2016年6月25日(土)、26日(日)東京コンベンションホール(東京)にて、第15回日本獣医がん学会が開催された。
 初日のシンポジウムは2テーマを設けて行われ、午前中は「腫瘍摘出後の再建外科を医学から学ぶ」をテーマに頭頚部の機能温存と生存率の向上を目指した再建術と超選択的動注化学療法や、上部消化管外科における機能温存再建手術について、午後は「疼痛管理」をテーマに、犬猫の痛みの評価や鎮痛薬、外科施術手技に応じた周術期疼痛管理、担癌患者の症例を交えた癌性疼痛管理やインフォームドコンセントについて講演が行われた。
 2日目のメインシンポジウムでは「頭頚部扁平上皮癌」をテーマにして「頭頚部扁平上皮癌の臨床病理」平田雅彦先生(アイデックス ラボラトリーズ)、「頭頚部扁平上皮癌の病理」賀川由美子先生(病理組織検査ノースラボ)、「頭頚部扁平上皮癌の画像診断」和田昌絵先生(ORM神経病・読影センター)、「頭頚部扁平上皮癌の外科」相川 武先生(相川動物医療センター)、「頭頚部扁平上皮癌の内科・放射線療法」細谷謙次先生(北海道大学)の講演がなされ会場の先生方は熱心に耳を傾けた。
 また、前回のがん学会に引き続きランチョンセミナーが行われた。石田卓夫先生(赤坂動物病院)による「すべての化学療法実施症例にペディオコッカスを」(協賛:共立製薬)、小笠原聖悟先生による「ゼロから学ぶ骨髄検査~手技から診断まで~骨髄検査材料の採材と標本準備」(協賛:アイデックス ラボラトリーズ)、青木琴代先生による「ランチョンだから話せる!キャミック画像診断」、久楽賢治先生による「腫瘍疾患に生かすCT・MRI画像診断」(協賛:キャミック)、大参亜紀先生(東京大学)による「CHOPプロトコルを使いこなしてみよう!~犬の多中心型リンパ腫を中心として~」(協賛:ファームプレス)と、前回より2枠増えての展開となった。
 この他、一般口演、教育講演およびⅡ種対応の総合教育講演(8項目)も行われた。
 次回第16回は、2017年1月28日(土)、29日(日)大阪で実施予定。

会場の様子