小動物臨床総合誌 MVM(エムブイエム)、小動物腫瘍臨床 Joncol(ジョンコル)、獣医眼科プラクティス、動物看護コアテキスト 発行-ファームプレス

小動物の心肺の聴診 ―聴診器から見えること―

小動物の心肺の聴診
―聴診器から見えること―

■著者:竹村直行
■A4判 ■144 頁 ■ハードカバー ■モノクロ(一部カラー図あり)
■定価:本体価格16,000 円+税
■ISBN978-4-938807-36-8 ■商品番号 0067

書籍の案内

MVM誌・好評連載「くすりのりすく」から書き下ろし 遂に刊行!
これから聴診を学ぶ学生・どうにかして聴診の腕を磨きたい先生必見!
PART1の特長
 聴診は果たして身体検査の一部か?
 聴診器の詳細と聴診前の準備,心構えも
 解説
PART2の特長
 どうして心臓から音が出るのか?
 心音の発生機序を血行動態と関連させ、
 各種異常心音,心雑音,不整脈の検出・
 評価法を解説。
 聴診所見と治療方針の関連性を解く。
PART3の特長
 なぜ肺の音は理解しにくいのか?
 呼吸音の名称と分類を整理し,各種異常
 呼吸音の発生機序と診断意義を解説

 発咳・鎮咳剤の基本事項を付記

目次

PART1

聴診の前に・・・

Ⅰ.はじめに:聴診は果たして身体検査の一部か?
Ⅱ.自分に適した聴診器を正しく使う
 1 聴診器の構造と名称
 2 理想的な聴診器の条件
  1.理想的な聴診器の価格
  2.自分にあった聴診器は,1種類とは限らない
  3.各パーツが具備すべき条件
 3 聴診器の正しい使い方
  1.イヤー・チューブの角度調整
  2.ダイヤフラムとオープン・ベルの使い分け
  3.聴診器の手入れと消毒
 4 代表的な聴診器
  1.様々なタイプがある「リットマン」
  2.根強い人気を誇る「アレン」
  3.「ステレオ・フォネット」の威力
  4.教育用聴診器の有効性
 付 電子聴診器について,聴覚障害について
Ⅲ.聴診を始める前に
 1 聴診前のチェック・ポイント
 2 聴診は“させて頂く”もの
 3 聴診のチェック・ポイントを知る
  1.心拍数と不整脈
  2.心音の全体的な音量
  3.心雑音
 4 体調を管理する
 5 患者をよくみる
 6 状況証拠を大切に扱う
 7 日頃から聴診技術を磨く
  1.直ぐに答えが出なくてもあせらない
  2.異常心音は必ず口まねする
  3.判らなければどしどし質問
  4.無理に治療しない
PART2

心臓の聴診

Ⅰ.どうして心臓から音が出るのか
 1 心臓の弁口部
 2 心音の発生メカニズム
  1.心周期の血行動態
  2.第Ⅰ音と第Ⅱ音はどのように聴こえるのか?
  3.過剰心音の出現メカニズム
Ⅱ.第Ⅰ音と第Ⅱ音の異常
 1 正常心音の異常とは
 2 第Ⅰ音の異常
  1.第Ⅰ音の音量を規定する要因
  2.増強
  3.減弱
  4.分裂
 3 第Ⅱ音の異常
  1.第Ⅱ音をないがしろにするな!!
  2.第Ⅱ音の音量を規定する要因
  3.増強
  4.減弱
  5.分裂
Ⅲ.過剰心音の考え方
 1 第Ⅲ音の考え方
  1.第Ⅲ音の発生機序
  2.第Ⅲ音の臨床的意義
 2 第Ⅳ音の考え方
  1.第Ⅳ音の出現機序
  2.第Ⅳ音の臨床的意義
  3.第Ⅳ音の考え方
Ⅳ.心雑音
 1 心雑音を見逃すな!
 2 心雑音を見逃さないための6つのポイント
 3 心雑音が聴取された際のチェック・ポイント
  1.心雑音の音量(強度)
  2.雑音の出現タイミング
Ⅴ.代表的な心疾患の聴診所見
 1  動脈管開存症
  1.基本事項
  2.血行動態と雑音の関係
  3.聴診所見の考え方
 2 大動脈弁狭窄
  1.基本事項
  2.血行動態と雑音の関係
  3.聴診所見の考え方
 3 肺動脈弁狭窄
  1.基本事項
  2.血行動態と雑音の関係
  3.聴診所見の考え方
 4 心房中隔欠損
  1.基本事項
  2.血行動態と雑音の関係
  3.聴診所見の考え方
 5 僧帽弁閉鎖不全
  1.基本事項
  2.血行動態と雑音の関係
  3.聴診所見の考え方
 6 両房室弁閉鎖不全
  1.概要
  2.三尖弁閉鎖不全
  3.両房室弁閉鎖不全
 7 心筋症
  1.基本事項
  2.血行動態と聴診所見の関係
  3.聴診所見の考え方
 8 不整脈
  1.不整脈の基本事項
  2.不整脈を見逃さないために
  3.各種不整脈の概要・身体所見・鑑別リスト
PART3

肺の聴診

 1 はじめに
 2 なぜ肺の音は理解しにくいのか
  1.「肺の音の歴史」に問題がある!
  2.意外と何も判っていない肺の音
  3.獣医師と「呼吸音」
 3 肺の聴診の勉強法
 4 呼吸音の聴診のポイント
 5 正常呼吸音
  1.肺胞呼吸音
  2.気管支呼吸音
  3.気管支肺胞呼吸音
  4.気管呼吸音
 6 異常な“正常呼吸音”
  1.正常呼吸音の音量の変化
  2.呼吸音の減弱
  3.呼吸音の増強
  4.増強していた呼吸音の減弱・消失
 7 肺の副雑音
  1.ラッセル音

発咳および鎮咳剤に関する基本事項

 1 はじめに
 2 咳とは?
 3 咳の種類
 4 咳の合併症
 5 問診と身体検査から絞る咳の原因
 6 鎮咳剤の適応
 7 “咳止め”を処方する前に
 8 鎮咳剤
  1.リン酸コデイン
  2.臭化水素酸デキストロメトルファン
  3.酒石酸ブトルファノール
 9 去痰剤
 10 気管支拡張薬