2016年9月4日(日)、ベルサール渋谷ファースト(東京都渋谷区)において、オーラベット®新発売記念セミナー「Dr.Brook Niemiecによる口腔疾患の最新情報」が実施された。

 Dr.Brook Niemiecはアメリカ獣医歯科学会およびヨーロッパ獣医歯科学会の認定歯科専門医で、獣医歯科学会前会長、世界小動物獣医学会の代議員であり、獣医歯科に関する多くの著書を手がけている。今回各60分、計360分にわたり「歯周病、病因とその影響」「歯周の治療」「犬と猫の口腔病理に関する最新情報」「より易しい抜歯法(疼痛管理含む)」「外科的抜歯および合併症」「歯科X線検査のテクニックと読影」の6テーマについて解説が行われた。さらにQ&Aの時間も設定され、非常に充実した内容であった。

 また今回の講演は日本小動物歯科研究会後援のもと行われ、座長には歯科研究会理事の網本昭輝先生(アミカペットクリニック)、大場茂夫先生(日本大学獣医学科)、本田 洋先生(本田動物病院)らが名を連ねた。

 講演では最新知見に基づく検査から外科的治療の具体的なポイントのほか、歯周病の全身への影響、 無麻酔下での歯科処置の危険性、そして術前検査の重要性が紹介、解説された。とくに歯垢が24時間で形成されることから、口腔衛生管理には積極的なホームケアひいては飼い主教育が重要であり、今回のオーラベット®は噛むことによる物理的作用とデルモピノールによる化学的作用の組み合わせにより、ホームケアの一助になり得ると解説された。

 犬の飼育頭数の減少が懸念されるなか、とくに犬のデンタルケアは現在の動物病院が抱える問題を改善する大きな手段の1つであるといえる。約250名の聴講者が長時間熱心に耳を傾けている姿から、臨床現場における獣医歯科情報のニーズは年々高まっていると思われた。

会場の様子