2016年9月3日(土)、三鷹市立三鷹図書館(東京)でReading Education Assistance Dog(R.E.A.D.)プログラムが、JAHA(公益社団法人 日本動物病院協会)のCAPP活動の1つとして新たに展開された。
 R.E.A.Dプログラムは「犬に本を読んであげる」という方法で人の読書能力を改善することを目的に、1999年にアメリカで発祥したプログラム。日本においては、子どもたちが人と話すときに緊張状態に陥らない、自分の伝えたいことをストレスなく相手に伝えられるといった、他とのコミュニケーション能力や自尊心を高めるのに大きな役割を果たすという。今回、JAHA、フォトジャーナリストの大塚敦子さん、そして三鷹市立図書館の協力により実現した。
 本プログラムは、事前にボランティアの方々と犬たち、そして子どもたちとオリエンテーションを行い、「突然走らない」「大声を出さない」「突然触らない」など犬との接し方を学び、またアレルギーの問題など衛生面もクリアしたうえで、本番を迎えた。
 12名の4~12歳の子どもたちが、各々のパートナーとなる犬一頭(CAPP活動犬)とその飼い主(ボランティア)とともに、区切られたスペースにソフトなマットを敷いて腰を下ろし、子どもたちがそれぞれに選んできた本を、犬に読み聞かせた。
「犬との正しい接し方を学び、そのからだの暖かさや毛並の柔らかさに触れながら得意に本を読み聞かせることで、自信、自尊心の醸成にも役立つ。集合住宅に住む都会の子どもたちに身近な命に気付いてもらえた」「将来的に動物病院もかかわっていくためには、子どもの学習の基本と、動物行動学の知識をしっかりと習得することが大切」と本活動をとりまとめる柴内裕子先生(赤坂動物病院)。今回だけでなく、2回目、3回目とできる限り開催していきたいと三鷹図書館の田中博文館長はいう。R.E.A.D.プログラムの今後の広がりが期待される。

「温かいね…」。
R.E.A.D.プログラム オリエンテーションでの一場面

同オリエンテーションの様子。
子どもたちは、犬との関わりあい方も学ぶ

R.E.A.D.プログラム 本番。
子どもたちが自分で選んだ本を犬に読んであげた