①(完璧な骨頭切除術を行うために知っておくべきテクニック)」川田 睦先生(前述)、「治療を成功させるために確実にマスターすべき跛行診断技術②(最新の関節鏡診断、その超解像度がもたらす再新知見)」「全十字靭帯疾患に対する各種外科的療法の現状(LSS、TPLO、TTA、CBLO術式選択のコツ)」「股関節疾患、治療の選択、手術の選択③(股関節全置換術の真実、実際症例から得られる本当の機能回復とは)」是枝哲彰先生(前述)、「整形外科手術の術後ケアとリハビリテーションの実際」木村亮太先生(藤井寺動物病院・動物人工関節センター)、「日本の小動物整形外科教育とリファラルシステムへの期待と展望」林 慶先生(前述)が講演をされた。会場には約150名もの参加者が集い、最新の知見を会得しようと熱心に耳を傾けた。
「動物たちが安心して家へ帰れる、ハッピーエンドの結末を迎えられるよう、努めていきたい」と桐原代表は語る。本センターの今後の展開が期待される。

会場の様子