2016年9月6日(火)~8日(木)、第159回日本獣医学会学術大会が日本大学生物資源科学部(神奈川)で開催された。
 今大会のスローガンは「獣医学が紡ぐOne Health」。One Health関連の司宰機関企画のシンポジウムをはじめ、大動物、小動物、野生動物にかかわる多数のシンポジウムや勉強会が行われた。
 International Society for Human and Animal Mycology (ISHAM)獣医-医藻類ワーキンググループ共催シンポジウムでは、加納 塁先生(日本大学)をはじめ、海外からJacques Guillot先生(フランス)、Vanessa R. Barrs先生(オーストラリア)、Richard Malik先生(オーストラリア)を招いて展開され、マラセチアやクリプトコックス、アスペルギルスといった真菌を原因とする感染症について、感染経路や治療などについて海外の状況に参加者たちは熱心に耳を傾けた。日本での現状をふまえた質問など活発な意見交換がなされ、参加者たちの熱意があふれるシンポジウムであった。いっぽうOSCE委員会医療面接分科会によるスーパーバイザー講習会では、全国の獣医大学の先生方が集まり、獣医大学生のための医療面接実習を指導する「スーパーバイザー」についての講習会が行われた。スーパーバイザーは、実習において、獣医師役の学生、バーバル(言葉によるコミュニケション)およびノンバーバル(言葉以外のコミュニケーション)をチェックする学生、模擬クライアントのすべてをとりまとめる役目を持つ。講習会では、学生や模擬クライアントにボランティアで協力していただき、スキルアップのために医療面接実習にてどのように学生に指導していくか、その構成やテクニックについて学んだ。
 台風の影響が懸念されたが全日程を通じて多くの参加者が集い、One Healthの推進への熱意が感じられる3日間であった。


ISHAMシンポジウムの会場の様子