2016年5月1日(日)、東京大学農学部弥生講堂一条ホールにおいて、東日本大震災復興を応援する獣医師の会(代表:鷲塚 章先生)主催、Save熊本プロジェクトチャリティーレクチャーが開催された。本レクチャーは、2016年4月14日から熊本を中心に群発している震災の復興支援を目的として企画され、聴講者の参加費が義援金として寄付される。東京会場でのレクチャーは、Veterinary Medical Network(VMN)サイト(https://www.vmn.ne.jp/)からのストリーミング配信も行われ、この受講料も義援金となる。
主催である東日本大震災復興を応援する獣医師の会は、2011年の東日本大震災発生を受けて結成され、被災した動物と家族、そして獣医師の支援を目的として活動を継続している。16名の有志獣医師がメンバーとなり、チャリティーセミナー等が全国各地で実施され、2011年からこれまでの5年間で集まった義援金は1千万円以上にのぼる。これは日本獣医師会・福島県獣医師会へ送金されている。
今回のSave熊本プロジェクトチャリティーレクチャーは、「日本という国はいつ何が起こるか分からない。だから、今我々にできることを、できる限りがんばる。レクチャーに参加して、熊本地震復興を応援する。」をキャッチコピーとして、東京および名古屋の2会場で開催された。今回編集部では東京会場を取材したので報告する。

東京会場では、小林哲也先生より開会にあたって挨拶と本会開催の趣旨説明があり、続いて以下3題のレクチャーが行われた。

「猫のリンパ腫アップデート 2016」
小林哲也先生(公益財団法人 日本小動物医療センター付属日本小動物がんセンター)
「FIPの診断と治療―最新情報」
石田卓夫先生(一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム会長、ねこ医学会会長)
「僧帽弁閉鎖不全症の治療~全ての獣医師が知っておくべき・実践すべき基本事項とは?~」
竹村直行先生(日本獣医生命科学大学教授、一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム学術顧問)

スペシャリストである先生方によりそれぞれ90分間、臨床に役立つ情報が解説され、先生方の気持ちの強さが伝わる非常に充実した内容であった。
呼びかけから実施まで短期間であったにもかかわらず、東京会場だけで150名以上の受講者が全国から集まり、学生も多く、一丸となって熊本や大分を支えるという想いの感じられるレクチャーであった。

なお5月8日(日)の名古屋会場には100名以上の受講者が参加しており、活動は今後も継続の予定である。問い合わせ、活動報告等はhttp://charity-vets.org/に随時掲載される。

会場の様子