2016年8月21日(日)、東京都千代田区の連合会館において、第9回日本獣医腎泌尿器学会学術集会・総会が開催された。

 午前中は「猫CKDにおける腎性貧血」をテーマとしたパネルディスカッションが行われ、宮川優一先生(日本獣医生命科学大学)による「猫CKDにおける腎性貧血の重要性」、山野茂樹先生(うえだ動物クリニック)による「猫CKDにおけるESA(赤血球造血刺激因子)療法」、岩井聡美先生(北里大学)「猫CKDにおけるErythropoiesis-stimulating agents耐性」の3題が発表された。腎性貧血治療のエビデンスが少ない猫における、エリスロポエチン産生低下や鉄欠乏への対処について、その重要性が解説され、実践的な方法も提示される内容であった。また、ランチョンセミナーでは阪本浩和先生(株式会社カネカ)「ネコ・エリスロポエチンの開発」が、午後からは全12題の一般症例・研究発表が行われた。

 参加人数は150名を超え、会場は午前中からほぼ満席の状態であり、今回テーマとなった猫CKDにおける腎性貧血への関心の高さがうかがえた。

会場の様子